【聖殺人者】完走しました。悪の華【神を喰らう者たち】
こんばんは。はちです。
前回紹介した【悪の華シリーズ 著者:新堂冬樹】
この記事を書いた翌日に続編の「聖殺人者」を読了しました。
「あらすじ」
シチリアマフィアのドンの息子・ガルシアは、家族を皆殺しにされ、東京へと逃げ延びた。新宿で凄絶な抗争を生き抜いたガルシア。だが、家族の仇であり、今ではシチリアの大ボスとなった宿敵マイケルが最強の刺客を放つ! 殺人マシーンとして育てられた男(ジョルジオ)とガルシア、さらに南雲組組長・海豪。三つ巴の闘いの行方は?
「感想」
ガルシアは日本に留まっていた!
確かに、短時間でぱーっと金を稼ぐにはアレしかないよね。
ガルシアの選択は間違ってないと思うんですが、この主人公はいかんせん女運が悪い。
女が悪いのか。いや、悪の華に出てくる女性は一部を除いて「まさに悪女!」って人間はいないしなぁ。
考え直そう。ガルシアと関わった女は幸せになれない。
そもそもガルシアと関わった人間の約9割は死ぬ。
つまり、接点を持った時点で詰みなのです。
バイオハザード6のレオンかよ!
そして、海豪。不破と比べるとどうしても軟弱者に見える。
不破のような圧倒的暴力! 圧倒的破壊力! みたいなのが無くて。
粘着質でネチネチネチネチ。
そうやるならガルシアのトラウマをねるねるねるねしてくれよ。と叫んでしまいました。
陰湿感漂うストーリーの中、唯一の癒しはジョルジオです。
タイトルの「聖殺人者」はまさにジョルジオの為にある言葉。
ジョルジオ、お前さんの幸せを私はずーっと願っていたんだよ。
聖殺人者でジョルジオという暗殺者って聞いたときは、
「なんだ? るろ剣の瀬田宗次郎か?」
とか思っていたけれどまったく違いました。
縮地で殺してください。
ガルシアもそうですが、ジョルジオのまっすく純粋な願いは守ってやりたかった。
だから、最後のエンディングで見せたジョルジオの叫びは本当に「ジョルジオオオオオ」ってこっちも叫びたくなるぐらいに素敵なもんでした。
良い話をありがとう。
さて、この余韻のまま、悪の華完結編 神を喰らうものたち をスタートさせました。
「あらすじ」
マフィアの首領だった父と家族を殺され、日本に逃れたガルシア。死んだと囁かれる一方で、シチリアではガルシア帰国の噂は絶えない。怨敵のマイケルは、いまや政財界を表と裏から牛耳る大実業家だ。元総合格闘家でフリージャーナリストの長瀬は、シチリアで二人の因縁に巻き込まれ、氷の瞳を持つ女暗殺者・サリヤに遭遇する。彼女は言う。「ガルシアとマイケル、二人を殺す」と――。新堂冬樹・伝説の傑作、衝撃のクライマックス!
「感想」
どうして新堂先生は幼気な少年少女の瞳を曇らせるのが上手なんでしょう。
サリヤの冒頭シーンはまさにこれ
こんな状態だから、洗脳なんて簡単にできるし、サリヤがガルシアとマイケルに復讐心を持つのも仕方ないなぁ。
大人ってゲスだなあ!
今回の話は前2話とは毛色が違います。
主人公は4人
ナガセ モニカ サリヤ ケンタ
どいつもコイツもクセが強いんじゃ(CVノブ)
ナガセは総合格闘技チャンピオンの肩書はあるけれどある一件で豆腐メンタル
モニカは、自分の両親を殺したガルシアを崇拝していてマイケルブッコロ。人の話を聞かない。
サリヤは、ガルシアとマイケルさえ殺せればよい。行く手を阻むものは殺す
ケンタは、お調子者で軽薄。でも実は脱いだらすごいんです! タイプ。
こんな四人がワンチームになって戦う。
うまくいくわけない!
いっつも同じところでトラブって、喧嘩して、もめて、モニカとナガセ サリヤとケンタの距離が近くなる。
それで良いのか? 君たち。
いっつも同じことで喧嘩してるし目的を見失うよね。一度勉強しよう! 目的を見定めよう。マイケルブッコロは共通してるけど、マイケルブッコロの為に互いの役割分担を決めておこう。
ぶれるな! 萎えるな! 惚れるな!
そんな四人を見たら誰だって協力したくないよね。
こんな四人を駒として活路を見出したガルシアさん(40歳)
大人の色気と貫禄を漂わせてるけど、正気ですか? あなた。
いや、正気というかガルシアが一番まとも 読者に近い と思ってなきゃ話が読めない! ストレス負荷が半端ないから。心理的にページがめくれない。
そうです。この話は「ガルシアの物語」と思ってはいけません。
ガルシアはステーキのジャガイモであの主人公四人がマイケル(神)に立ち向かうがメイン。ステーキです。
だから、神を喰らう者たちっていうタイトルはあってます
(こんなステーキを食ってられるか)
シリーズ最終作で主人公ガルシアがサブキャラ落ち。
種死シリーズ 主人公はシンだったのに気づいたらキラに搔っ攫われた反対バージョン。
じゃぁ、ガルシアのマイケルの復讐はどうなったの? って
さぁ、どこに行こうか……
とにもかくにも、悪の華シリーズはこれにて一旦終了。
正直消化不良なところはあるし、最後の結末は読者が考えなければならない。
不憫なことが多すぎたガルシアの幸せを願うなら。
読者にゆだねたほうが良いような気がします。
たぶん
おそらく
きっと
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