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任意同行。

ドリルです。

先日 ちょっとした事件が起きました。


それは、僕と4歳の娘 ひまりと一緒によく行くスーパーの横にある公園で遊んでいた時の出来事です。

僕がベンチに座って 子供が遊んでいるのを見ながらパンを食べていると いつの間にか娘のひまりが小学1年生位の女の子と仲良くなっていました。


子供って凄いなぁ……初対面の人とでもすぐに仲良くなれるんやな……と感心して見ていると目の届かない所まで2人共 離れていったので 「これは いかん。僕も一緒に遊んでもらおう。」と急いでメープルシュガーパンを口に押し込み 3人で遊ぶことにしました。


女の子は、ひまりの事をよく見てくれて、

「何して遊びたい?」

「ブランコするの?」

「次は 何する?」

と聞いてくれて凄い気の利くお姉さんやな……と感心していました。

そして、怪しいオッサンと幼児2人が 公園の隅っこの方で 砂で作った小さな山に棒を突き刺し、棒倒しをしてケラケラ笑って遊んでいると 突然……


『カッ!』


っという音がしました。

それと 同時くらいに 女の子が、

「痛っ!」


っと声を出しました。

「えっ?どうしたん?大丈夫?」


「うん、なんか一瞬めっちゃ痛かったけど、大丈夫!」


「おねえちゃん ホンマにだいじょうぶ?病院行く?」


「ハハッ!大丈夫よ、ひまりちゃん。そうや!すべり台行こっか?」


「うん!」


そうして、ひまりが立ち上がり その後を女の子が 着いて行く 僕も急いでその女の子の後に 続く………そこで ちょっとした違和感に気付いた。

「…………あれ?ちょっと待って………なんか 髪の毛 濡れてるで?


「えっ?何でやろ?さっきまで 濡れてなんかなかったよ。どこで濡れたんやろ?」


「……うん……濡れてる。でも…………ごめん、ちょっと 触っていいかな?」


「うん。」





「…………いや、これ 血ぃや……めっちゃ血ぃ出てるわ!」


「えっ?うそやろ?えっ?」


そう言って 女の子が 頭を触り その手を目の前に持ってくると手の平にベットリと血が付いているのが見える。


「えっ?えっ?なんなん?なんで?なんで?」


「えっ?わからん。わからんけど 取り敢えず家どこなん?近いの?取り敢えず救急車呼ぼうか?いや、それより お母さんに先 報告せな何もわからんよな。えっ?あれっ?あれっ?」


僕も 唐突な流血に パニック状態になり 取り敢えず家は 近いと言うので 家に送ることにした。


「いやや!何で?何で 私がこんな目にあうの!」


と、僕と一緒に歩いている間も 女の子は気が動転してか叫んでいる。

傍から見れば 変なオッサンが女の子を泣かしてるような絵にしか見えないだろうがそんな事は 言ってられないので とにかく頭を抑えてその子のマンションまで送って行った。

そして その子の言う部屋まで行き インターホンを押す。


『ピンポーン』



「はい〜。」


お母さんが ドアを開ける。

「あっ、お母さんすみません………」

「えっ?あっ?ちょ、ちょっと!あんた、どないしたん!」


「わからへん!わからへんねん!」


「あっ、あの、お母さんすみません。今 そこの公園で遊んでたら急に血が出てきまして。いや、とにかく病院に連れて行くか救急車呼んだほうが………」


「えっ、あっえっ?あ、ありがとございます。すぐ呼びます!」


『ガチャ!』


『ガチャッ!!』


(えっ?あれ?なに?鍵閉められた?僕の連絡先とか言わんでよかったんかな…う〜ん、でも どうしようもないよな。取り敢えず今日の買い物行って また、落ち着いたら声かけに来てみよう。)

そう、思って公園の近くにあるスーパーで買い物をする事にした。


「お姉ちゃん めっちゃ泣いてたな。かわいそう。」


「そうやな…なんとも無かった良いねんけどな。あんだけ血出てたら縫ったりせなあかんかもなぁ。かわいそうに………」


「塗るの?かわいそう。」


「いや、塗らんけど。かわいそうやな。」


そうして、妻に頼まれた、晩ご飯の材料や冷凍食品、パン、牛乳など一通り買い物を済ませてスーパーから出てみるとパトカーが2台とお巡りさんが5〜6人公園の周りや中をウロウロしている。


(これは!絶対 女の子の事やん!声掛けた方がいいかなぁ……多分 僕が1番近くで見てたもんな…よし、一応 声かけてみよう!違うかったら違うで別に良いし!)

「あの、すみません。もしかして ここで怪我した 女の子の事で 皆さん集まってるんですか?」

と、制服を着たお巡りさんに声を掛ける。


「えっ?はい。何で知ってるんですか?」


「あの、実は 僕、その時 その女の子と一緒にいてたんですよ。」


「えっ!ホンマですか!ちょっと待ってて下さい!マルさん!マルさ〜ん!目撃者の方が現れました!」



「えっ!ホンマかいな!」







「どうも、マルと申します。女の子が 怪我をした時 貴方がそばにいらしたんですか?」


「あっ、はい。」


「その時の事 詳しくお聞きしてよろしいですか……。」


「あっ、はい、では、

『あ…ありのまま さっき起こったことを話すぜ!俺たち3人は しゃがんで砂遊びをしてた。そしたら 突然『カッ』て音がしたんだ。そして、女の子の後頭部に目をやると 流血していたんだ!何を言ってるかわからないだろうが とにかく流血していたんだ!』

って感じで 女の子の頭から血がでてたんです。」


「なるほど、何も無いのに急に流血していた………おかしいですね。」


……………んっ?なに?もしかして 僕 疑われてる?いやいや、そんな事ある?勇気を出してお巡りさんに話し掛けたら犯人扱い?そんな事ある?確かに血のついたダウンジャケット着てネズミ色のニット帽被ったオッサンが話しかけて来たら怪しいのは わかるよ。でも、そんな事ある?そんな事あんの?

でも、これは 一生に一度 言えるか言えないかのセリフを言う時や!………よし、言うか………


「刑事さん?あなた…もしかして 僕のこと犯人だと疑ってます?」


「ハァ?いや、そんな 事思ってませんよ。あらゆる可能性を考えながら捜査しないといけないんで不快に思ったならすみません。」


「あっ、えっ、そ、そうですか、なら もう帰ってもいいですか?」


「それが 今、本部から機動鑑識隊を呼んでまして そこでもう一度お話し聞かせて頂きたいので、もう少しお時間 宜しいでしょうか。」


「えっ?そうなんですか。実は……今 買い物帰りでして…その中に 冷凍食品があるんですよ。万が一溶けたりしたら めっちゃ怒られるんで一度 帰ってもいいですか?」


「えっ?はぁ。では、住所、生年月日、お名前、電話番号を、教えて頂いて もう一度公園の方に戻って来てもらってもよろしいでしょうか?」


「わかりました。では、取り敢えず1度 帰って また来ます。」


ひまりを自転車に乗せ 家に帰る。


「パパァ、パパ はんにん なん?」


「いやいや、ひまりちゃん?違うよ。一緒におったよね?パパなんも証拠 残してないやろ?…いや、証拠てなんやねん!犯人みたいやんか!違うから!パパやってないから!」


恐ろしい事に そんな目で見られたら『あれっ?僕なんかやったんかな?』という錯覚に陥ってしまいそうになり、蝶ネクタイのメガネをかけたチビッコが主人公の漫画で よく見る 明らかに犯人ぽい人が疑われて実は 顔が犯人っぽいだけやった的なキャラクターの気持ちを生で体感しました。


そうして 急いで 家に帰り冷凍庫に冷凍食品だけ先に入れて 妻に事情を説明している間も

ひまりが、

「パパな、はんにん やねんで。」

と兄ちゃんに必死に説明してるのを 無視して

もう一度 公園に向かいました。




公園に着くと ナンチャラ鑑識隊の人と思われる人達が 忙しそうにナンかしていたので 来ましたよぉ アピールをしていると背後から………


「ドリルさん?」


「はいっ!」

さっき話していた マルさんだ。


「あっ、お待ちしておりました。あの実は警察署の方で調書を作成したいので 今から署まで 一緒にご同行願えますか?勿論 任意同行なので お忙しいのであれば無理にとは言いませんが……。」


「はぁ、わかりました。調書ってどれくらいかかりますか?」


「だいたい 1時間半位みといてもらえば大丈夫だと思います。」


「1時間半!?まぁ、、はい、わかりました。ほな、今すぐですね?」

(めっちゃ長いやん…もう17時過ぎてるから 絶対 腹減るなぁ…あっ、そうや!もしかしてカツ丼 出るかな?ちょうど晩飯の時間やし カツ丼でるかも!)


と、密かに期待しながら 特別捜査車両というのにのせてもらい(普通の乗用車でしたけど)警察署に任意同行されていきました。




警察署に着くと人生で2回目の取調室で調書を取られることになりました。

「すみませんね。遅くにわざわざ…それでは あの公園で何が あったのか 一応聞いてますので 調書を作って行く上で間違いがないか確認をお願いします。」


メガネをかけた60代位の男性が パソコンで 僕の言った事を打ち込んでいくようだ。


「わかりました。あ、ありのままを話します。」



……………

…………………

…………………………

…………………………………

「では、以上ですね。それでは 最後に ここに左手の人差し指で拇印をお願いします。」


(へぇ、あの子 さっちゃんていうんや……)

と、調書に目を通しながら 左手の人差し指にインクをつけ紙に押し付ける。



「ありがとうございました。では、帰りは マルさんが また、車で公園まで 送りますので 取調室を出てもらってそこの扉の椅子にでも 掛けて待っていてください。」


「わかりました。ありがとうございました。」

(はぁ〜、カツ丼どころか お茶の一杯も出んかったな。しかも パソコン打つの遅いんか知らんけど2時間以上かかってるやんか……)


なんて、考えながら部屋を出ると…


「あっ!大丈夫やったんですか!?」

そこには ケガをした女の子とそのお母さんが 別の部屋で座っていた。


「あぁ!はい!先程は 本当にありがとうございました!私ったら 気が動転して、お礼も名前も何も聞かずに 大変申し訳ございませんでした。娘のケガも幸い大した事なく 縫ったりもしてなくて もう血も乾いて あの…なんともないです!本当に ありがとうございました!」


「いえいえ、大した事なくて 本当に良かったです。立ち位置が逆だったら うちの子がケガしてても おかしくなかったですし いや、本当によかったです。」


「いや、本当にありがとうございます。何かお礼させて欲しいんですが。あっ!その服!うちの子の血が付いてるんちゃいます?クリーニング代払いますんで!女の子もお腹空かしてるちがいますか?これ、ご飯代でも。」


お母さんが 泣きそうになりながら お礼を言ってくれて僕も つられて泣きそうになる。



「いやいや、ほんとお構い無く。それより さっちゃん、ひまりと遊んでくれてありがとうね。また、公園で見かけたら遊んであげてね。」


「うん!」


「ありがとう。ほんとそれだけで十分ですんで(笑)」




「そうですか…あ、あの…じゃ せめてお名前だけでも……。」


(えっ?何これ、本日 2度目のみんなが憧れる一生に一度 言えるか言えないかのセリフチャンスちゃん!?スゲーな!よし……言うか!)




「いえいえ、お母さん…名乗るほどのモンじゃぁないですy…………」


「ドリルさん!お車用意できました!」


『お前が 言うんかい!!』

と、マルさんに思わず心の声で ツッコんでしまい、


「あっ、はい……ドリルと言います………。」

と結局小さな声で 名前だけ名乗って 逃げるように特別捜査車両(普通の車)に乗せてもらい公園に送ってもらいました。





「はぁ〜………カツ丼食って帰るか!!」


この話の 本当度 80%

警察官の人などほとんどの人は 勿論 仮名です。後 警察官の人への証言は 少し誇張してるとこがあります。

結局 この後、事件の事は 詳しくは 教えてくれなかったですけど可能性としては 道路の近くで遊んでいたので車からの飛び石か、もしくは 誰かが悪意を持って石などを投げたか…………だそうです。

もし、そんな人がいてるなら一刻も早く捕まえてもらうよう祈るしかないです。









サポートとは?・・・データマイニングの際の、相関分析の指標のひとつで、ある関連購買における支持率を表す。たとえば砂糖について卵の関連購買でサポートが20%の場合、砂糖と卵を一緒に購入する顧客が顧客全体の20%という意味である。 要するに心から嬉しいということでです!