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【短編小説】夜露を纏う白ユリ

夜露を纏う白ユリ

野道に咲く 一輪の白ユリは
夜露に濡れていた

濡れた花びらは
まるで交(まじ)わった後の汗のように
じんわりと夜露を纏(まと)い
なまめかしい匂いを漂(ただよ)わせた

…雫が白い花弁を なぞるように伝う…

艶(つや)やかに
そして怪しく
そこにアナタは咲いていた

夜露でさえ魅了し
輝(かがや)きを放(はな)つ
ベールにしてしまう

そんなアナタが…
そこに居た

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