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【ヤクルト】プロ初先発で完封勝利・松本健吾投手 二軍と一軍のスタッツから見る武器
トヨタ自動車から2023年ドラフト2位で
ヤクルトに入団したルーキー・松本健吾投手。
二軍で登板を重ね信頼を勝ち取り
5/15には一軍でプロ初先発の機会をもらって、
見事10K無四球完封勝利を飾りました。
二軍でのスタッツがどうだったか確認した後
一軍登板のデータと感想を書いていきます。
二軍での投球割合/被打率
![](https://assets.st-note.com/img/1716088000626-heunhESuyY.png?width=800)
19イニング投げたうちのデータは画像の通り。
どの変化球も一定の空振り率を誇っていて、
いろんな球種で勝負できていると言えます。
懸念点の「ストレート」について
松本投手の懸念点として挙げられるのは"直球"。
アマ時代の投球をチェックした時も
ストレートがやけにはじき返されていたり、
OP戦で1回7失点の大炎上をした時も
ストレートをめった打ちにされたり、
(被安打6全てがストレート)
OP戦のPayPayドームで計測した回転数が
2000-2100回転台と かなり少なかったり、
プロで今後通用していくのかなあと
少なからず不安を抱いていました。
そんなストレートは
二軍戦でも空振り率2.9%と
空振りこそ取れていませんが、
一応被打率.250(20-5)と
そこまで打たれてはいません。
今後一軍で投げていく過程で
どうなっていくのか、注目です。
二軍での対左/対右の差
![](https://assets.st-note.com/img/1716089101582-dKmr482VmL.png?width=800)
投球割合の中で差が見られるのは
スライダーの比率です。
対左に比べて対右の
スライダーの投球割合は
6.7%→→16.8%と10%弱増えていて、
その分スプリットが若干減少しています。
![](https://assets.st-note.com/img/1716089399939-CjeH2v1lA5.png?width=800)
次に、対左/対右で
各球種のストライク率,空振り率を見ていきましょう。
対左/対右で反応が違うスプリット
対左打者へのスプリットは
31.4%と とても高い空振り率を誇りますが、
対右打者へのスプリットは
空振り率3.6%にとどまっています。
松本投手が一番武器としている変化球で
対右打者から空振りを奪えないのは痛いですが
その分、空振り率23.8%のスライダーが
対右打者への武器となっているのは大きいです。
ヤクルトで磨いたスライダー
このスライダーは、
ヤクルト入団後に新たに習得した球種
だと思われます。
トヨタ時代の松本投手だと
横変化=カットボールのイメージで、
(ソースは忘れましたが)
確かスライダーはもともと得意ではないと
どこかで言っていたような気がします。
ヤクルト入団後磨いたスライダーが
プロ初登板初完封にも活きているので、
次はその日の投球データを見ていきましょう。
5/15完封時の投球データ
![](https://assets.st-note.com/img/1716090077077-Pu1joiRN7Q.png?width=800)
対左打者の場合
ストレートとスプリットで
投球全体の3/4近くを占めており、
スプリットの空振り率36.0%は圧巻の数字です。
その中で
カーブで空振りを取ったり、
左の内角をカットで突いたり、
外から入れるスライダーで
見逃し三振を取ったり…
他の球種も絶妙に混ぜていました。
対右打者の場合
二軍戦の登板では
対右でもスプリットが
2番目に多い投球割合でしたが、
この日の一軍登板では
スプリットを大きく減らして
その分スライダー,カットと
右打者から逃げていく球種を
多く使う結果となっています。
二軍戦を経て、
対右打者においてはスプリットより
スラカット系の方が有効と考えた?
と想像していますが、実際どうなんでしょう。
5/15完封 投球を見た感想
と、ここまでの内容では
変化球にフォーカスを当ててきましたが、
この日の完封劇の第一印象は
「直球の制球力が高すぎるやろ…」
ということです。
基本的に低く低く集まるし、
少し高くてもコースが良く
明らかな失投はほぼありませんでした。
失投はとても少ないし、
ベストなコースに行く球は多い…。
球威的には正直物足りない感はありますが
これだけ制球できていれば十分すぎる
というのが素直な感想です。
それに加えて変化球も
全ての球種のクオリティが高く、
文句無しの投球なわけですが、
ここで疑問として挙がるのは
「この制球力は上振れ?実力?」
という点でしょうか。
![](https://assets.st-note.com/img/1716091295004-RHm4yzRNIn.png?width=800)
武器は制球力、とは言え
流石にこの日の制球は出来すぎで
平均値はもう少し下なのでは?
と思わせるほど神がかっていたので…。
この日に近い制球力を
コンスタントに再現できるのであれば
相当やってくれそうという期待はありつつ
制球に乱れが生じていくと
普通にストレートをガンガン打たれそうだし
一軍で投げていくにあたって
アベレージの制球力がいかほどか?
というのが今後の注目ポイントとなりそうです。
結局まっすぐの懸念は拭えてないけど
制球力で十分カバーできるし
それを実現できるコントロールは備えている
というのが確認できたのは大きいかなと。
今後も注目して追っていきたいと思います。
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