五月十七日、今日の一句
▼ 五月一七日 若葉
埋もれて 若葉の中や 水の音
明治三〇年(一八九七)
山道などで出くわすごくありふれた景を詠んでいます。若葉が生い茂っているために水の音の所在は分からないけど、どこか近くには小川や沢でもあるようです。耳を傾けながらそこに下りてみたくなります。
ところで、師はこの季題が好みだったようで
若葉して また新たなる 心かな
と云うのもあります。(明治40年)恋愛問題で悩んでいた弟子の松根東洋城(のち、「渋柿」を主催)を励ました句とされています。
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