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なんで人気なの?二型キッチン

こんにちは、ハチノです。

今日はキッチンについて書いていこうと思います。

なんのデータにも基づいていませんが、日々お施主様とお話ししていて感じている傾向を元にしています。

大人気二型キッチン

二型キッチンとは

二型キッチンというのは、シンクとコンロを別々に設置した2列型のキッチンのことです。

以前はご紹介しても「変わったレイアウトのキッチン」として敬遠されることも多かった二型キッチンですが、この1〜2年ですっかり定着してきた感があります。

二型キッチンイメージ


二型キッチンのメリット

このレイアウトのメリットをざっと挙げると

・シンク側の間口が小さいので周りこみが少なく、スムーズにリビングに行ける
・キッチンとダイニングが近く配膳がスムーズな動線
・コンロ側カウンターが広く取れる
・レンジフード(換気扇)を壁に沿って設置できるので空間が広く見える
・調理中の油跳ねを壁で受け止めることができる
・シンク側を向けばダイニング・リビングも視界に入る

こんなところでしょうか。
対面キッチンで、ダイニングテーブルがキッチンの向こう側に置いている場合、食事の準備に行ったり来たりしますよね。
個人的にはその距離が短くできることがいいよなあ〜と思っています。


二型キッチンのデメリット

・床にゴミや水が落ちる
・一般的な一列キッチンに比べるとコストアップしがち

デメリットは強いて言えば床にゴミや水が落ちることかと思います。

ただし私は以前の住まいで作業台だけを背面に置いた二列型を使っていましたが、その時も、今の住まいの一列型のキッチンでも、普通に床にゴミや水を落とします(!)
なのでここは使う人次第なのだろうな〜と思っています。

コストについてはサイズ次第ですが、コンロ側のカウンターを長くしようとするとどうしてもイニシャルコストが上がってしまうキッチンメーカーが多いです。

たまに「コンロが壁に向いているので、匂いを多少軽減できるのでは?」ということも質問されますが、私はそう変わらないと考えています。
全く同じ空間での比較はできないので結局はっきりしたことは誰にも分からないのが正直なところですが、臭いって本当にパワフルなんですよね。
同じ空間で煮炊きすればいずれにしてもリビングに匂いは広がります。

メリットデメリットについてはたくさんの方が発信されているので、気になる方は検索されてみられるともっと他にも色々な意見が出てくると思います。

人気が上がった理由の考察

1:コストについて

二型キッチンは日本の住宅では個性的なレイアウトだったこともあり、元々はシステムキッチンでもハイグレードモデルで展開されていたり、オーダーや造作で計画されたりすることの多いレイアウトでした。

しかし、オーダーキッチンメーカーのキッチンハウスのセカンドラインである「グラフテクト」で、パッケージ化されたシステムキッチンが採用しやすい価格帯で発売されてから新築のお施主様の選択肢にあがるようになり、私の職場でも問い合わせが増えるようになりました。
(グラフテクトは10周年ということなので、主要キッチンブランドの中では新しいものといえます。)

https://graftekt.jp/

グラフテクトさんのキッチンはすごくおしゃれなデザインで、ショールームに行かれると大好きになる方が多いようです。
キッチンにかける金額が家づくりのコストの中でもかなり重いものになることが多いので、ここが分かりやすくなっているのは強いですね。

2:間口の話

スタンダードな大きさの1列型のキッチンを対面にするにはおおよそ内寸で3.5mほどの間口が必要です。
間口というのは幅のことです。

新築の場合ここ数年は土地価格の上昇も手伝って、建物の間口が大きく取れないことも増えてきました。

この図だとキッチンから冷蔵庫までの内寸で最もベーシックなシステムキッチンのサイズ2m55cm程度(本体寸法1.8m)を想定しています。

また、物件価格の上昇で中古マンションをリノベーションするという選択をとる方も増えました。
そうなるとスペースの問題でキッチンをコンパクト化する必要が出てくるのです。
「コンパクトにせざるを得ない」という場合もありますが、それよりも「ここでスペースをカットできるなら他を広くできますよ」ということが発生します。

ご自宅マンションをリフォームしたい!というご相談を受けた時も、おすすめしてきたレイアウトです。

3:流行りのレイアウトが作りやすい

そんな中で流行っている間取りは対面キッチン+テーブル横置きプランです。
InstagramやYouTubeでキッチンのことを調べているとテーブルのおすすめ位置として投稿されていることも多いです。

画像のレイアウトは「理想はこうです」と言われることの多かったものを表示しています。

シンク側横にテーブルを設置

コンロ側間口約3.6m
シンク側で約1.5m+4人がけテーブル約1.5m
ダイニングスペース両側に通路を取っていますが、回遊できなくても良ければシンク側を壁につけて0.9mほどカットできます。



ちなみに「冷蔵庫は隠したい」という要望もとっても多いので横にパントリースペースをくっつけた間取り図を作りました。
こういったスペースがあると、カウンター上にずらっと並びがちな家電類も隠せるので広さを演出できます。

この「ダイニングテーブル横置きレイアウト」を、
小間口の空間と1列型のキッチンでやろうとすると「料理する人は壁と対面してる」状態になります。

窓がない限りは壁に向かって料理することになる
リビング側から見た様子


ご家族の関係性にもよると思いますが、せっかくなら壁ではなく広いリビングの方を向いて作業したいのではないでしょうか。
それを解決してくれるのが、コンパクトな間口にも設置しやすい二型キッチンです。

使い勝手は?

Voicyを通じて知り合った優音さんもご自宅で二型キッチンを採用されています。
使い勝手についてはブログで紹介されていますので、読んでみてください。

優音さんは

「(水は)意外と垂れない」

と仰っています。
私の性格がバレてしまいますね(笑)
1列型でも床汚してる私って一体…

私も色々言っていますが、使っていらっしゃる方のご意見はすごく参考になると思います。

終わりに

お施主様に求められるキッチンにも大きくてゆっくりした流行の波があります。
それは色だったり、レイアウトだったり、必須と言われる設備機器だったり、色々です。
それはつまり、求められていることが変化しているっていうことなんですよね。
キッチンは道具でもあり、インテリアでもあり、独立した空間でもある面白い場所です。
今後はどんな変化が起きていくのか、楽しみです。

最後までお読みくださって、ありがとうございました。
あとRoom Plannerでパースを作る操作もたくさん練習できました。
ありがとうございました。

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