令和3年公認会計士試験体験記(7/9):租税法
※本記事は、こちらから始まる会計士試験体験記の一部です。全体の目次はこちらで見られます。
7.租税法
7-1.試験結果
本試験は、一問目が素点28点(調整後得点28.4)、二問目が素点39点(調整後得点41.2)で、合計の得点率が69.60(16位)だった。二問目の内訳は、法人税が20問中13問、所得税が10問中7問、消費税が10問中6問(大原の解答速報を利用)。消費税から解き始め、法人税で時間が足りなくなってきて焦ったうえ空欄2つを残して所得税に移り、所得税は駆け足状態(空欄2つ)だったが、得点と時間が比例していない。演習ではずっと法人税から解いており、本番だけ消費税からに変えたのだが、奏功しなかった。理論は演習で1時間以上かかったこともあったので、短くするため直前期に重点的に時間をかけたこともあり、本試験は45分~50分程度で終わらせた。
租税法は、他科目に比べてヨリ準備不足で本試験に臨んだ感覚がある。
7-2.使用教材など
租税法についても、予備校のカリキュラムに従った。(12月の短答式試験が無かったため)講義は2020年9月から始まり、スケジュール通り消化して付属問題集を1周半くらいした辺りで、ステップ演習と論文演習が始まった。演習は(講義の授業内演習を除き)全てスケジュール通り校舎で受けた。テキストは入門講義用の他に組織再編税制、2020年改正、理論対策、論文総まとめがあり、それぞれに対応する講義があった。テキストは全て使ったが、「ポケットコンパス」は企業法等と同じ理由で使わなかった。
ステップ演習Ⅰ・Ⅱは基礎的な内容、ステップ演習直対は法人税ともう一科目の組み合わせで過去問の改題を解く感じだった。ステップ演習Ⅰ・Ⅱ(各3回)の初見平均は68.3点、反復回数(初見含む)は3.5回だった。ステップ演習直対(全8回)の初見平均は73.9点、反復回数(初見含む)は3.1回だった。
論文演習も他科目と同じく基礎・応用・直対各4回の全12回あったが、こちらも繰り返し解いていた。全12回の平均は57.0点(最低45点、最高82点)。ちなみに理論の平均は22.9点、計算の平均は34.1点となっていた。公開模試の成績は第1回(3月)が59点(換算得点66.54、22位)、第2回(7月)も59点(換算得点63.44、38位)だった。
計算部分の過去問は解かなかった。法改正により正解が変わっているかどうかを、問題だけ見て判断するのは難しい。過去問をベースに作られており、法改正を反映している演習問題を解いているので、過去問は不要と考えた。
理論部分も苦手意識があり、演習時も1時間前後かかっていたので、慣れるために理論問題用のテキストを読み、例題を解き続けた。理論の過去問は相当遡ってテキストに収録されていたので、それも解いた。租税法では論証の体系性というよりも、関連する条文を網羅的にかつ素早く想起して短い行数に詰め込むことが求められる。関連条文の見当が反射的につくようになるには、演習・自習による慣れが有効だったと思う。
租税法についても「研究書に手を出さない」という基本方針は守った。他予備校の教材は必要と感じなかったので検討もしなかった。ただ、よく分かっていないまま本試験を迎えたという感覚が他科目よりもさらに強いので、今後フォローアップが必要と感じている。現在、金子(2021)と岡村・酒井・田中(2021)は積読になっているが、税大講本も補助的に使おうかと思っている。
最後に勉強時間であるが、2020年9月の学習開始以降トータルで731.5時間、一日平均2.1時間だった。短答式試験前の2021年4~5月には一日1時間台に減ったが、それ以外の時期はだいたい一日平均2時間以上使っている。財務会計の計算と理論を区別した場合、2021年6~8月で一番時間を割いたのは租税法だった(2.2時間)。特に8月は、一日平均2.8時間を使っていた。
(続きます)
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