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手にしている、ゆたかさ

新型肺炎の影響もあって10年ぶりに実家暮らしを始めた。両親と生活するようになって1ヶ月。少し体力が落ちてきた両親の代わりに、畑仕事や草刈り、家事に片付けなんかを、日々続けている。

もし新型肺炎の影響がなければ、実家に戻るのは両親が倒れた時だったかもしれない。その時になって「親が元気なうちにもっと親孝行すべきだった」と、どんなに後悔しても時間を戻すことはできない。

もちろん新型肺炎が、日本だけでなく世界に与えた影響は甚大で、できることなら、こんなウィルスが流行しないのが一番だ。だけど、起こってしまったことをいつまでも嘆いていても、ちっとも建設的じゃないし、誰のプラスにもならない。それより、自分が置かれた状況をポジティブに捉えて、自分にできることを淡々とやるしかない。

今日のランチは私が作った。喫茶店好きの両親が、家でも喫茶店気分を味わえるように、美味しいホットサンドの作り方を日々研究中なのだ。今日の出来は上々で、両親も笑顔でホットサンドを食べていた。

きっと大事なことは、自分に無いものを羨んだり、嘆いたりすることではなく、何を持っているか、それが自分にとってどんなに価値があるかに気付けるかなのだと思う。

田舎で両親との生活を始めてから、草刈機の使い方をマスターし、車の運転練習を再開し、いつか読むつもりだった本を読み始めた。日々、自分ができることが増えているのが純粋に嬉しい。そして副次的に、それが自分以外の人のためになるのなら、こんなに良いことはない。

手にしたものや状況をきちんと観察して、ポジティブな側面を見出すこと。今の自分にできることや、今出来ないことを未来の自分が出来るための日々の小さな努力にフォーカスすること。

自分以外の人に過度に期待せず、自分にはとびきり期待できること、それはとても幸せでゆたかだと思う。

そんな自分になれるよう、今日も淡々と。

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