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ゴルフを通して人生の物語を紡ごうーONE STORY山﨑氏が目指す、ゴルフ人口1,000万人への道

コロナ禍で誕生した新規ゴルファーの数、なんと60万人。

かつてはユーザーの高齢化が進み、ゴルフ市場は縮小の一途をたどっていました。それがコロナ禍、“密”を回避しながら楽しめるスポーツとして大人気に。今やゴルフ練習場やゴルフ場は多くの人で賑わい、新たな関連施設が続々とオープンしています。

なかでも増えているのが、天候に左右されずに楽しめるインドアゴルフ。
新規事業として取り組む方が多いとはいえ、オーナーに共通するのは、自身もゴルフが好きで、「この楽しさをもっと多くの人に伝えたい」と考えていること。

ゴルフ事業のコンサルティングや施設運営を行う株式会社ONE STORY 代表取締役社長の山﨑博之さんもそんなお1人です。

ゴルフ業界を盛り立てようと様々な取り組みをしてきた山﨑さんに、これまでの道のりを振り返りながら、その魅力とゴルフ事業に携わるうえでのポイントについて語っていただきました。

〜プロフィール〜
株式会社ONE STORY 代表取締役社長 山﨑博之氏

ゴルフビジネスプロデューサー。スクールコーチ、練習場支配人などを経て、独立。ゴルフコーチとしてスクールノウハウを研究した後、RIZAP GOLFの構築をプロデュース。現在は、既存練習場の新規来場者とリピータを増やす活動や、他業種からのゴルフビジネス参入に対して成功するステップを伝えている。

HP:https://one-story.co.jp/

打つよりもプレーする空間に感動、ゴルフに魅了される


ーゴルフに興味を持ったきっかけは何だったのですか?

幼いころ、祖父が庭でスイングの練習をしていて興味をもちました。本格的に始めたのは、高校時代、父から誘われて練習場に通うようになってからです。それまではサッカーをやっていたこともあって、その広い空間と白い砂場(バンカー)があって…という環境に「なんだここは!」と。ボールを打つ楽しさよりも、まずその開放感溢れる空間に魅了されました。そこからスコアが伸びていく楽しさも加わり、どんどん好きになっていきました。

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ー大学でもゴルフ部に所属され、プロも目指されたのですね。

高校・大学とゴルフ部に所属しました。プロは大学時代に諦め、卒業後は大手IT企業に入社しました。ただ、2009年のリーマン・ショックでサラリーマン人生が不安になってしまって。

実は入社した時に「10年後には自分でビジネスを始めよう」と考えていたこともあって、じゃあそろそろ何か始めるか、自分の強みって何だろう?と考えた時に思い浮かんだのがゴルフでした。

30歳で大手IT企業を退職し、ゴルフの師匠であったプロの紹介で、まず千葉県にあるゴルフ施設において子どもたちへの指導を始めました。

それまで、アマチュア競技などに出場していたので、正直、指導する側にまわってやりがいを感じられるのか、最初は戸惑いがありました。でも、子どもたちの笑顔が本当に輝いていて…。

自分が父親とゴルフを始めた頃の新鮮な喜びや感動を彼らも感じてくれているんだと嬉しかったですね。そして、この笑顔をもっと増やしたい、もっとゴルファーを増やしたいと感じるようになったんです。

でも、私はインストラクターとして指導を始めたのが遅かったので、ほかのレッスンプロの指導と差別化するため、まずはピラティスインストラクターの資格を取得し「体とゴルフをつなげる先生」としてアピールしてみることにしました。

ピラティスってゴルフに有効なんです。集中力も高まりますし、ラウンド中、傾斜がある場所でもバランスを取りやすくなったり、何より柔軟性が高まることで体の可動域が広がります。

結果、これ自体がビジネスになることはありませんでしたが、この差別化により生徒の継続率、さらには入会率も高まりました。

限界を感じ、ゴルフビジネスをやめることを考えた矢先、RIZAP GOLFプロデュースの話が舞い込む


ーそこからどのようにONE STORYを立ち上げるのでしょう?

立ち上げの話はまだだいぶ先になります(笑)
先ほどの施設で8年ほど指導した後、両親が他界したことをきっかけに実家がある横浜に戻りました。実はこの時、ゴルフビジネスはもうやめようと考えていました。

レッスン指導だけでやっていくことには限界を感じていたし、会社を作るのも難しそうなので、サラリーマンに戻ろうかなと思っていたんです。

そんなとき、知り合いの紹介でRIZAP GOLFをプロデュースする話が舞い込んできました。社内にゴルフに詳しい方がいないということで、私のほうで短期間で成長できるスクールノウハウの構築や集客など、ゴルフ事業のモデルを作ることに一から携わらせていただき、半年で1号店のオープンまでこぎつけました。

ー半年でオープンとはすごい早さですね!

当初の予定は3ヶ月でした(笑)。社長の決断が早いので、全てがスピーディでしたね。RIZAPでトレーニングする方の9割が趣味でゴルフをやっていたそうで、それならばと事業を立ち上げることになったそうです。

無事1号店をオープンした後は、ゴルフ練習場の支配人を務めました。150打席・250ヤードという大型かつ高価格帯の施設だったので、管理するスタッフもレッスンプロを合わせて60〜70人規模。その人事管理と、防犯や採用計画、店舗計画などすべての管理に携われたことは、大変でしたが本当に貴重な経験でした。

当時の一番の課題は、斜陽産業であったゴルフ事業をどうやって盛り立て、売上を確保していくかということでしたね。

ゴルフ事業に携わってから約10年、インドアゴルフ事業の相談を機にONE STORYを起業


ー支配人を1年半務めた後、いよいよONE STORYを立ち上げるのですか?

はい、やっとここからです(笑)

ある方から「インドアゴルフ事業をやりたいがノウハウがわからない」と相談がきたことがきっかけでした。正式にコンサルティング契約を結ぶのに法人である必要があったので、ONE STORYを立ち上げました。

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コンサルティングを手がける梅里カントリークラブ

ゴルフほど大人を魅了させるスポーツってそうそうないと思いますし、やれば必ずいろいろな人との出会いが生まれます。その過程では、上達する嬉しさや達成感、うまくいかない悔しさなど様々な感情が生まれる出来事があって、それってもう1つの物語だと思うんですよね。

そのような意味を企業名には込めました。ゴルフを通して、たくさんの物語を生み出したいと思っています。

ー起業してから、どんな案件を受けたりサービスを提供されてきたのでしょう?

アウトドア練習場(いわゆる打ちっぱなし)のマーケティング分析や集客アドバイスなど、売上に直結するコンサルティング業務やインドアゴルフスクールの立上げ支援業務を主にサービス展開していました。

そのほかにも、インドでゴルフ事業をやらないかというお声もいただき、実際に向こうへ視察にも行きました。富裕層の間でじわじわと人気となっているようです。

インドに限らず、アジアなどのゴルフ市場もまだまだ伸び代があると思っているので、日本のゴルフ経営のメソッドをぜひ輸出したいと考えていましたが、新型コロナウイルスの拡大ですべて一旦白紙となってしまいました。

ー正直、インドの方がゴルフをやるというイメージがありませんでした。大変面白そうなので、コロナ禍が収束したらぜひチャレンジして欲しいです。

日本においては、今後のゴルフ市場のことを考えると、若年層を取り込むことが必要かと思います。そのためには、ゴルフウェアなどの“おしゃれさ”も大切だと思います。最近、女子プロゴルフの選手などはおしゃれになってきているように感じますが、この辺りの変化はいかがでしょう?

ツアープロ上位選手になるとスポンサーであるメーカーが提供するものを着る必要がありますから、自分のカラーを出すことは簡単ではないかもしれません。やはりファッションより機能性が重要なので、特に男子選手のほうは、今でもデザインよりそちらを重視する傾向があると思います。

ただ、私のところにも相談があったのですが、ウェアが提供されない女子ツアープロの間では「もっとおしゃれで高機能なウェアを着たい」と、自分たちでデザインしようという話も出てきています。

ーこれから少しずつ変わっていくといいですね。続いて、これまでのゴルフ事業において、山崎さんが感じている課題などはありますか?

インドアゴルフなどはいわゆるハコモノ産業なので、売上の限界が大体決まってしまいます。だから、経営のポイントは、いかにコストを下げられるか。その点、hacomonoで予約や決済部分をオンライン化することで人件費を下げられたことはよかったです。

ーhacomonoを取り上げていただいてありがとうございます。最後に山﨑さんが実現したいゴルフ業界の未来について教えていただけますか?

現在のゴルフ人口は約700万人ですが、バブル期は1,000万人もいました。この300万人をまず取り戻したいと思っています。

ー本日はありがとうございました。9月29日のセミナーでのお話も楽しみにしています。


◆ Information ◆
今回、インタビューにご協力いただいた山﨑氏によるセミナーを開催致します。

オンラインセミナー開催「フォローの風吹く業界に何が起きているのか?」
9月29日(水)15:00〜16:00

名称未設定 5

現在、インドアゴルフ事業に取り組まれている方、これから取り組もうとしている方、ぜひお気軽にご参加ください。
お申し込みはこちら