”Fortune favors the bold.”♯2
ガヤガヤ...ザワザワ
桜の木の周りに、袖を余らせた奴らが何個ものグループになって騒いでいる。
そう。今日は桜第二中学校の入学式だ
中庭にある掲示板にはクラス分けが貼ってあり、一通り親子や友達同士で賑わった後は保護者は帰宅し、各クラスの部屋へ移動して自己紹介する流れで進んだ
俺は一年一組になった。
比較的クラスは大人しい感じで、すぐに前の席の島野と意気投合し仲良くなり、その他にも数人の仲間が出来てグループが出来るようになった
そして帰り道、別のクラスになった翼にどうだった?と聞くと
「ゴツッッ大きな音と共に背後から足が机の上に、、、 無言の圧を感じた、、、恐る恐る振り返るとそこには襟足の伸びた細い眉毛でピアスをした男が、、、 鋭い眼光からは一瞬の殺気さえ感じたのも束の間 ヨロシク!俺は大和っと笑顔で挨拶をしてきて気が付いたら仲良くなってたっ!」、、、俺は数秒黙った。
大和の存在をすっかり忘れていた俺は、思い出して焦りと共に、まさか翼と大和が仲良くなるなんて想像もしていなかったから驚きだ。
何も無かったかのように空返事をし、俺は足早に帰路についた。
帰ると同時に興奮気味に兄貴にその事を話した。
兄貴は興味無さそうに「ガキがしょーもない。」
そう。俺が小学校の頃は兄貴は荒れていて、喧嘩相手が夜中に家のガラスを割りに来たり、スモークボールを投げ込まれたり、家族に迷惑が掛かったから不良は辞めると言い、俺が中学に入った頃には真面目になっていた。
兄貴が居るからなんてのは思った事は無かったが、なぜか不安が全身に流れた。
俺はふと、大和兄貴とはまだ仲良いのかと聞くと、良くも悪くもないと言われた。
希望と絶望が混じりながら俺の中学ライフが始まった。
それから数日
俺は1組でそれなりに友達も出来てごく普通の生活を送っていた。
少し皆んなと違ったのは俺は部活に入らず、外部のサッカーチームに入っていたから、学校外で会う事も遊ぶ事もなかった。もちろん幼馴染の翼も別の名門チームに入団していた。
ある日、練習が中止になりコンビニに向かっていると前から改造した原付バイクが蛇行しながら走って来て「よぉ!」と挨拶された。
よく見るとそこには大和と翼が乗っていた。
俺は驚きを隠し「よぉ!」と返した。
すると眉毛が細くなり当時流行っていたプーマのジャージを来た翼が「またな」と言い走り去った。
俺は大和に染まって行く翼に嫌悪感を覚えながらそれと同時に翼が練習に行って無い事を悟った。
一緒に始めたサッカーで俺は翼に勝てなかったから別チームに入ったのだが、何となく心配になった。
俺の方が不良やと思う気持ちと、見た目がどんどん不良になって行く翼にサッカー以外でも負けそうな気がして焦り出した。
俺はその日に大和とは連まずに俺は俺で不良する事を決めた。
続く
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