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「はあちゅう」のクレドを書いてみた

友人としては大好きで、仕事人としては尊敬している料理家のSHIORIさんがビジネス書を出した。著者累計417万部超え、生徒数1万人のオンライン料理教室を主催する大ヒットメーカーによる初のビジネス本。実績だけを見ると順風満帆に見える彼女の、表には見せてこなかった葛藤や泥臭い努力、ここ数年の変化がまっすぐな文章で書かれていて、読者に勇気を与える内容だった。

私自身は、妊娠出産によるライフステージの変化によって男性著者のビジネス本が参考にならなくなったと感じていたから、年齢も近く大きな成功を収めていながら、家族の幸せを諦めないSHORIさんの本を、救いを求める気持ちで読んだ。

我が子やパートナーを犠牲にせずにお金を稼ぎ、社会から評価を得ることは本当に難しい。どうしたって男女不平等や両立の難しさを感じる中で、家族や自分の幸せを後回しにしない彼女の仕事論を改めて学ぶことは、私自身の仕事スタンスを見返すきっかけにもなった。

本の中で彼女は、主催するコミュニティ及び運営スタッフに向けて「クレド」を掲げていることを明かしていた。賛否両論ある状況で、判断に迷ったら必ずクレドに立ち返るとのことで、たとえば、コミュニティに向けては「シェアマインドを大切にしよう」など10のクレドがあるらしい。これを読んで、私も自分自身の「クレド」を作ろうと思った。

今までの発信において個人的に意識していたことはいくつもあったけど、ちゃんとリスト化したことは無いので、ここにまとめてみる。

ちなみに、私が発信初期から掲げている「人生全部コンテンツ」「半径5メートル」はファンの人には結構認知してもらえている言葉だ。「人生全部コンテンツ」は、当たり前で代わり映えの無い自分の日常の中にも、必ず発見や物語があるから自分の人生を面白がろう、という意味で使っている。そして「半径5メートル」は「自分にとっての半径5メートルは、隣の人の半径5メートルは違う景色だから、それぞれの半径5メートルを大事にしながら、お互いの半径5メートルを融合し、世界をどんどん広げていこう、という意味だ。

ただ、これらは自分のコンテンツの特徴を表現したスローガンであって、仕事の判断基準になる「クレド」ではない。補足すると、スローガンは組織外、クレドは組織内におけるビジョンの浸透を目指すものらしい。

私のクレドは、3つにまとめられる。「人生全部コンテンツ」だからといって「面白ければなんでもいい」わけではない。若い頃は毒のあるものにも惹かれたけど、その毒で時に誰かを傷つけたし、自分も傷ついた。今の私が大事にしたいのは、穏やかな日常の中にある面白さだ。

だから、クレドの1つめは「日常に寄り添う楽しさを届ける」

人間にはベースの感情が「楽しい」の人と「つらい」の人がいるように思う。そして、私はベースが「つらい」ほうの人間だ。けれど、つらいからこそ、楽しいこと集めに必死になっている。「ささやかな楽しさをかき集めて、嫌なことをかき消していこう」という言葉をここ最近何度か使ったけれど、こんな世の中でも、楽しいことはある。「これ食べたい」とか「ここ行きたい」とか「こんなことしてみたい」という目先のちょっとした欲は、そのまま生きる意欲に変わってくれる。だから、私は、私自身の日常に彩りを加えてくれたものを紹介する発信に軸足を置いている。日々、様々な理由で疲れている人が「次の休みにこれをしてみよう」と思える、無理のない提案やシェアが今の私の発信の中心だ。

(▼週末野心手帳も、同じコンセプトです)

2つめは「見る人の人生がポジティブな方に向かう発信をする」

前述したが、若い頃は自分の「面白い!」という感覚が最優先で、それを拡散した時に、見た人や当事者がどんな気持ちになるかまで、きちんと考え尽くせていなかった。今でもまだ不十分なところはあるだろうけど、出来る限りの想像力を働かせるように心がけている。

私の今の発信軸はインスタで、14.3万人というフォロワー数は、SNS有名人が大勢いる中で、そこまで目立つ数字ではない。けれど、無視していいような少ない数字でもない。自分の発信がそれだけの人の気持ちや考えに影響することへの自覚を持っておきたい。

「見た人に、どんな気分になってもらいたいか」を考えた時、ゴシップの拡散が発信内容から外れることは言うまでもない。私の管理する場所は、私自身が、楽しいと思ったことやお得に感じたことを中心に、気づき、共感、応援、情報を届け合う場所にしたい。

それらを踏まえて、3つめは「それは、ファンのためになるのか」

ファンというのは、ここでは、私のことを大事に思ってくれる人や、私の普段の発信内容を楽しみにしてくれる人のことを指す。つい最近、受けても受けなくてもどちらでもいい内容の依頼が来たので「それはファンのためになるのか」という視点で判断して、お断りすることにした。

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