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笑うへびの顔

※ 爬虫類が苦手な方は、読まないことをおすすめします。

なんのこっちゃなタイトルだが、私は小学校中学年の頃にへびの笑顔を見たことがある。

毎日、午後に掃除の時間があったのだけれど、その日は校舎とグラウンドの間に位置する庭の草むしりをする担当だった。

そこには丸っこくて高さ1mくらいの木がいくつも並んでいる。木の周りに生い茂っている雑草をむしろうと、木の下にもぐるようにしてしゃがんだ。目の前には木の枝がある。

なんとそこに一匹のへびがいて、ばっちりとこちらを向いていたのだった。15cmくらいの距離感だったのではないだろうか。かなり近かった。

びっくりしすぎて、叫ぶとか逃げるとか、そんな余裕がなく目を丸くしたその瞬間に、へびがにっこりと笑ったのである。

その口元がニコちゃんマークのようだったことだけは、今だにはっきりと覚えている。

近寄ってくることも、攻撃してくることもなかったので、危険な思いはしていない。私は、そーっと静かに後ろに下がって立ち上がり、その場を去った。

その出来事があって以降、10年以上はへびが苦手だった。近距離で見たへびの笑顔がどんな具合だったか、鮮明に記憶に残っていた期間だ。

今ではすっかり表情を忘れているし、そもそもへびを見かける機会もないので、苦手だと主張するほどのことではない。

たまたまSNSでへびのことをつぶやいている人がいたので、久しぶりに記憶がフラッシュバックし、今こうしてここに書いている。

へびって、にっこり笑うんだよ。

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