コンピュータに関連した自由研究テーマ

おそらく殆どの子どもたちが苦労している(した)夏休みの自由研究。先生に怒られない程度に真面目で、かつ楽にこなせるテーマの選定に私も苦労したものです(笑)。

私は職業プログラマーなので、以下にコンピュータに関連する自由研究テーマのアイデアを挙げてみました。これらそのものでも良いですし、これらから思いついた別のテーマでも良いので、コンピュータに触れる機会が増えてくれると幸いです。


テーマ1「ゲーム制作」

おそらく「自由研究」+「コンピュータ」で一番多いテーマでしょう。
被ったって良いんです。研究なんてものは「何をやったか」「何が得られたか」が重要なんですから。ScratchでもC#でも何でも良いので何らかのゲームを作成したうえで、苦労した点、工夫した点、課題などをまとめれば自由研究としては十分でしょう。

さらに一歩踏み込むなら、使いやすい入力手段やわかりやすい画面表示といった点を深く考えてみたり、より強いプログラムにするための工夫などについて考えてみるとよいでしょう。

例1:対戦ゲーム

例えばジャンケンやマルバツでコンピュータと対戦するプログラムとかはどうでしょうか。ゲームとしてはすごく単純ですが、画面表示やプレイヤーの入力部分をどうするかとか、コンピュータの思考ルーチンを工夫するとか(プレイヤーのクセを学習したり最善手を探したり)、工夫する余地は色々あります。

例2:アクションゲーム

スー◯ーマ◯オのようなアクションゲームだと、プレイヤーを楽しませる工夫、飽きさせない工夫、難易度の調整などいろいろな点で工夫する余地があります。
友達にプレイしてもらってその感想をまとめると、それだけでページ数を稼げてお得です。

例3:ノベルゲーム

最近は余り聞かなくなったノベルゲームですが、自由研究課題としては面白いかもしれません。

ノベルゲームはプログラミング要素が少なく、ノベルゲーム開発ツールを使えば絵・音楽・シナリオを準備するのが主となります。それでもゲームですから、どうすればプレイヤーに楽しんでもらえるか、プレイヤーを満足させられるかを考える必要があります。

夏休みという短い期間で仕上げるのは難しいかもしれませんが、得られるものは少なくないでしょう。

例4:将棋プログラム

もっと歯ごたえのある課題に挑戦したいというのであれば将棋プログラムが良いかもしれません。
例えば以下のような感じで高校三年間をかけて研究を進めていくと、なかなか質の高い自由研究ができるのではないでしょうか。

  • 一年生:公開されている将棋プログラムのソースコードを解析して、将棋プログラムがどのように作成されているのかをまとめる。

  • 二年生:一年生時の研究結果を基に自分で将棋プログラム作成し、その経験をまとめる。

  • 三年生:自分で作成した将棋プログラムでコンピュータ将棋大会に参加して、その成果や課題などをまとめる。

テーマ2「データロギング」

最近はラズベリーパイのような便利なガジェットもあるので、それを使うと面白い自由研究を作れるかもしれません。

例1:気温、湿度、気圧

例えば環境センサーモジュールとラズベリーパイを組み合わせて、気温、湿度、気圧を10分ごとに記録するプログラムを作成する、といったテーマが考えられます。これで1ヶ月間データを記録し続け、そのデータをグラフにしたり統計データにまとめたり考察を書いたりすれば、自由研究としては十分でしょう。

この応用として、例えばガスセンサーモジュールと組み合わせて室内の空気汚染について調べるといったことも考えられます。照度センサーと組み合わせて、自分が夏休みにどれだけ夜ふかししていたかをまとめるのも面白いかもしれません(笑)。

例2:写真

例えばカメラモジュールとラズベリーパイを組み合わせて、同じ場所から朝顔を1時間毎に撮影する、といったテーマが考えられます。これで朝顔の成長を記録し続けてタイムラスプにまとめる、なんてのも面白いかもしれません。

同じように動物(金魚や亀など)を1分ごとに数日間撮影し続けてタイムラスプにまとめると、動物たちが普段どんな生活を送っているのかを垣間見る事ができて面白いかもしれません。

例3:動体センサー

近くのモノの動きを検知する動体センサーを使って動画を撮影するプログラムを作るのも面白いかもしれません。
例えばベランダに鳥のエサ箱を設置し、鳥が餌を食べに来たときだけ動画を撮影すると、近くにどんな鳥がいるのかやどんなふうに餌を食べているのかといった生態を簡単に観察することができます。

テーマ3「AI」

プログラミング業界において今最も活発な研究分野のひとつであるAIについて調べてみるのも面白いかもしれません。

例1:ChatGPTと戯れる

ChatGPTはおそらく一番身近に体験できるAIでしょう。このChatGPTに対していいろいろな質問をしてみてどのような反応が返ってくるかをまとめると面白いかもしれません。

それは的を射た回答の場合もありますし、一般論に終止した当たり障りのない回答の場合もありますし、しれっと嘘を混ぜてくることもあります。
どんな質問のときにどんな回答が得られるのか、逆に頓珍漢な回答が返ってくるような質問はどんな物があるか、回答に嘘が含まれている割合はどれくらいか、など様々な観点からChatGPTを分析してみると良いでしょう。

学校の先生から「AIの回答にあるこの嘘を見抜けなかったね(笑)」などと言われないよう、提出物にはくれぐれもお気をつけくださいませ…

例2:作ってみる

難易度は高いですが、自分でAIを作ってみるというのも面白そうです。

最近では様々な言語向けにAIライブラリが提供されており、一昔前ほどの苦労はなくなりました。対戦ゲームのCPUとしてAIを作ってみると、得られるものは多いでしょう。

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