五月十六日、今日の一句
▼ 五月一六日 時鳥
明け易き 夜ぢやもの御前 時鳥
明治二八年(一八九五)
「明け易き夜」は短い夏の夜のことですが、この字余りの句、いったいどこで切ればいいのか。上記のように「御前」のあとで切るのが自然のように感じます。そうすると、そこまでの部分はふたりの会話になり、場面は枕を交わしている男女のどちらかが「お前(お前さん)、もう外は明るくホトトギスも啼いてるよ」と囁いています。
松山時代のなかなかに風変わりで艶のある作品です。御前のまえで切れば、まったく別の解釈や連想を膨らますこともできます…… どうぞご勝手に
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