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自分なりの無痛分娩出産レポート

2020年10月17日、自然無痛分娩にて赤子を出産しました。

出産後冷静になって考えたら、
会陰切開・陣痛促進剤使用・吸引分娩という中々オンパレードな内容でした。

「今にして思えばあれが予兆だったな」とか
無痛分娩にした理由・産院選びなど
これから妊娠を考えている人向けな内容になっています。
自分が妊娠前知らなかった用語などは説明を交えながら記載してますので、もしどなたかの参考になれば幸いです。

私が無痛分娩を選んだ理由

「痛いの嫌!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
これに尽きる。

親も周りも痛かったって言ってて、どうあがいても痛いのが目に見えてる。
普段から生理痛とも無縁の自分が、そんなのに耐えられる自信も気力もありませんでした。

自分は”自然無痛分娩”という方法で出産しました。
”自然無痛分娩”とは、実際に陣痛が始まってから麻酔を入れていく方法です。
※自然無痛分娩以外に産院によっては”計画無痛分娩”という方法もあります。
(計画無痛分娩=出産日時を決めて事前に入院し、陣痛促進剤を使用して人工的にお産を始める方法。)

なので麻酔が効くまでの約5時間は陣痛を経験したわけですが・・・これがいてぇのなんの。
陣痛中、助産師さんに最終確認で「無痛分娩でよろしいですか?」って聞かれたけど、つらすぎて「はい・・・はやく、はやくおねがいします・・・」としか言えなかった。

出産直前までは謎の自信が出てきて「ワンチャン自然分娩でもいけるんちゃう??????」とか思ってたけどそんな甘くなかった。
あの時の自分をぶん殴りたい。

生まれて初めて痛くて「うぅ~~~~~~~~~~~」って変なうなり声出た。
生まれて初めて痛くてゲロ出そうになった。
陣痛に耐えている間、世の中の母という母全員をひたすら尊敬してた。

だからこそ麻酔が効きはじめてからは天国でした。
自分の経験だけで言うと麻酔が効き始めてから出産するまでは痛み0でした。
麻酔が効くまでは呼吸を整えるのがやっとレベルだったのですが、麻酔が効いてからはスマホいじってtwitterしたり隣にいる夫と話したり、なんなら朝4時から起きてるせいで眠くて途中寝てました。

初産で自然分娩を経験してないため断定的なことは言えませんが、自分としては無痛分娩にして本当によかったし、もし次があるとしても無痛分娩を選択すると思います。
出産において痛みに少しでも不安のある妊婦さんは、安心材料として無痛分娩を選択できる産院にした方がいいかもしれないです。

次に自分が聖路加国際病院で出産した理由を共有します。

自分自身妊娠してからわからないことばかりで、産院選びもその1つでした。
これから妊娠を考えている人へ、
「産院ってどういう基準で選べばいいの?」
という疑問に対する1つの指針になれば幸いです。

聖路加国際病院で出産した理由

・無痛分娩可能、かつ365日24時間無痛分娩対応可能
これは先ほどの無痛分娩を選択した理由でも言った通り。
なおかつ土日祝や夜間でも確実に無痛分娩ができる産院にしました。
※産院によっては土日祝・夜間時は無痛分娩対応不可のところも結構あります。自分の気になる産院がどうなのかを調べるとよいです。

・自宅から近い
妊娠初期~中期までは大体5~4週に1回、後期は2~1週に1回妊婦健診があります。
(自分はコロナの影響もあって初期~中期は通常4週に1回の健診が5週に1回、後期36週までは2週に1回、後期37週以降は1週に1回でした。)
そして実際に陣痛がきた時の対応として、多くの産院では「陣痛の間隔が10分以内になったら電話ください」と指示されます。
陣痛間隔が10分以内になったら産院に電話して産院からOKが出たらいざ入院なのですが、自宅からあまりに遠い産院だと移動中に長時間陣痛に耐えなければいけません。
(自然分娩だとここはあまり関係ないですが、無痛分娩の場合は早く麻酔を入れてほしいというのがあるので、陣痛に耐える時間が長ければ長いほどつらい)
妊婦健診もそこそこな頻度であるので負担になりたくない、何か緊急の用件があった場合にある程度すぐに行ける範囲の産院にしたいと考えて聖路加国際病院を選びました。

・入院中の部屋が個室
これは産院選びの時「できれば個室がいいな」くらいの優先度だったのですが、いざ出産して入院してみると本当に個室でよかったです。
聖路加国際病院は全室個室・トイレやシャワー室も各個室についています。

産後は”悪露”と呼ばれる分泌物が1~2ヵ月ほど続きます。
出産直後は生理2日目の3倍くらいの量の鮮血が股からとめどなく出てきます。退院時で生理2日目くらいの出血量だった気がする。

また、無痛分娩で出産すると麻酔の副作用で尿意を感じづらいです。
なので尿意を感じづらい産後2日目くらいまでは3時間ごとくらいにトイレに行って無理やりにでも尿を出してくださいと指示されます。
なんならトイレ行った後に残尿具合をチェックする機械で逐一何cc溜まってるかチェックされました。

これらの要因があるため、入院中はナプキンの交換や尿の排出等かなりの頻度でトイレに行くことになります。
個室にトイレがついてるおかげで他の人を気にすることなくトイレに行けたのは自分にとってはストレスフリーで助かりました。

そして自分が想像していた以上に産後の身体はボロボロでした。他人に気を遣うキャパシティは持ち合わせてなかったです。
出産って出産中がめちゃくちゃ大変というイメージばかりあるけど(もちろん出産中も大変です)、無痛分娩にした分、産後の方が股の痛みや悪露などとにかく身体が言うことを聞かなくてキツかったです。
大部屋入院だとそんな中で他人に気遣ったりしなきゃいけないので、私にはかなりのストレスになってたかもしれないと思いました。

あとこれは余談ですが、会陰切開してると股を気遣ってう〇こするときもゆっくりいきむのでどうしてもトイレに篭る時間が長くなります。
その意味でも個室&全部屋トイレ完備は有難かった。産後初のう〇こは本当に恐怖。

・NICUありの総合病院
これはここでよかったという結果論ではありますが。
母体は産後の経過も良好で通常通り退院となったのですが、赤子は体重増加があまりよくないこと・血便が少し出ていたこともあってGCUにて入院となりました。
聖路加国際病院はNICUありの総合病院のため他院へ転院もなく、そのまま同じ施設で診てもらえるというのはとても心強かったです。

分娩もそうですが、赤ちゃんも、実際その時にならなければ何が起きるか分からないです。
自分自身、赤子と一緒に退院できないだなんて未来は1ミリも想像してなかったし。
未知のことに対しては大なり小なり不安はつきものなので、なるべく自分の不安が取り除ける方法や選択肢をとるとよいかなと思います。

・LDRでの分娩
これも結果論的な話。
聖路加国際病院では無痛分娩の際、LDRで行います。
陣痛~分娩まで1つの部屋で完結されるのでとても楽でした。

LDRとは・・・
LDR(えるでぃーあーる)とは、陣痛(Labor)、分娩(Delivery)、回復(Recovery)の頭文字をとったもので、陣痛室・分娩室・回復室が一体となった個室を指す。LDR室、陣痛分娩室、居室型分娩室ともいう。
陣痛から分娩、回復期まで、移動することなく、一つのベッド、一つの個室で過ごすことができる。家族の付き添いや、宿泊もできる作りになっている施設もある。
【LDRの特長】
・陣痛時や分娩後の回復時に産婦が部屋を移らずに済むので、身体的負担が軽減される
・夫や家族が分娩に立会いやすい
・プライバシーが守られる

またコロナというご時世で立会出産も叶わない産院が多い中、聖路加国際病院は夫のみですが立ち合いOKだったのは有難かったです。
入院中の面会も1日1回3人までOKでした。

次はようやくの出産レポートです。

出産レポート

【2020.10.14~2020.10.16】
▼予兆

数日前から飯食べるたびにお腹を下す。
でもラーメン食べたいので、お腹の調子よりも胃袋を優先。
※あとから調べるとお腹下すのは出産直前の兆候の1つらしいです。

ラーメン食いてぇ。

【2020.10.17】
▼4:00
下痢の時の腹痛で目が覚める。
「またお腹下してるんか」と思いながらトイレに駆け込む。ゆるいう〇こが出る。
う〇こ出したらある程度腹痛がマシになったので、再び寝る。

▼4:30
また腹痛で目が覚める。
「なんか変なもの食べたっけ?いやラーメンしか食ってないけどな」と思いながらトイレに駆け込むがう〇こ出ない。
とりあえず横になって腹痛に耐えながらうとうとする。

▼5:00~6:00頃
腹痛が不規則に来るので寝たり起きたりしてた。
この辺からここ数日のお腹の下し方とはなんか違うと思い始めた。
でも今まで前駆陣痛すら来てなかったので、これが陣痛だとは思わずとりあえず横になって我慢する。

前駆陣痛とは
前駆陣痛とは臨月におこることが多い、腹痛や腰痛のことです。陣痛の練習のようなもの、と考えることもできます。
痛みの感じ方は人それぞれで、回数も長さもわかりません。



▼6:45~7:15頃
横になっても痛みがマシにならないどころかどんどん強くなってくる。
「もしかして陣痛なんじゃ?」と思って、妊婦専用アプリ「Babyプラス」にある陣痛カウンターで陣痛カウント開始。
この時点では10~6分半の不規則な痛み。
結構痛いけどまだ我慢できる範囲だし、間隔にバラつきあるからこれが陣痛なのかもよくわからん。とりあえず我慢しようと思って横になる。
今にして思えばこの時点で夫を起こして病院に電話すりゃよかった。

▼7:30頃
痛みが我慢できないレベルになる。陣痛カウンターでは間隔6分半に。
なのになぜか我慢する。いや病院に電話せえよ。

▼7:48
隣の部屋で寝ている夫に電話して起こす。
痛くて隣の部屋まで行って自力で起こす気力がなかった。
夫が起きた瞬間、痛みのせいか勝手に涙が出てきた。

▼8:00
痛みに耐えながらようやく病院に電話。
電話中も押し寄せてくる陣痛。痛みがきたときは休みつつ助産師さんからの質問に応え、病院に来てくださいとなりタクシーで病院に向かう。
タクシーの中でも陣痛カウンターでカウント。
この時点で3分半くらいの間隔。

▼8:30~9:30
病院到着。むちゃ痛いけどギリギリ歩けるレベル。自力で歩いて病室まで向かう。
NSTと内診グリグリ。現在子宮口4センチとのこと。
助産師さんに「無痛分娩でよろしいですか?」って聞かれる。「はい」と即答。
なんでもいいから早く麻酔いれてください。お願いします。

▼9:30~10:00
お産用の服に着替えてLDRに移動。痛みが我慢できないレベルMAXに到達。
痛くて「はぁあ~~~~~」とか「うぅ~~~~~」とか変な声が勝手に出る。口からゲロが出そうになる。
助産師さんや夫から色々質問されたり声かけられたりするけど痛くてはい/いいえの相槌するのが精いっぱい。

痛みをたとえて言うなら・・・
肛門からスイカクラスのう〇こに押されてるような圧迫感(でも出ない)と腰痛の最上級クラスと下痢でお腹下してる時の最上級クラスの痛みをドッキングしたような感じ。(伝わらない)

痛い時に助産師さんが背中をさすってくれたのがよかった。さすってもらうと少しだけ楽になる。
また内診グリグリ。現在子宮口5センチ。
股からなんか漏れた感覚。助産師さんに確認してもらうとおしるしとのこと。
パンツを病院から用意されてるお産用のものに履き替えてもらう。

おしるし
子宮口が徐々に開き、卵膜が子宮内壁からはがれ粘液に血液が混じったおりもののことです。色は茶褐色からピンク色までさまざまで、量も下着に少量つく程度から月経の終わりくらいの量とかなりの個人差があります。数時間から数日内にお産となることが多いです。赤い出血やお腹の張りや激しい痛みが続く時は他の原因も考えられるので早めの受診をしましょう。



▼10:00~11:00
気を失いそうな痛みに耐えている中、10時頃にようやく麻酔科の先生到着。
麻酔科の先生2人、助産師さん1人の3人体制だったかな。
まず背中を丸める体制にされて表面麻酔。背中に爪楊枝でツンとされるような痛みが1回あり。チクっとしたくらいなので全然余裕。
カテーテル入れられた時は痛みも入ってる感覚もよくわからなかった。
よくわからなかったのは、それより陣痛の方が勝ってたせいなのか。
カテーテル入れたりとかいろいろ準備があるので、実際麻酔が入ったのはおそらく10:45頃だったと思う。
麻酔科の先生から「30分後くらいから麻酔が効き始めます」と説明を受ける。
あと30分なんとか耐えるんだ・・・!と思うとなんとか希望が見えてきた。むっちゃいたいけど。

▼11:15
麻酔が効いてきて、気づいたら痛みがなくなる。
スマホいじって談笑できるまで回復。あまりの天国具合に感動する。
感動のあまり、痛みがなくなった瞬間なんとなく写真を撮る。
もっとマシな写真撮れや。

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▼11:15~14:00
親にLINEしたりtwitterしたりYoutube観たりする。
あまりの快適さに眠気が押し寄せてくる。というかちょっと寝てた。
夫も麻酔前後のあまりの落差に最初の方は動揺してた。
11:45、内診グリグリ。子宮口7センチ。
12:20、お昼ご飯が出る。無痛分娩中は食事取れないので夫が食べる。昨日の昼から何も食べてないのでズルい~~~お腹空いた~~~~と思いながら昼飯食ってる姿をただ眺めるだけの生殺しプレイ。
13:00、子宮口全開になるまではひたすら待つことになるので、この間に夫に入院バッグを自宅から持ってきてもらう。
あと出産したら即効飯を食べたかったので、前日に買っておいたTANUKI APPETIZINGのベーグルサンドもついでに持ってきてもらった。出産中とは思えない食い意地である。

※TANUKI APPETIZINGさんのベーグルほんとおすすめです。 https://goo.gl/maps/RjSHMNfz2zjKVXcx7

▼14:00
内診グリグリ。子宮口全開。
そろそろいきんでみましょうかとなる。
麻酔で下半身の感覚がない中で、探り探りでいきんでみる。
助産師さんが「その調子です」って言ってたから多分間違ってはなさそう。とにかく下半身の感覚がないから勘でいきむしかない。
助産師さんに「日中のお産になりそうですね~」といわれる。
この時は「お腹空いた~~~!!はやく産まれますように~!」みたいな気楽な気持ちだった気がする。

▼14:30
どうやらお産の進みがあまりよくないっぽい。
でも陣痛促進剤をいれるほどではないので、陣痛がくるタイミングでひたすらいきみましょうと助産師さんに言われる。
無痛で陣痛がきてるタイミングがわからないので、助産師さんに言われるタイミングでとにかくいきむ。
この時点でどのくらい進んでるのかは自分にはよくわからず。

▼15:00~15:50
結局、陣痛が微弱になってるので陣痛促進剤をいれることになる。
夫が書類にサインをする。
自分は麻酔が効いてるのでよくわかっておらず「ふ~ん」くらい。
そして促進剤を入れるがあまり経過がよろしくない?っぽい。(後から説明を受けたところによると、赤ちゃんの心拍が弱くなってたらしい)

急に部屋がざわざわし始める。
15:40、急に5人くらいの助産師さんたちが急いでわらわら入ってくる。
天井からライトがドーンと出てきて急にオペが始まる。
お腹をズンズンってめっちゃ押される。麻酔効いてるから痛くないけど圧迫感はあり。
一番偉い人っぽいおばちゃん先生が色々指示してくるけど焦ってるせいかめっちゃ早口なので半分くらい何言ってるか聞き取れなかったw
何言ってるかちゃんと聞き取れないのでフィーリングで股広げたりいきんだりする。

「会陰切開します」と言われる。一番恐れてたのキターーーー!!!
まさか予告されると思わなかったからこの時が何よりも一番怖かった。
局所麻酔されて会陰切開。麻酔されてるから切られてる感覚も痛みもなし。
しかし、産後にこの会陰切開の傷の痛み地獄により死ぬ。

15:50、気づいたら赤子誕生。
よく言われる出てくるときのドゥルンっていう感覚は麻酔が効いてていまいちよくわからず。

「オギャー!」って声が聞こえて助産師さんたちから「おめでとうございます!」って言われた瞬間、ぼーっとしてたけど終わったんだっていう達成感からなのか何なのか、声出して泣いた。
会陰切開の傷縫って胎盤掻き出されて終了。


後から聞いたところによると、途中赤子の心拍がかなり下がってしまい急遽吸引分娩になったためバタバタしてたらしい。
正直なにが起きてるのか分からないままに気づいたら終わってたのでそんな大事だとは思ってなかったです。
こうして赤子も自分も無事に生きているのは本当に奇跡的なことなんだなあと改めて感じました。

腹痛で目が覚めてから約12時間。
病院着いてから8時間45分。

麻酔が効くまで今まで経験したことないような痛み。
もうこんなの絶対経験したくねえ!!って陣痛中は思ってたのに。

産まれたらそんなこと忘れてしまうくらい、かけがえのない瞬間でした。
と言いつつ、忘れてしまうくらいというだけで忘れてはないが。
どちゃくそ痛かった。

これからバタバタする毎日になりそうです。
こんな自分への備忘録でしかないレポートをここまで読んでいただきありがとうございました。

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出産直後、お腹空きすぎて食べた勝利のベーグル。

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