【詩】純粋なお姫様。

君はいつだって純粋な乙女のままさ
君はいつだって僕に愛を囁いてくれる

でもね
君はいつも悲しそうで
君はいつも不安そうで
君はいつも不満そうで
ないものばかりを欲しがっている

僕には
どうしてあげる事も出来ないよ

夢の中では
確かに
ご主人様になってあげられるかもしれないけど

君の隣に居る
本当のご主人様が
君のお姫様のような純粋さに
振り回されてばかりで泣いているよ

君はいつも
悲しみに浸って生きている

悲しいなら
辞めたらいい
辛いなら
逃げたらいい

誰も君に命令なんかしていない

連絡しない僕が悪いの？
助けて欲しかったの？

僕は君を裏切ってなんかいないし
僕は君を傷つけてもいない

自分では何もしないで
まるで助けてくれと
言わんばかりに
僕に純粋そうな愛を囁いて
僕を傷だらけにしてくるのは
君の方だよ

君の純粋には
これ以上
付き合いきれない

純粋そうな言葉を並べて
やってる事は
人の心を考えない
残酷そのものだ

これ以上
俺を追いかけないでくれないか
（僕は君を傷つけてなんかいない）
これ以上
俺に愛を語りかけないでくれ
（僕は君を裏切ってなんかいない）

君を助けようとしたところで
君はこっちには来ないだろう
何も選びたくない
どっちも全部欲しいんだ

ずっと傷ついたままで
ずっと寝込んだままで
ずっと被害者で居たいだけだ

これ以上
俺に愛を語らないでくれ
これ以上
俺の心を掻き乱さないでくれ

君はずっと
悲劇のヒロインで居たいだけさ

夢の中なら
いつだって
君のご主人様になってあげられるけど

現実的には
悲劇のお姫様の相手を
ずっとしてあげられるほど
お人好しにはなれないよ

誰も君を傷つけてなんかいないよ

君はただずっと
自分で自分を不安にさせて
自分で自分の価値を下げて
自分で自分の悲しみを膨らませて
自分で自分の自由を奪っている

どうか
君が遠回しに言う
僕のような悪い男に
騙されませんように
君がこれ以上
悲劇のヒロイン
純粋なお姫様
になりませんように



hachidori.34