電気・ガスなしチャレンジ/家庭内防災訓練をやってみた②【実施編】
こんにちは、ハチノです。
今日は前回に引き続き我が家で行った防災訓練について書いていきます。
準備編の前回の記事も合わせてお読みください。
防災訓練で主にやってみたかったことはこちらです。
アウトドア能力ゼロの我が家のチャレンジを時系列で振り返ります。
【訓練】午前10時 地震発生からの火災
アラームとともにスタート。
「揺れたら机の下に潜る」というのをやります。
子どもは学校でもしょっちゅう訓練をしているようですが、大人になって机の下に潜る機会は掃除の時ぐらいでしょうか。
実際揺れていたらスムーズに動けるのか?などと考えながらしばらく机の下で過ごします。
そのまま数分たち、「火災が発生した」という体で避難することに。
各自大急ぎで用意した防災バッグをセット。
そのまま夫→娘→私の順にマンションの階段で1階まで降ります。
ここでも疑問なのが余震があったらこんなにスムーズに降りられないのでは?ということと、自分たちの住む階よりも下の階で火事があったら、場合によっては階段では降りられないのでは?という恐怖。
他の部屋の人たちも避難するとなったら混雑するかもしれないということも考えました。
まあ、言ってみても仕方ありません。
その場その場で命が守れると思われる行動を取るしかありません。
回り階段が続くので目が回ってくる…
あと結構勾配が急なので、外の風景がダイレクトに目に入ってきてちょっと怖い。
高所恐怖症でなくても足がすくむ感じもありました。
娘が足を滑らせないか心配。
階段を「そこそこの階数分」登る
次は停電時に1階から自宅のある階まで登っていけるのか試してみました。
まず思ったのですが、蹴上が高い!!
(蹴上=けあげとは階段一段のタテの部分のことです)
普段人が登り降りする場所ではないため、快適性を考えた寸法にはしていないのでしょう。
太ももがしんどくなり息が上がります。
そして今回は娘(と夫)が一緒です。
ただでさえ運動が苦手な娘なので、無理なら途中でエレベーターに乗ってもいいよと言っていました。
しかしここは娘、がんばりました。
ヒーヒー言いながらなんとか10階まで到着。
今回は降りて登っても15分かからないぐらいでした。
「自宅で避難することになった場合地域の給水所でお水をもらって家まで運ぶのが重くてすごく大変だ」と防災関連の書籍で読んだことがあります。
読んだ時も「そうだよな〜、水重いもんな」と思っていましたが、実際に10階まで10Lとか20Lのポリタンクを持って階段で登ったらどれぐらい時間がかかるんだろう。
そして部屋まで戻った私たちですが、娘はいつも通りiPadでYouTubeを見始めました。
充電が切れたらそこまでだよと伝えます。
果たしていつまでiPadの充電が持つのか、充電が切れたら娘はどうするのか、これもまた実験です。
(実際に被災したらWi-Fiがダメになるのでこんなに悠長にはしていられないと思いますが)
12時 電気・ガスなしで昼ごはん準備
お昼です。
昼食は夫が準備してみたいと言うのでお任せします。
どうやら冷蔵庫に残っている食材を使って鍋を作り、夕飯も兼ねようとしているらしい。
最初のハードルです。
⚫︎昼間なのに暗くて作業ができない
お任せした瞬間にキッチンから夫の声がします。
「台所暗い!!!」
台所が暗いのです。
この日はよく晴れていて、他の部屋は電気なしで快適に過ごせる明るさがありましたが、キッチンだけはうまいこと光が届かないのです。
普段は無意識に電気をつけていたことに、この時気がついた夫。
夜のために用意しておいたランタンを持ってきて点灯させます。
ランタンは置いて使うよりも上から吊るした方が明るいということに気づいて、山崎実業のキッチンペーパーホルダーをレンジフードに貼り付けたところにひっかけ、どうにか明るさを確保。
⚫︎普段の手洗いの頻度に気づく
しかしまた夫の声がします。
「あっ!また水使ったわ!手がめっちゃ汚れる…」
今回はハードルを下げるために水は使用OKにしましたが、一応使うという意識をする約束にしていました。
それを律儀に守る夫。
普段は食材を触るたびに無意識のちょこっと手洗いをしていたことに気がついたようです。
⚫︎時間が普段の倍以上かかる
電気とガスを使わないので、熱源はカセットコンロ1つです。
・鍋を作る
・冷凍ご飯を解凍する
この作業をカセットコンロでやるわけですが、普段2〜3口のガスコンロで行っていることを1口で行うのでまあ時間がかかります。
あとはやはりカセットコンロのパワーの弱さを感じました。
ご飯の解凍にめちゃくちゃ時間がかかる。
レンジならものの数分で食べられるのに、3人分のご飯の解凍に1時間近くかかっていたと思います。
結局お昼ご飯を食べられたのは、準備を始めてから1時間半ほど経った頃でした。
ほとんどご飯の解凍に時間を使っていたことになりますね…
洗い物の量と回数を減らすために食器にはラップを敷いて使います。
食べづらいですが、まあまあ普段通り食べられました。
汁物は最後にご飯を投入して汁気も全部いただきます。
昼から夕方まで 子どもとどう過ごす?
昼ごはんが終わったあとは夜までフリータイムです。
夫と足りない防災グッズについて話したりしていたところ、退屈した娘がからまってきました。
流石に本を読むのもYouTubeを見るのも飽きたようです。
実際には大きな地震があったら部屋はそれなりに散らかるでしょうし、もしかしたらガラスが割れたりしているかもしれません。
片付けもあると思うので遊んでいる余裕があるかどうかはわかりませんが、とにかく今娘は退屈しています。
まあそうだよね。
⚫︎アナログゲームは防災用品にもなる
我が家もアナログな遊びとしていくつかボードゲームやカードゲームを用意してありました。
しかも今回のためにいつの間にか夫が新しいボードゲームを用意していました。
カルカソンヌは初めてやりましたがおもしろかったです。
ただ結構スペースがたくさんあった方が楽しいので、揺れで床が散らかってしまったらできるのかな〜?という感じでした。
将棋ができると時間もみっちり使うし、スペースも取らないのでいいなと思いました。
私も将棋できるようになりたい。
娘と一緒に修行中です。
ポケカもちゃんとやると結構作戦考えないといけなかったりして面白いです。
あちこちから半端にもらったカードを寄せ集めてデッキを作るのも楽しいようです。
カルカソンヌに飽きたら室内で本気のかくれんぼをやって夕方まで過ごします。
かくれんぼもほんとの災害だったらできないよな…
災害時の遊びは省スペースでできるものが良さそうということに気がつきました。
ちなみにまだこの時点でiPadの充電は30%ほど残っていたようです。
すごいなiPad。
17時30分 夕ごはん準備
日が傾いてきたので完全に暗くなる前に夕飯の準備をします。
夕飯は私が担当します。
夕飯は前日までの夕飯の残りと昼に夫が作った鍋の残りを温め直します。
⚫︎とにかく湯煎
冷蔵庫にお好み焼きとパスタソースが残っていたのでこれを温め、パスタを茹でることにしました。
私「お好み焼きってどうやって温めればいいんだ???」
昼に夫もやっていましたが、こうやって一つ一つの行動に疑問がつきまとうのが普段と違うことをやる醍醐味でもあり、めんどくさいことでもあります。
結局ジップロックに入れて湯煎することにしました。
パスタソースも同様に湯煎。
耐熱袋+湯煎は水を節約できて良いということに気がつきます。
こういうのも本に書いてあったような気もしますが、やってみると耐熱袋を切らしてはいけないと思えます。
最後にお水を変えてパスタを茹でます。
パスタは水をたくさん使うので、もしも水道が使えなくなったらどうしよう、などど考えて色々検索していたところ、やはり防災時の調理方法を紹介してくれた記事がたくさんヒットしました。
きっと非常時にも一つ一つ疑問が湧き起こるのだと思いますが、ネットさえ生きていればこうして検索ができるのでありがたいことです。
逆に言えばネットが使えなかったらこの疑問すべてに立ち向かえるのだろうか。
やっぱり今回少しだけでもシミュレーションしておいてよかった。
ご飯も一膳分解凍したかったのですが、
・お好み焼きの温め
・ご飯の解凍
・お昼の鍋の温め
・パスタソースの温め
・パスタを茹でる
この作業を同時進行できないことがもどかしい。
やっぱり時間がかかります。
参考にしたサイトのリンクを貼っておきます。
⚫︎やっぱり手を洗いたくなる
昼ごはんの時にも夫が訴えていましたが、私も同じことを思いました。
調理中のちょっとしたことでこんなにすぐ手を洗っていたんだ…
ということで、掃除用に買い置きしていたビニール手袋を引っ張り出します。
これも防災的にある程度枚数入っているものを用意しておくのが良さそう。
19時ごろ 夕飯+ランタン生活開始
暗くなってきたので昼からキッチンで使っていたものと同じランタンを点灯します。
このランタンは前の家に住んでいた時から2個家にありました。
お手頃なお値段で購入しましたが、すごく明るくて今回重宝しました。
ちなみにこのあたりでiPadの充電は切れてしまったので、娘はランタンの灯りでアナログ遊びをすることになりました。
⚫︎音が欲しくなる
ランタンのおかげで10畳程度のリビングスペースは割と快適に過ごせました。
しかし無音で食事しているとなんか寂しい。
普段明るい時には会話だけでも全然気にならないのに、ちょっとそわそわする感じがします。
こんな気持ちになるとは家族全員思いもしませんでした。
ということでラジオをONにします。
ラジオからはその日のニュースや音楽が流れてきます。
特にしっかり聞くわけでもないですが、なんとなく不安な感じを軽くしてくれます。
ラジオはスマホでも聞けますが、充電が貴重なのでやはり手回しラジオのようなものはあった方がいい。
⚫︎ヘッドライトが必須
「両手が空くヘッドライトが便利」と防災の本で読んだことがありました。
私の心境はこんな感じです。
before「普段使わないし、家族分揃えるとまあまあお値段もするし、ランタンも懐中電灯もあるし…まあでも買うか…」
↓
↓
after「これはいるわ!ヘッドライトは必須だわ!!買っておいた私えらい!」
今回先に用意しておいてよかったものランキングをつけるとしたらヘッドライトが1位になると思うぐらい、買っておいてよかったです。
「自分と一緒に明かりが移動してくれる」ということがこんなにありがたいものだとは。
・隣の部屋にものを取りに行く
・トイレに行く
みたいな時に、毎回ランタンや懐中電灯を手元に用意するのは大変かもしれないと思いました。
他の家族も使っていることもありますからね。
夜になって本を読んだりする時にも目線の先が明るいということでとてもスムーズでした。
どれを買うか迷いましたが、なるべくコンパクトなものをと思いmont-bellの小型のものを用意しました。
小さいと明るさどうなんだろう?と思っていましたが、移動先で足元を確認するならこれで十分でした。
⚫︎そこそこの明るさでも生きていける気がした
慣れてくるとランタンの灯りでも普通に過ごせるようになってきました。
娘も最初は自分の影が壁に映る感じを怖がっていましたが、そのうち影絵遊びを始めたり、いつもと違う感じを楽しむようになってきました。
部屋の中が暗いので、街灯や周りの建物の照明がいつもよりも明るく見えます。
「灯りのあるところに家族が集まるのでいつもより近い距離感で時間を過ごすことができた」という被災体験談を読んだことがありますが、私も同じことを感じました。
住宅の照明計画をする時にも、手元さえ照らせていれば空間は明るすぎないほうが居心地のいいものになるという考え方もあります。
普段の暮らし方も見直せたいい経験になりました。
21時30分 就寝
ご飯を食べ終わった後はランタンの明かりのもとでまたポケカをしたり、編み物をしたりして遊びました。
この日はお風呂には入らないことにしていたので、ボディシートで体を拭いて、使ったことがなかった水のいらないシャンプーを試してみました。
水のいらないシャンプーは、まあ要は制汗剤のようなものでしょうか。
皮脂が取れるわけではないので、あくまでも匂いや痒みを多少抑えるというものですね。
それと次の日になってやっぱり足のむくみ感とか、全身の疲れもお湯に浸かることで取れるんだなと思いました。
お風呂に何も考えず入れるのって本当ありがたいことです。
あーまた水使っちゃうわ…と思いながら歯磨きも終了。
いつもは一人夜更かしする夫も、この日はさっさと寝ることにしたようです。
ということで、我が家の電気ガスなしチャレンジをなんとか終えることができました。
長くなりましたので今回はここまでにします。
次回は、実施を踏まえて買い足しを決めたものや参考にした本を紹介します。
お読みくださりありがとうございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?