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銭湯の秘密。


ドリルです。


僕は 大人になるまで、いや、25歳の時に家を買うまで自宅にお風呂が ありませんでした。


自宅に風呂が 無かったので当然 毎日 銭湯に行ってました。

中学生の時 コジヤンは5人兄弟の7人家族だったので 銭湯に誘えば ほぼ 一緒に行ってくれていた(7人家族なので中々 風呂の順番が回ってこないため)ので毎日のように一緒に銭湯に行ってました。


そんな銭湯での信じられ無い出来事を思い出したので書きたいと思います。







「…………コジヤン……そろそろ身体洗おうか………。」


「そやな…この、いつの間にか 先にサウナ出た方が 負けみたいな空気は お互い 得せーへんみたいやな。ただ、先に声かけてきた ドリルが負けって事で、そろそろ出ようか……。」


「いやいや、コジヤンが辛そうやから 声かけてあげただけやで…僕の優しさっていうの?理解して素直に受け入れた方が良いんちゃう………」


そんな しょーもない意地の張り合いで かれこれ 40分以上もサウナに入っている。

正直 お互い 限界が きているのは 確かだ。


「そやな、ドリルも辛そうやし俺が 先にサウナから出たらドリルも出れるって言うんやったら しゃーないから出たるわ。」


「いや、僕が 先に出たるわ。まだ、余裕あるけど コジヤンに 倒れられても困るから 僕が負けって事でいいよ。」


そうやって 今度は 競うようにサウナの出口に向かう。



「ハァ〜!あっつ〜!でも、良い汗かいたよな!ドリルより長く サウナ入ってた分 良い汗かいたわ!」


「ハイハイ、ほとんど同時やったけどね!無駄に長くサウナ入ってたせいで 疲れたし だいぶ遅なってもうた から とっとと身体 洗って出よう。」


サウナから出て 身体を洗う為に 浴場の洗い場の空いている席を探す。


浴槽には かなり御年配の細身の男性が湯船に浸かっており その浴槽の側に恰幅の良い 中年の男性が腰を下ろして 休憩しているようだった。


僕達は 入り口に近い 洗い場で横並びに座り 頭を洗い始めた。


目をつぶって頭を洗っていると 後ろから さっきのお腹がボテッと出た中年男性らしき人の怒鳴り声が聞こえる。



「おい! ジジイ 何しようとしてんねん!!おい!おいって!何してんねん! おいっ!!おいって!!あかんて!!」


そう叫びながら、腹ボテ中年オジサンらしき 足音が聞こえ半自動の風呂の扉を勢いよく開け脱衣所に走って行くのが見ないでもわかった。


「ドリル!頭洗ってる場合ちゃうぞ!あの おじいちゃん とんでもない事してるって!みてみろや(笑)」


僕は 頭を急いで すすぐ…………

振り返る……

おじいちゃんを見る………

うんこ座りをしてる。




…………いや……うんこをしている…………。


「めっちゃ うんこしてるやん!!」


僕とコジヤンが ケラケラと 爆笑していると…………


『ガラガラガラッ』


と、勢いよく半自動の扉が開く。

ここの銭湯のおかみさんと旦那さんが 凄い剣幕で入ってくる。そのまま おかみさんがお爺さんのバックを取った!

そして、脇の下に手を通し無理矢理お爺さんを立たせ背中を『バチーン!!』と叩き、


「あんた!また 漏らしたんか!何回 言うたらわかんの!!もう、いい加減にしいや!!」


と、怒られながら何度も何度も背中を、

『バチーン!バチーン!』


と叩かれ そのまま脱衣所に連行されていってしまった。


『また?』『何回言うたらわかんの?』

その言葉が  僕の頭で何度もリフレインされる。


そして、旦那さんの方が 淡々と洗面器にお湯をくんで勢いよく流し 手際良くうんこの後始末をする。

ただ、その手際良く流されるうんこが僕の足下に向かって流れてくる。

あまりの手際の良さに僕は うんこ を避けれず足にあたる。


「…………………。」


僕は 何度も何度も入念に足を洗いながら コジヤンに話しかける。

「あの おじいちゃん常習犯なんかな?」


「あの おばちゃんの口調からして かなりの頻度でやらかしてると思われるな。」


「僕らも しょっちゅうきてるけど 見たことないよな?」


「うん、今日 たまたま サウナ長く入ってたから お漏らし現場に遭遇してもうたんやで……。」


「風呂きて こんな汚れた気分になったん初めてや…」


「ホンマに………」


そう言って 2人で風呂から上がると 風呂屋の奥さんが、


「ごめんねぇ。これ、私からの奢りやから!」


と 僕とコジヤンに ゴム玉アイス(ゴムフーセンみたいな奴に入ったアイス)を2つくれた。

そして、

「今日あった事は 秘密にしといてね。」

と、僕らを買収しにかかったのです。


僕らは……




『もちろんです!!』




と言って それぞれ家に帰った。

そして、次の日………



学校で言いふらしまくりました。



この話の 本当度 80%

こんな 強烈な出来事を中学生の僕達が 黙っている訳もなく その後 その お風呂屋さんは  僕らの間で『お漏らし温泉』と呼ばれ2度と行きませんでした。

でも、25年以上たった今でも その『お漏らし温泉』は、家の近所で営業しています。

深夜の時間帯 『お漏らし温泉』に行けば もしかするとまた、おじいちゃんのお漏らし現場が見れるかもしれません。見たくないですが…………。


サポートとは?・・・データマイニングの際の、相関分析の指標のひとつで、ある関連購買における支持率を表す。たとえば砂糖について卵の関連購買でサポートが20%の場合、砂糖と卵を一緒に購入する顧客が顧客全体の20%という意味である。 要するに心から嬉しいということでです!