質問
好きな本がある。
365個の問いかけが、1ページにつき一つずつ並んでいる本だ。
そしてそれらの問いかけは、一見奇妙なものばかり。
何度読んでも私は、それらの奇天烈な質問たちに戸惑い、それからあれこれと思考を巡らせる。
目の前のことにしか目を向けられず、息苦しくなったとき、この本を手に取り、ぱらぱらとページをめくる。それが私の日課だ。
そして、はっとするような質問を見つけたなら、しばらくそのページを見つめ、深く深呼吸をする。
本を閉じた後の私の心情は、幼い頃、深いところまで素潜りをしたときの記憶に近い。心地よい疲れと、静謐な気持ちが、私の中に共存している。
ここでは、私が特に好きな質問を、10個、挙げようと思う。
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1.寂しさはどの方角からやってくるのでしょうか
2.あなたの人さし指は今まで何人の人をさしましたか
3.消しゴムで消された世界は間違った世界なのでしょうか
4.心は体のどのへんに置いておくべきでしょうか
5.今までに忘れた人はぜんぶで何人いますか
6.運命と宿命の違いはどこで決めますか
7.十月一日では遅すぎることが何かありますか
8.歴史から時間を引くと何が残るでしょう
9.知性に人格はあるのでしょうか
10.一体全体こころって何でしょう
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