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【コトダマ020】「今日の夜になって・・・」

今日の夜になって、なにかが私に啓示されるとすれば、それは私が目に見えない建造物のために自分の石を黙々と運び終えたからだ。

サン=テグジュペリ(鈴木雅生訳)『戦う操縦士』p.86

ソーシャルワーカーの仕事って、必ずしも、目に見える成果があることばかりじゃありません。いや、成果がない、と感じられる日のほうが多いでしょう。

毎日、毎日、同じことを繰り返しているようで。

いったい自分は何をやっているんだろう、と思うこともあって。

でも、それは決して、無駄な日々じゃない。徒労じゃない。
私たちは気づかぬうちに「目に見えない建造物」を築き上げているんです。
黙々と、運ぶべき石を、運ぶべきところに運ぶことによって。

そして、いつもと変わらないと思える、ある日の夜。
突然、いろんなものがあるべきところに収まって、見たこともない鮮やかな模様が目の前に浮かぶ。
でもそれは、本当は、今までも目の前にあったんです。
その日、ついに、それを「見る」だけの力がついたんです。
長い長い階段の、最後の一段を登ったときのように。
積み上げたレンガの、最後の一つを置いたときのように。

だから、どんなことがあっても、諦めず、投げ捨てず、一歩一歩進みましょう。
それが、あなただけの大聖堂、あなただけのサグラダ・ファミリアを建てるための、唯一の道なのですから。

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