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ありがとう、ウルトラマン。(ネタバレ含)

シン・ウルトラマンを見た。
『そのままウルトラマンをやった』というのが一番の感想だった。勿論いい意味で。

実は事前に賛否両論と聞いて少し身構えていた。
自分はファンと言える程ウルトラシリーズに造詣が深くない。
親の影響で子供の頃にQ、マン、セブン、怪奇大作戦辺りを見てはいるが当時の感想は「面白いが怖い特撮」程度だった。
時が経ってもう少し咀嚼出来ているがマニアには程遠い。
だが結果として今作は十分に楽しめたしこれ迄の視聴経験はそれを大きく助けたと思う。

変わらないウルトラマン

光の国から僕らの為にやってきてすべてをかけて戦うウルトラマン。昔のまんまだ。
そしてウルトラマンは人間を守って怪獣と戦う。
人間達が彼を疑おうと彼に牙を向こうと人間の為に戦う。
もしシリーズを1度も見た事が無い人が本作を見たとしたらどう思うだろう。
たった1人の人間の命への贖罪の為にすべてを差し出すつもりか?と思うだろうか。

『そんなに人間が好きになったのか、ウルトラマン。』

本作を代表する言葉だと思う。
主人公の癖に最も謎めいているウルトラマンの動機が決定的になるからだ。
ウルトラマンは変わらず僕らのヒーローなのだ。
もし変わった物があったとしたらそれは何だろう。

地球をあげます

メフィラス星人は暴力を嫌い言葉巧みに地球を狙う宇宙人。
今作では地球人を良く理解した外星人として描写されている。不快な態度はなく地球の文明に馴染んでいながらの異質感の表現が面白い。

原作『ウルトラマン』では地球の子供に「地球をあげます、と言え」と迫り侵略の口実にしようとした。
子供の自分は「宇宙人なのに馬鹿すぎる。子供にそんな権利などない。」と一笑に付した記憶がある。
ところが『シン・ウルトラマン』の日本政府はメフィラス星人の誘いに乗って密約を交わしてしまう。
外星人からしたらガキンチョも総理大臣も等しく未熟だろう。
日本はメフィラスを上位存在と認め庇護下に入る。
諸外国からの影響を鑑みた政治的、合理的で賢い選択だ。愚かだが責められない面もある。
自分も「地球をあげます」という誓約書にサインしてしまったような気持ちになる。

デカ過ぎんだろ・・・

賛否両論あるのは本作の評価よりゼットンのデザインだろう。
元々「恐竜?」という感じだったが今回は完全にメカだこれ!
ただ個人的には悪くないと思っている。
元々ゼットンはウルトラマンという作品を締め括る為の舞台装置で絶望の代名詞だからだ。
ピポポポポという独特の音、赤色火球に強力なバリアでウルトラマンを圧倒しその舞台的役割を十分に果たした。
ウルトラマンと同じ地平で動き回るゼットンも見たかったという気持ちはある。

滝明久というもう1人の主人公

禍特隊の非粒子物理学者。
職場にサンダーバードやらエンタープライズ号やら飾っちゃうオタク。
外星人にとっての未熟な人類を代表するキャラクターで大多数の視聴者が共感しやすい味付けになっている。
彼は科学が人類を救う作品で(おそらく)夢見て、外星人の技術で現実を知って打ちのめされ、自暴自棄になる。
仕事が行き詰まった時は神頼みだ!ウルトラマンが欲しい!!

ウルトラマンは光の国の規則を破り、自分が歯が立たないと理解していても人類を救いたかった。そして滝に最期の希望を託す。「進化に干渉してすまない。」
何を謝る事があるのかウルトラマン。我々の方がよっぽど君に酷い態度をとってきたじゃないか。

『それでも我々を好きでいてくれるのか、ウルトラマン。』

おわりに

感想の半分も言語化出来ていない。
それに見当違いな事を言ってしまっている気もする。

何度か書き直してどうにも咀嚼しきれていないようなので深夜のテンションに任せて書き殴る事にしたら幾分かスッキリした。
ゾフィーはジルトーシュだとか、ゼットンの絶望感って真マジンガーZEROのゴードンヘルだよね!とかワイルドアームズが〜とか言い出す前に止めておこうと思う。

いい映画でした。

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