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アイデアの向こう側 絞りきったあとが見られるワーク ブレインライティング

こんにちは!株式会社HackCamp カルチャーリードの菊井です。

先日、私の友人で弊社が利用しているサテライトオフィスの経営者でもある尾崎えり子さんが書いたnoteが軽くバズっております。

アイデアを多発しているときに、一回完全にアイデアが枯渇して空っぽになるときがあり、そのときに、インプットがものすごい勢いで入ってくるという、一種のアンラーニングのお話です。

この話しを事前に聞いていたHackCampのスタッフは、みんなそれぞれに同じことを思い起こしていました。それは、

「ブレインライティングの6列目、、、」

おそらく多くのみなさんにはわからないと思うのですが、古くから使われているブレインライティングというブレストの思考法がありまして、弊社のアイデアソンでも発散フェーズで頻繁に使います。このワークで得られる経験にちょっとこの話しが似ていたのです。

沈黙のブレスト ブレインライティングとは

まずは簡単にブレインライティングの説明をします。
発言せずに書いていくブレインストーミングの手法で、ホワイトボードにどんどん書いていくようなブレストとは違い、発言が得意な人も不得意な人も、時間を区切られてどんどん強制的にアイデアを書いていくことになります。

HackCampで使用しているのは、アイデアプラントさんが販売しているこちらのシートです。発散後にグルーピングや投票の収束のフェーズまでが設計されていて、終了後はアイデアをカードの形で保管もできる。とても便利。
https://braster.ocnk.net/page/11

オンラインホワイトボードのMiroにもテンプレートがありました。
https://miro.com/templates/brainwriting/

スクリーンショット 2021-04-28 8.50.04

いろんなメソッドが開発されているようですが、要は人のアイデアの下に自分のアイデアを書いていく上で、上のアイデアを見ながら新しい発想を産んだり、上のアイデアを変化させたり、ということで、短時間で大量のアイデアの種を生み出します

アイデアプラントのシートでは、横3縦6で18枠分のアイデアが埋まり、これが参加者の数だけあるので、参加者Nx18のアイデアが60分程度のワークで生まれて、どのアイデアを採用しようかという収束のところまでいけます。

6列目の手前で訪れるアイデアの枯渇

このアイデアシートを参加者間で回しながら埋めていくわけですが、だいたい5列目あたりでアイデアがもう出ない〜、となってきます。そこにたどり着くまでに、前の人のアイデアとか6観点カードとか駆使して発想を広げるわけですが、10個超えると、短時間でパッと思いつくアイデアはそこを付き始めます。みなさんだいたい5列目くらいで小学生男子みたいなことを書き始めます。「空中浮遊」とか「世界征服」とか「全部食べられる」みたいなキーワードしか浮かばなくなってくるんですね。私の息子がノートに書いたアホな落書きを思い出して、あいつ、やっぱ天才だな、って思う瞬間です。

なすごきぶり

いや、小学生男子の粋にたどりつけるとまたアイデア広がったりするんですが、5列目くらいで、みなさんの手がピタっと止まるフェーズが訪れます

6列目で訪れるアイデアのウェーブ

ここで、みなさんは前のアイデアをザーッと見返します。そして「いや〜、でないなぁ」「でないすねぇ〜」とちょこっとお話したりします。そのときに、ぱっと表情が変わって、その後のますがどんどん埋まり始めることが多いのです。

お笑いコンビ麒麟の田村さんが話していた貧乏エピソードの中に、かみ続けて味がなくなったガムを更にずーっと噛んでいると、ふっと味が復活する瞬間があるらしく、それを「味の向こう側」と呼んでいたそうなんですがw、私は個人的にこの5〜6列目の現象を「アイデアの向こう側」と呼んでいました。

尾崎さんのブログからは、アイデアを出し切ったときにインプットが勢いよく入ってくる様子が書いてありましたが、なるほど、みなさん、出し切ったあとで、それまでは気づいていなかったヒントに気づくようになるんでしょうね。

そして、何よりすばらしいなと思うのは、6列目のアイデアは、発想がしっかりと飛躍して、ありきたりでないとても良いアイデアであることが多いことです。

まだまだありそうなアンラーニングの方法

2020年度、社員が哲学を持つことを重視していたHackCampでは、アンラーニングの話しをよくしました。アンラーニングには、未来に一度視点を移してから現在に戻るバックキャスティングの思考法や、立場のまるで違う人の意見を聞くなど、たくさんの方法があると思います。こねくり回しすぎてわけがわからなくなってしまった説明文などを、一度何も知らない人に読んでもらって意見を聞く、なんていうのもあれはアンラーニングしようとしているわけですよね。

尾崎さんのブログから、「中にあるアイデアを全部出し切ってから周りを見る、っていうことも、アンラーニングの手法の一つだったんだ、ブレインライティングの6列目でおこっていたのはアンラーニングだったんだ!」ということに気づくことができました。

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