65. 昔の海水温を調べるにはサンゴを調べる!?そんなサンゴの骨格の特徴とは!?
みなさんこんにちは。
いや、サンゴ好きすぎるやろってぐらい最近サンゴのことを書いてる羽原です。
だってサンゴ綺麗なんですもん笑 いつか家族と子どもと仲間とみんなでダイビング行きたいなって思ってます。
前回の記事では、サンゴが海水の温度上昇によって死滅するという話を書きました。
「昔の海水温はサンゴが知っている!?」
ということで、今回は昔の海水温を測るためにサンゴが使われるという話をご紹介していきます。
昔の海水温を知るにはサンゴを知れ!?
「Science Portal」のニュース記事によると、「昔の海水温をきちんと記録しているサンゴの骨格を見分ける方法を開発」とあります。
ここ20年ほどで過去の海水温を推定するための素材として使われてきたのがサンゴだそうです。
その中で「造礁サンゴ」という種類は、小さいサンゴがたくさん集まって岩のような骨格を自分たちで作り、その上に新しいサンゴが付着して生きています。
骨格の上に骨格が重なって成長していくので、木の年輪と同じように古さの目安になるとのことです。
サンゴの骨格は炭酸カルシウムでできていますが、この炭酸カルシウムを作っている酸素が、骨格を作った時の海水温を知る指標になります。
酸素には軽い酸素(酸素16)と思い酸素(酸素18)があり、自然界では酸素16が99%を占めています。
水も同様で、水は軽い方が蒸発しやすいので、地球の気温が低い(海水温が高い)と蒸発し、海に含まれる酸素18の割合が高くなります。
するとサンゴの骨格を作っている炭酸カルシウムにも、酸素18が多く取り込まれます。
このほか、ストロンチウムとカルシウムの量も水温の推定に使われます。
ただしこのようにサンゴを用いるには、サンゴ骨格の成分が、その骨格ができた時から変わっていないという前提が必要になります。
サンゴ骨格は、「アラゴナイト」という種類の炭酸カルシウムでできていますが、これが「カルサイト」という別の種類の炭酸カルシウムに変わります。
この際、酸素16と酸素18の割合やストロンチウムの濃度が変化してしまいます。
よって、このようなサンゴを用いると海水温の推定に狂いが出ます。
全体の1%がカルサイトに変わるだけで海水温の推定が1度変わるらしく、海水温にとって、この「1度」は小さな値ではないといいます。
そのため、過去の水温を復元するには変質の少ないサンゴを使う必要があります。
海水温を知ることで得られることとは?
産業技術総合研究所の高田徳幸主任研究員たちの研究グループでは、サンゴ骨格から1%以下のわずかなカルサイトを検出できる方法を開発して論文にまとめました。
これまでの方法では1〜2%が限界でしたが、「熱ルミネッセンス」と呼ばれる方法で、骨格を砕いてガンマ線を当てると、サンゴの骨格に含まれる少量のマンガンはごく弱い光を発するそうです。
その光の成分が、アラゴナイトとカルサイトの場合で異なるため、カルサイトの含有量が1%以下でも、微弱な光を検出できるとのことです。
今回の研究結果は、サンゴ骨格を使って昔の海水温を推定したこれまでの研究に影響を与えるほどのものらしく、1%以下のどのぐらい微量なカルサイトを検出できているのかを、さらに精査しているとのことです。
まとめ
海水温が過去どのように変化してきたのか、それを知ることで、海の生態系を知ることに繋がります。
また、これからの海水温や生態系の維持にも利用されます。
海洋環境をみんなで守る一つの方法に繋がっていくといいですね。
それではまたどこかで。