五木ひろし。
ドリルです。
あなたは ゴキブリが好きですか?
僕は あまり好きでは なかったです。
しかし、何故 嫌いなのか……
わかりません。
何故だと思いますか?
一説によれば 古生代のペルム紀に生息していたゴキブリは巨大で、大きいものは1m程あったらしく 僕達の祖先も捕食されていて その攻撃におののいていた……
といわれています。
その恐怖を記憶した祖先のDNAが、今に継承されているというらしいです。
真偽のほどは分からないですが、分子進化の観点からは一理あるのかもしれません。
まぁ、そんな1mもあるゴキブリなら恐ろしいかも知れませんが 今のゴキブリなど大きくても所詮 5㎝程度です。
絶対 勝てます!
でも、一方的に 殺してしまえば 歴史は 繰り返されるのかも知れません。
憎しみは 憎しみしか生まない………
相手の嫌な所も良い所も 知ってこそ初めて分かり合えると思いました。
なので……
よし!ゴキブリを飼ってみよう!
そう 思いました。
しかし、家で飼うなんて言ったら僕がゴキブリ扱いされる………
いくら 寛大で寛容な妻だとしても 間違いなく 殴り倒される。
それくらいは 想像力の乏しい僕でも容易に想像できる。
なので……
よし!会社の車で飼おう!
幸い 僕は 仕事柄 家の解体現場などよく行くので 夏でしたら 少し探せばゴキブリなんていくらでもいます。
なので捕獲は 簡単でした。
仕事中 少し G達を探して3匹程 捕まえて 100均で買ってきた虫かごに入れる。
G3です。
G3じゃ可哀想だな………
よし!名前を決めよう!
僕は 3匹とも ゴキ ひろし。
五木 ひろし。
と 名付けました。
昔 びんぼっちゃまが そう呼んでたことを思い出したので………
正直 見分けが付かないので 3匹とも 同じ名前にしました。
いつも 一緒に行っている 部下の子には 大反対されましたが
「ちゃんと…ちゃんと、面倒見るから!」
と、上司の圧力でなんとか納得してもらった。
いや、納得は していなかった。
そして いざ、飼うとなったらどうやったら良いか全然わからない……
エサや環境……どうすんの?
こんな時は……
そうだ!
Google先生に聞いてみよう!
えーと……まずは エサっと………
なになに?
雑食のゴキブリは基本的に何でも食べます。ゴキブリにとっては 人間の髪の毛やホコリだって、立派なエサ。水1滴で3日、油1滴で5日、生きのびることが可能です。
「スゲーな、ゴキブリ!!」
そら 絶滅せんわ!
なので 僕には 髪の毛がないので 適当にペットボトルの蓋に水とホコリを虫かごの中に。あと、少し寂しいので土も入れておいた。
そして、名前をつけて愛でていると なんだか本当に可愛く見えて来る。
ピコピコ動く触角や 意外と大人しい五木ひろし達………
ふふっ…少し緊張してるのかな?
おや?なんだか相談しているようにも見える(笑)
フハハハッ!!
貴様らは 一生ここから出れんよ(笑)
不思議なもので 名前を付ける……たったこれだけの事で なんだかとても愛おしくみえる気がする。
そして、僕達は 五木 ひろし達と 車で色んな所に 出掛け 思い出を共有した。
部下のマーくんは まだ 五木ひろし達のことをよく思っていない。
でも、いずれわかり合ってくれるだろう!
そして、毎朝 五木 ひろし達の顔を見て
「おはよう!」
と 挨拶する様にまで なった。
しかし、そんな幸せな日々も長くは 続かなかった。
その日も 朝一番に 五木ひろし達に 挨拶しようと 虫かごを持ち上げた。
ゴゴゴ…………
………………………………
ゴゴゴゴゴ………………。
いない………。
土の中に隠れているのか?
いや!そんな事は 一度もなかった!毎朝 五木ひろし達と ピコピコと触角で挨拶を交わしていたんだ!
……そうか、昨日 水を変える為に虫かごを開けた時 最後に蓋を閉めるのが甘かったのか?
Gは 2mmの隙間があれば通れるという。
まずい…マズいぞ!!
間違いなく 五木ひろし達は まだ車内にいる!
これが マーくんにバレたら………
えらい事になる!
「どうしたんすか?ドリルさん?」
背後から急に声を掛けられる!
「あっ!あぁ!マーくん!おはよう!」
「五木 ひろし達は 今日も元気なんですか?
まさか 脱走なんかしてないですよね(笑)」
「そ、それが………」
「えっ?どうしたんですか?」
「いや、実は……五木ひろし達が お亡くなりなったわ…。」
僕は マーくんが 発狂するのを恐れて嘘をついた。
「えっ!そうなんですか!いや〜良かった!」
「おい!『良かった』てなんやねん!!」
「あっ、すいません…つい。」
「まぁ、しゃあないな。命あるものいずれ死んでしまうもんやし。後は 出てくる事を祈ろう。」
「はぁ…よくわからないですけど……」
その後 五木ひろし達の姿を見たものは二度といなかった。
きっと どこかで 元気に生きている事だろうと願っています。
この話の本当度 90%
不思議なもので 名前をつけるってだけで 可愛く思えるものですね。
自分の自転車や車 おもちゃや身の回りの物にも名前を付けるだけで 何故か会話ができるような気分になります。
これは 人にも言えることかもしれません。
『オイ!』とか『お前!』じゃなくて きちんと名前で呼ぶ……それって なにか 大事な気がしました。
奥様や旦那様にも ママやパパじやなく たまには 下の名前で呼んでみる…って言うのも良いかもしれませんね(笑)
ゴキブリの話しやったのに 変な所に着地してしまいました………。
サポートとは?・・・データマイニングの際の、相関分析の指標のひとつで、ある関連購買における支持率を表す。たとえば砂糖について卵の関連購買でサポートが20%の場合、砂糖と卵を一緒に購入する顧客が顧客全体の20%という意味である。 要するに心から嬉しいということでです!