理論より強い者
理論派は理論こそ全てと誤解がある、
私自身も以前は理論最強説を唱えていたが、あるきっかけがあって其は誤りと気付いた
昔、或る親子がいた。
所謂母子家庭で経済的困窮者だったのだが、当時は生活保護基準が嚴しく受けられず。
母は息子を深く愛し息子も深く母を愛していた、この二人の間に割って入れる存在は無かった。
生活苦から少しでも脱却しようと焦っていた母親はある詐欺に引っ掛かりより生活は困窮を極めた。
其処にある男がやってきて母親と無理やり
関係を迫った。
息子は元々体が丈夫な方ではなく寧ろ弱い方だった、行動よりも弁舌が立つ方で弁舌では無類の強さを誇り、近所では彼に叶う者は一人もいなかった。
故に母に迫った男もまさか息子が暴挙に出るとは想像だにしていなかったであろう。
いきなり男に襲いかかりかなりの重傷を負わせたのだ、勿論傷害で訴えれば或いは勝てたかも知れなかった。
正に窮鼠猫を噛むの例え通り。
然し男は息子を訴える事はしなかった、
其は息子の目が『本気』だったからである。
腕っぷしは割と強い方の彼だったのだが、
息子の『本気』には到底及ばないと判断、
母を守る為なら己の命を捨てても躊躇しない、本気が行動から目から感じ取れたから。
仮に己の欲望をその場で満たせたとしても、その後、男に待っているのは確実に死だと悟ったからだと言う。
人間どんなに頭が良くても裕福でも、
力自慢であっも死を覚悟した者の本気には
勝てない。
そう考えさせられた出来事であった
今も母子は仲良く暮らしているそうだ
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