ハッチ森畑・写真家

NY在住の写真家。カメラを通して時間を止め、切り取ってみることで、見逃していたかもしれ…

ハッチ森畑・写真家

NY在住の写真家。カメラを通して時間を止め、切り取ってみることで、見逃していたかもしれない世界を見つめ直すことができると気づいたのが、私の写真生活の始まり。 www.instagram.com/haccinyc www.haccimorihata.com

最近の記事

写真と私(その2)

前回の(その1)で写真が静止画であるということの重要性、それが引き算の考え方であることを書いた。他にもいろいろと書いたが、まぁおおかた時間を止めて世界を見るということについて語ったつもりである。 さて(その2)では、写真は写真でもモノクローム写真について思考を巡らせてみたい。 世の中に溢れる写真というものについて、デジタルで撮るかフィルムで撮るかといった議論は尽きないが、どちらも共通してカラー写真かモノクロ写真に大別される。この中間はほぼない。セピア色の写真やサイアノタイ

    • 霧の朝は写真を撮りに出かけなければ。

      ニューヨーク市、マンハッタン島の中央に位置するセントラルパークは南北に4キロ、東西に800メートルの広大な敷地を持つ、地図で見ると縦長で緑豊かな公園だが、そのさらに真ん中あたりに巨大な貯水池がある。 周囲に沿って走ると、いや私は走らないのだが、走ったとして、およそ2.5キロあり、その昔ジャクリーン・ケネディ・オナシスが好んでよくジョギングをしていたそうで、今ではJacqueline Kennedy Onassis Reservoir(ジャクリーン・ケネディ・オナシス貯水地)

      • note はじめまして、おくれましたが

        3本目の投稿で「はじめまして」はないだろうと、お叱りの声がカランコロンとこだまするのが聞こえてくるほどの読者数はまだいないのだが、どうか初心者ということでお許し願いたい。 1本目、2本目の投稿は気持ちが前のめり過ぎて、フライング気味に飛び込んだというわけで。 note はじめまして まとまった文章を書こうと思ったことは一度もなかったが、日記を書いたり書かなかったり、フェイスブックやツイッターも少々書くが、どれもそれなりに制約があり、昭和のプロレスのように無制限一本勝負で書

        • 写真と私(その1)

          長い間、技術者として映像の仕事に携わってきた。同時進行で自分の表現手段としてSuper8 で8ミリ映画の短編を作ったり旅の記録をしていたのだが、ある時アイスランドを車で走行中に横転事故を起こしてしまい、窓から外へ飛んでいった小さなカメラは胴からボッキリと折れ、私の8ミリ時代は幕を閉じた。それからしばらくは撮るという行為からは離れていたように思うが、iPhone時代がやってきて、何も考えずに写真を撮り始めた。 それはそれで楽しかったのだが、だんだん欲が出るのは世の常で。 そ

        写真と私(その2)

          「赤い立方体」の謎

          さてみなさん、赤い・・・といえば何を思い浮かべるだろうか?人それぞれ、時代によってもずいぶん違った意見が出るだろう。私が真っ先に思い浮かべたのは短編映画「赤い風船」である。1956年にカンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞した珠玉の名作だ。たくさんの風船を手にしてパリの青空に舞い上がったあの少年はどこへ飛んでいったのか・・・。いやいや、「赤い糸」だろうという人もいるかもしれない。人と人を結ぶ運命の赤い糸で、小指に結ばれていて離れられない。何を馬鹿なことを言うか、赤いといえば山

          「赤い立方体」の謎