吟行ポラリス①初めての吟行(神戸篇) 

3月30日午前10時30分、阪急岡本駅集合。参加者はポラリスのライター3名。
ウォーキングと創作と美食を求めて、「吟行」なるものにチャレンジ。
坂の町、神戸で保久良山(神戸市東灘区)山頂を目指す。

「見ごろを迎えた桜を愛でながら、俳句や歌を詠もうではないか」

静かな住宅地のなだらかな坂を上っていく。昭和の佇まいが残る大邸宅を横目に、ゆっくり進む。

「保久良神社にはどうやっていけばいいですか?」

神社に至る山道は2ルートあるみたい。足腰に自信がないので、いちばんなだらかなコースを選ぶ。

徐々に急こう配になり、「こ、こんなはずでは・・・」
「この道であってますよね」

そしてついに保久良山山頂に到着。駅からおよそ30分の行程。
そして、見よ! この美しい眺めを。

標高は185m。低いながらも、山頂からの眺めは圧巻。8分咲のソメイヨシノの向こうには、穏やかな海の景色が。手前の石灯篭には、夜、「灘の一つ灯(ひとつび)」がともる。火は中世の昔から絶えることなく、沖ゆく船の道しるべになってきたという。

沖の舟人 たよりに思ふ
灘の一ツ火 ありがたや

江戸古謡

石の鳥居をくぐり抜けると、保久良神社が見えてきた。本殿脇の枝垂れ桜が美しい。

境内には古代祭祀の跡である巨石が点在し、厳かな雰囲気が漂う。

さて、ここからは、吟詠タイム。各々、スマホ片手に俳句を詠んで・・・

「ハンドブックで季語を調べて、と・・・」

できた作品はこんな感じ↓

和田:佐保姫って何?
今西:春の女神のこと
赤坂:天岩戸を連想してみました
今西:”先に”の”に”は要らないのでは?
和田:たしかに!          
         

初めてにしては、なかなか良い出来、と互いに褒めあう。
時計を見ると、あっという間にランチの時間だ!
ひと駅向こうの御影駅に向かう。

吟行の〆は、御影駅前の蕎麦屋「福あかり」にて。俳句や短歌談議に花を咲かせながら、蕎麦懐石をいただく。

灘の清酒「富久錦」は何杯でも飲める。

日本酒のグラスを傾けながら、今西さんが「実は・・・」と明かす。「佐保姫」の季語で、先に別の句も詠んでいたとのこと。作品はこちら↓              

佐保姫の 隣に座る 無人駅  (今西富幸)                   

(朝日俳壇 3月5日 一席入選)

「すばらしい! 」 
「グッとくる!」
再び褒め合い、テンション上げる。 

コロナが遠ざかった昼下がり。よい天気、よいひとときであった。


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