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私と彼の去年

わたしはできるだけ早く彼と結婚したい。
なぜそう思うのか。少しまとめてみようと思う。
これは誰かに伝えるということもそうだが、
自分の考えをまとめるというつもりで書く。

私がそう思う理由は、去年の出来事にある。
わたしは2021年を一生忘れないと思う。
私と彼は円満に付き合っていた。
良くも悪くも。本当に仲良しで和気藹々としていた。いろんなことがあったがその頃は平和だった。
(何度か別れ話もされたし、したし、浮気もされた。これについてはまた書く)
その一方で、私はいつになったら結婚するんだろうと疑問に思っていた。26歳で付き合って3年。
もうそろそろ結婚したらいいのでは?とずっと、ずっと思っていた。年頃の女性なら当たり前だと思う。周りが結婚、子育てをスタートさせ始めたら、さすがの私でも焦り始める。

そんな私はある時、妊娠した。
本当に突然。びっくりした。驚いた。焦った。
でも嬉しかったのだ。彼との子供を妊娠できたことが。そして何より、これで私は彼と結婚できるとどこかでほっとしていた。きっかけがないと彼は絶対に結婚に踏み切らない。いいきっかけになった。嬉しい。2人で家族になりたい。幸せになりたい、と。
この時の私は少し浮かれすぎていた。思えば去年の幸せの絶頂は、妊娠が判明した時だけ。本当にここがピーク。ここから私は絶望のどん底に落とされる。彼によって。私はこれ以上の絶望を知らない。知りたくもない。

いつもと違う体調。つかれ。病院にも行き、妊娠が確定した。彼に伝えようと思った。
私は彼とおうちデートをしているときに、思い切って報告した。喜んでくれると思った。明るい未来に向けて、進んでいけると信じていた。
私が甘かったのだ。軽い気持ちで、避妊しなくていいと言った私が。彼と幸せになれると勘違いしてきた私が。
彼は私に言った。

「今言うことじゃないと思うけど、別れようと思っていた。いきなり言われても、父親にはなれない。結婚もできない。俺にはできない。」

涙しか出なかった。当たり前だけど。
自分の好きな人にそんなことを言われるなんて誰が想像できたのだろう。意味がわからなかった。
人として、そんなことを言える彼に、私は絶望した。泣くしかできなかった。
申し訳ないけど、彼が泣いてるのをみて、なんでお前が?おかしくないか?お前には逃げる選択肢がある。私にはないのに。どういうつもりなのか、罵声を浴びせた。心の中で彼を恨んだ。
度重なる話し合いは1週間に及んだ。
私はその間、彼に言われたことを忘れない。
中絶してほしいとも言われた。そのあと俺も死ぬからと。なに様?この発言はいかれすぎていて、ほんとに忘れない。

好きじゃないのならば、なぜ欲を私で満たしたのか。好きと言ったのか。大好きだと囁いたのか。

自分がもっと成長して、自分で何もかも決めて生きていける自分になりたいんだと決めたと彼に、訳わからないことを言われた。このタイミングで?ふざけてるのか?この人は正気なのか?私にはなにもわからなかった。

この頃の私は精神的にかなり参っていて、職場にもかなり迷惑をかけた。毎日泣いて、苦しんで。心が痛いとはこういうことなんだと毎日思った。こんなに苦しいなら、新しい命ができなければよかったと思った。


母に言われた言葉がある。苦しみ、泣き続ける私に母はこういったのだ。

「自分の好きな人は自分が一番信じなさい。他の誰でもなく、あなたが信じるしかない。」

そうかと思った。私が彼を信じなければ、お腹の命は守れない。1人でも守れない。彼と一緒にいたいのなら、私が信じなければ。私は祈るような、信じるような気持ちで彼に結婚するように説得し続けた。

最終的に彼の父親が、彼の甘えた考えを一喝してくれた。
「逃げようとするのはお前の甘えだ。責任をとって頑張って生きていくしかない」

こうして私は、彼と結婚することが決まった。
彼は渋々だし、私も彼に対して不信感しかない状態だったので、結婚することがベストとは思えないが、結婚することが決まった。2人で命守っていこうと。わたしは彼に期待していなかったので、1人で病院にも行って、母子手帳もとっていた。あとは入籍するだけだなと思っていた。

全てがうまく行き始めると思っていたころ、私は流産してしまった。これがまた波乱の幕開けだった。
本当に辛かったし、毎日泣いて、謝った。
私が悪かったから。私がなにもしてあげられなかったから。守れなかった。なにもできなかった。
ごめんね。産んであげられなくて。ごめんね。
会いたかった。楽しみにしていたのに。会えなかった。本当にごめんなさい。いろんな人を悲しませてしまった。
頭の中がぐちゃぐちゃだった。
彼は私を慰め、寄り添ってくれた。びっくりした。
彼が私に寄り添うなんてあり得ないと思った。
彼は私に言ったのだ。

「俺が前向きにならなかったから。俺が酷いことばっかり言ったから。苦しい思いをさせてごめん。これからは俺も背負うから。一緒に乗り越えよう」

人は失ってから大切なものに気づく。多分彼も、そうなんだと思う。彼の泣き顔をみて、あぁそうか。彼も私も親になるには未熟すぎたのだ。私は自分のことしか見えてなかった。彼と一緒に頑張ろう。乗り越えてまた元気に友達と過ごしたり、働いたりしたい。寝てばかりではいけないと。その手伝いを彼がしてくれるなら、支えて貰えばいい。私とこの苦しみを分け合えるのは、彼しかない。彼とまたゆっくり進めばいいんだと。

私はいつでもなんでも、自分の言いように考えすぎてしまう。彼は私と同じで、私のことが好きなんだと勘違いしていた。そんなわけない。彼は私が妊娠しても結婚を拒否した男だ。甘い甘すぎる。これから私はまた彼と勝負をして、これからを決めないといけない。

そして、私はその勝負に負けて、結婚の話を先延ばしにされるのだ。やれやれ。

書いててびっくりするほど、彼はクズ!!

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