見出し画像

05/23 図書館が定休日だったので旅にでた

図書館が定休日だったので旅にでた。

定休日の図書館


カバンに入った返却予定の本たちが、肩にずしりと重い。行きでは感じなかったのに。
おろしたてのサンダルで歩きたくてテクテクやってきた。これではデビュー戦の思い出があんまりだ。
そのまま帰るのも負けた気がするので近くのバス停に寄る。家とは逆の方向のバスに乗ってみよう。ただの気まぐれだ。知らない街にいってフラフラしたい気分なのだ。
次のバスが来るまで23分、行ったばかりではないか!
まあよい。鞄の中には本がたくさんある。
乙一の『箱庭図書館』の最終章だけ未読であったのでちょうどよい。バス停で姿勢正しく読んでいた。

小指が痒い

蚊にくわれた。
サンダルで来たことを後悔しそうになる。まだだ。旅の始まりで挫折するわけにはいかない。物語のちょうどよい所でバスはやってこない。なんと時間に正確なんだろう。

車窓から知らない街を眺めて、ぼんやりしようにも窓の広告がうっとおしい。広告の隙間から覗くように外をみること10分、素敵なパン屋が見えた。あんぱん190円!とデカデカとした広告。安くも高くもないのに自信満々だ。気に入った。ここで降りよう。
近くに来てみると、パン屋&カフェ&レストランという欲張りセットだった。店内でゆっくり本の続きでも読むかと思ったが、店に入って気分がかわった。もっと歩きたいのだ。
お目当てのあんぱんを買ってから店を後にする。

あんぱん

もくてきなくフラフラと歩くのがすきだ。
ぼんやり歩いてると、閉店した喫茶店が出てきた。
店の前にぽつんと段ボールが置かれており、中には「ご自由に持っていってください」ときれいな書かれた張り紙。花瓶やコップが入ってた。似つかわしくない小さなバケツをひょいと持ち上げると、『けろけろけろっぴ』の絵柄が描いてあるではないか。これは運命だ。私はけろっぴ好きなのだ。私は運が良い。蚊に食われたことなど帳消しだ!

ケロッピのバケツ

ベ小説の続きを読もうと公園のベンチにやってきた。平日の昼間なのに子どもたちで賑わっていてる。3つ並んだベンチの真ん中に、海外の男性がひとり座っており両隣は空いている。片側に座って本を読もうと思ったら、爆音でボサノバが流れてるではないか。どうりで両隣が空いてる訳だ。落ち着かないのでベンチであんぱんをかじる。コシアン派である。パンの上の細かいツブツブが旨い。これは胡麻か?胡麻より小さいから胡麻モドキと名付けた。

目の前で、小学校低学年くらいの男の子たちが、水鉄砲で撃ち合ってる。最近の水鉄砲は高性能なようで「ぴゅっ」と単発でなく「びゅーーーー」とロングで水がでる。水圧も相当だ。子どもたちから大佐と呼ばれる男の子。迎え討つ男子は、弾が吸盤になっており壁などにピタッとひっつくタイプの銃だ。弱すぎる。一発打つごとに弾を拾いに行って装填してる。彼は撃たれすぎでずぶ濡れで泣き出してしまった。
泣いてる子の顔を狙ってやるなよ少年。
残酷すぎやしないか世界。それでも一緒に遊んでるんだから仲は良いのか。。小さな戦争を見ていた。

いつの間にかボサノバも止み、小説を読み始める。『図書館戦争』の中の話でも、雪の降る夜に本に集中しすぎてバス停で一晩過ごしてしまう人物が出てくる。私はボサノバや蚊のかゆみに負けるので、羨ましい集中力である。
本を読み終えた。一冊の小説を読み切った後の達成感と余韻に浸りながらぼーとした。

私も物語を描かなきゃな。 
勢いよく立ち上がって伸びをする。


帰りは違うバス停を目指した。
ぼんやり歩くと幸運はやってくる。
やや! これは! 

ジンギスカン

ジンギスカンではないか! 
ジンギスカン定食 780円…
財布にも優しいじゃねえか。私はポッケの小銭をジャラジャラ確認して店に入った。

ありがとう

ありがとう。ラムよ。
ここで明日使える雑学を置いておこう。

古来中国では、羊はおいしく栄養のあるもの とされていました。そのため、羊が大きくな った状態を「美」いいといい、羊を食べる ことにより「栄養」がつくとされて いました。羊は牛肉に比べ、コレステロ ールが少なく、ビタミン・ミネラル・カ ルシウムが多く、さらに消化が大変良い ので、まさにヘルシーフードと言えます

お店の掲示板より

知らなかった。素敵な漢字の成り立ちじゃないか。栄養の『養』は羊由来だったのか!一つ賢くなった。レベルアップだ。

定食と追加のラム肉、しそサワーを頼んで1700円という身も心もお財布も嬉しい盛りだくさん。野菜もすべてのお肉についてくるで、マシマシ二郎を食べてる気分だ。ごちそうさまでした。

帰りのバス。『箱庭図書館』の第一編「小説家の作り方」に影響を受けて。バスの中でスマホでコチコチと文章を組み立て始めた。行き道で眺めていた車窓と違って画面に集中している。

何でもない日に旅をした。
ただ、それだけの記録が、
いつか物語になるように。

ポエムを描いていたら、乗り過ごした。
私にも、小説の彼女のような集中力があるかも知れない。注意欠陥かも知れない。

ーー閑話休題ーー

さて。
明日からも引き続きゴツプロ!
『無頼の女房』の稽古が進む。
昭和の無頼派の作家、坂口安吾をモデルにした話だ。私はそこに出入りする書生の役である。
面白い作品なのでぜひたくさんの方に観ていただきたい。
が! まずは!

ここまで文章を読んでくれた愛のあるアナタに観に来てもらいたい。素敵な話なんです。
良ければ、ゴツプロ!の主宰の塚原さんと対談している動画があるので観てもらいたい。


どうぞ。ぜひ。ご贔屓に。
こちら詳細が詳細でございます。

ゴツプロ!第九回公演『無頼の女房』
【劇場】本多劇場(東京都世田谷区北沢2-10-15)
【日程】2024年6月6日(水)〜6月16日(日)
【脚本】中島淳彦 
【演出】青山勝(劇団道学先生)
【出演】塚原大助 浜谷康幸 佐藤正和 泉知束 渡邊聡 44北川/かんのひとみ(劇団道学先生) 浅野令子 土屋佑壱 鹿野真央(文学座) 前田隆成/剣持直明(劇団だるま座) 久保酎吉

6月
6日(木)19:00♡
7日(金)19:00♡
8日(土)14:00★
9日(日)14:00
10日(月)19:00
11日(火)14:00/19:00
12日(水)14:00★
13日(木)19:00
14日(金)14:00
15日(土)14:00
16日(日)14:00
♡早期割引
★アフタートークショー

【チケット料金】消費税込・全席指定
一般/7,000円(前売・当日共に)
♡早期割引/6,500円
U-25・養成所割引/4,000円※要証明書提示※

【詳細はゴツプロ!公式サイト】
https://52pro.info/

※ご予約はTwitterやインスタのDMにご連絡くださいませ!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?