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「フラペチーノ」 けっち

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Photo by Chris Knight on Unsplash

高校生くらいのころだったかな、「カプチーノ」という飲み物が、僕にとってずいぶん敷居が高い飲み物だったことをとてもよく覚えています。いまではカフェと名のつくところならどこにも置いてある「カプチーノ」なので、名前にビビったりすることはないです。ファミリーレストランのドリンクバーにも「カプチーノ」は置いてあるし、そもそもビビっていたころはカプチーノが何かわかりませんでした。

ひとことでいうとカプチーノは濃いコーヒーのうえにあったかいミルク、ホワッとしたミルクをのせたコーヒーの一種です。

でも、カプチーノ……と名前がついただけで、それは何か魔術的な飲み物になって、僕にはとても手が届かなかった。カプチーノとコーヒー牛乳。原価的にはそんなに変わらないのに、この2つの距離はイケメンとブサイクほどに離れていて、僕が自分の口からカプチーノ、と発したのは高校を卒業してから数年は必要でした。

そんな中、はじめてスターバックスができたのは、あんまり覚えていませんが、僕の住んでいた金沢では2002年くらいだったと思うので、今から18年前になります。フラペチーノを知りました。カプチーノでさえ、馴染みがなくて、カプチーノと発音することさえ戸惑いと緊張がありました。それは子供がはじめて「オレ」と自分のことを呼ぶときのように、ドキドキするものです。もちろん、カプチーノが何かもよくわかっていない。

それなのにフラペチーノ……。なにそれ、でしたね。当時、珈琲をブラックで飲むことがかっこいいと思っていた僕は、結局のところフラペチーノをたのまなかったですが、フラペチーノがどれほど女性たちの心をわしづかみしていき、フラペチーノという商品が日本の喫茶店の歴史をぬりかえてしまうほどに、カフェ普及にものすごい影響を与えたことについて後世の歴史家たちは教科書に記すと僕は思っています。

そういう意味ではスターバックスって、商品のネーミングセンスがいいですよね。今さらではありますが、僕ははじめて行ったとき「ショートサイズ」とは言えなかった。「エスサイズ」でした。「エムサイズください」といったこともあります。エスもエムも通じないのがスターバックス。ショートはまだわかるけど、トールというのは、一体なんのことかよくわからなかったです。でも、なんとなく「トール」っていうの「エムサイズ」よりかっこいいな、と思ったことは覚えています。

そんなフラペチーノにまつわるスターバックスの思い出ですが、フラペチーノって今では少しその正体がわかりました。要はかき氷とコーヒー、かき氷とジュースを合体させた飲み物なんですね。氷をミキサーで砕いて、そこにクリームやチョコレートもいれて混ぜたらアイスクリームでもカキ氷でもない不思議な飲み物になる! という飲み物だったわけで、いま僕は家にジュースミキサーを手に入れたので、勝手にフラペチーノにちかい飲み物を毎日のようにつくっています。でもこれが不思議なもので、家のコップにいれてのむより、スターバックスで持ち帰りしたプラスチック容器を洗って、これに自家製フラペチーノをいれてのむと美味しさが3割くらい増すんですよね。きっと魔法がかかっているんでしょうね。

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