2018年12月30日(日曜日) 日記30日目

 もう残すところもあと二日。テレビを見ていたら、日本レコード大賞がやっていたので、なんとなく見てしまった。今年は日本レコード大賞が生まれてから60周年という節目の年、人間で言えば還暦にあたる。(あれ還暦は61年目からだっけ? そこらへんは資料を調べるのが面倒だから60年を還暦という事に話を進めます)
 人間で言えばと書いたが還暦もそろそろ古い言葉になりつつあるような気がする。国が人生100年時代構想なんて言葉をぶち上げているのだから、還暦だといって長命を喜んでいるのはまだまだ甘いねと言われそうだ。
 そういえば、私の祖母も祖父もどちらも100歳までは生きられなかったな。国はどうやって人間を100歳まで生かすつもりなんだろう。ベッドに縛り付けて栄養を与えるようなディストピアを想像するけれど、もしかしたらそういう世界は存在しているのかもしれない。
 話として全く関係が無かった。日本レコード大賞の話。今回の日本レコード大賞は今年の優秀賞と歌唱を流しつつ、場面転換の時に過去の受賞者の映像を振り返るという構成になっていた。
 なんとなくで見始めて、チャンネルを変えることなく見入ってしまった理由としては、そこに出てくる人たちが「懐かしい」人たちばかりだったからだろう。
  テレビ全盛だった時代に番組の波に揉まれて育った人間が見るテレビ番組と、今の若い世代が見るテレビ番組の違いと言えば、テレビ番組を振り返るテレビ番組という奇妙な番組があったのだ。
 バラエティ番組やクイズ番組、教養番組、トーク番組など現在の視聴率の稼げる番組も存在していたが、白黒しか映らない時代の番組やm映像がまだまだ粗いカラーの番組などを、わざわざハイビジョン全盛の時代に流してそれを見ながら芸能人がトークするという時もあったのだ。
 その番組では、自局の番組のほかに他局の番組も流したり、あまつさえその当時放送していたCMを流したりしていたのだ。もちろん、商品を宣伝するという意図はなく、その頃に出演していた芸能人の若き頃の姿を見ているのだけれど、そういう番組を見て、自分の世代よりも上の世代の芸能人に触れていたものだった。
 これ懐古厨(=自分が青春時代に経験したものが全てであり、それよりも若い世代の文化に対して否定的な態度をとる人間)になりそうだな。少しトーンを抑えよう。とにかく日本レコード大賞を見ているうちに、そのようなテレビ番組を振り返るテレビ番組をみているような気分になり「懐かしい」と思ってしまったのだった。
 確かにそこで流れていた過去の受賞歌唱者の歌謡曲も「懐かしい」の要素になっていたのだが、それは私がテレビを見る事で歌謡曲にも馴染んでいたからかもしれない。
 まずい、どうやっても懐かしい話、古いもの万歳で進めてしまいそうになる。どうしようもないな。歌謡曲も含め、名曲と呼ばれるものは、今聞いてもいいものです。そのうち若い世代がカバーしたりして、再認識されると思いますが、インターネットが存在する現在、原典を参照して比較し、一方的な感想を投げつけあうのもまた面白い流れだと思います。
 しかし、動画配信サイトで違法に過去現在問わずのテレビ番組を誰でも見られるようになってしまいまいしたが、過去の番組の中に出てくるCMの事を懐かしがる人も多いですね。
 古いCMだけを集めて一本の動画にして配信サイトに上げるなんて人もいますが、もはや違法行為が重なりすぎて何と言っていいか分かりません。でも、うっかり見てしまうと見入ってしまう。「懐かしい」から。
 そういう人間の「懐かしさ」に訴えるものというのは、不法行為がまかり通ってしまうインターネットではビジネスの一つになりえるのかもしれません。漫画や音楽、映画、新聞は課金することで古いものを電子的に読み聞くことが出来るようになっています。しかし、テレビやラジオという存在にはまだまだ手が入っていません。
 現在は古いCMや番組をアップするのは全く持って違法なんですが、どんどん古い創作の権利者が散逸してしまう現状、少しでも文化的価値を残すのであれば、合法で保存利用できるような法改正の方がこれからの人たちにとっても大事な様な気がします。
 門外漢が喋っているので見当違いな事を喋っていると思います。それまでには沢山の障害があるのは、なんとなくですが予想しています。でもせめて「懐かしい」という感情で、それなりのお金を得られるとするなら、テレビというのはこれほど利用価値のあるものはないと思っています。
 利用できるものはどんどん利用できるようになればいいのですが……。これからの法律の流れを注視し続けるしかないんでしょうね。

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