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【短編小説】イロを混ぜる

絵の具を混(ま)ぜる
イロを混ぜる

青と黄色を混ぜたなら
緑になるんだよ

赤と黄色を混ぜるとね
オレンジになるんだよ



違うイロ同士がケンカしないで
『アタラシイイロ』になる

違うから、できたんだよ
『アタラシイイロ』が


違うイロ同士じゃないのにケンカしちゃうこともあるんだよ

なんのこと?
さあ、なんのことだろう…

なんで?
さあ、なんでだろうね…


それはね、人間だよっ
人間だからだよっ

人には気持ちがあるからさっ

だから仲良くできないこともある

だからってさっ
命を奪っていいはずないよね?!

イロだってケンカしないのにさっ


全部のイロを混ぜると
 どうなるのか知ってる?

黒にちかいイロになるんだ

2つ、3つなら『アタラシイイロ』
になるのに
いっぱいだとイロが生まれないんだよ

不思議だね

お互いに自己主張しすぎて
ぶつかり合って…
影響うけて…

黒くなっちゃうのかな??


人も同じかもね

人の黒い部分に触れて
 だんだんと黒くなっていく…

良い部分に触れたら
 ツヤが出て素敵に輝けるんだよ

不思議だな

イロは上手く混ぜれば素晴らしい
絵になる

黒だって必要なイロだ

人間にだって黒い部分は誰しも
持っているし、必要だ

黒に触れずに生きてれば傷つき
命が脅(おびや)かされることになる、かもしれない…


何が言いたいかって?

イロを上手に混ぜ
上手に付き合おうってことさっ

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