見出し画像

『エヴァンゲリオン』最高。

出典: エヴァンゲリオン公式Twitter

エヴァンゲリオン』を見始めたのは最近だ。きっかけはこの映画を観たかったから。多くの人を魅了する作品に興味があったから。観終わった今、本当に出会えてよかったと心から思う。アニメで1番好きになった。

これだけ愛されて、長く続いてきた作品。生まれただけでもすごいのに、ラストをこれほどまで考えて、向き合って、終わらせてくれた感謝。

ラストはない、続いていく、といえば聞こえがいい。でもしっかりと幕を引いてくれることの凄さ。

物語において「ご想像にお任せします」という終わり方は最低だ。どこまでもどこまでも引きずって、足枷となる。
私が小学生の頃、好きだった作品は未だに未完だ。これほど悲しいことはない。

しっかりと終わらせた上で次世代へ引き継いでくれて有難うございます。区切りをつけてくださって有難う。これで一歩踏み出せます。

庵野秀明監督、関係者の皆さま、素晴らしい作品を有難うございました。
これからも観続けます。

母親 親子 大人 次世代 

作品の対比や緩急がすごすぎた。
穏やかな前半に比べて、激しい後半のバトル。自然とテクノロジー。綾波レイの変化。ラストの違い。
キャラクターそれぞれに正面から向き合って描ききっていた。

旧版の終わり方も大好きだ。でも今作の終わり方は本当に素晴らしかった。好きだ。泣いた。次世代へ続いていく、終わらない物語。

本当に作画が美しかった。エヴァンゲリオンの魅力は、機械的なごちゃごちゃした街並みと、夏の日本の自然の風景の調和だと思う。
エヴァにしかない魅力。
今回は特にノスタルジックだった。閑散とした廃墟と夏の風景。田んぼや海や山や川。
生きようとする人々と死んだ街。その風景にはそぐわないハイテクな機械。
人間以外の生き物があまり出てこないエヴァの中で、今作に出てきた犬や猫は生命が繋がっていく感じがした。

綾波レイが、とにかくかわいかった。正直、私はアスカとミサトが好きだったけれど、今回ばかりは綾波が1番可愛かった。今までの綾波の中で1番可愛かった。旧版にはない、無垢で、新しいものを素直に受け入れていた。赤ちゃんと綾波は同じだ。生まれたばかりで純粋だった。制服を着る姿が尊かった。

トウジやケンスケや委員長も成長していて、包容力がすごくあった。言葉に重みを感じた。みんな優しかった。大人になるということ、どういうことか考えさせられた。何も知らない次世代の子どもたちに教育すること。不安定な子どもを支えること。

カヲルくん。いつでも、いつまでも優しいカヲルくん。誰よりもシンジを理解してくれるカヲルくん。カヲルくんに幸あれ。

加持リョウジの目的がよく分かんなかったけど、今回はじめて理解できた。多様な生物と共存すること。繋げていくこと。生きるということ。

音楽も綺麗だった。前作の童話より、旧版のクラシックの方が好きだなと思ったりしたけど、今回はしっくりきた。宇多田ヒカルの歌は最高。エヴァも最高。

碇ゲンドウとは。不器用な男すぎる。
かつて孤独を愛し、ユイに出会い、失った。寂しさに気づき、孤独を恐れ、もう一度会おうと人類補完計画。

最終局面、ゲンドウは死にシンジは父を殺すんだろうなと思ったけど、全く違った。
「母さん、そこにいたんだね。」からの「父さんは、このときのために母さんを見送りたかったんだね。」

会いたいだけかと思っていた自分の考えの浅はかさ。死ぬ時にそばにいてあげたい。ユイを大切に思うからこそ、シンジを見守るユイの最後を見守る大きな愛情。正直今までエゴだとか思ってたけど、納得してしまった。少なくとも小さい男なんかではない。


ミサトさん。愛情が深すぎて泣いた。母親になり、加持の思いを繋ごうという意志。『Q』でもシンジが綾波を救いたいとエヴァに乗ったとき、「自分のために行きなさい」と強く背中を押してくれたミサトさん。誰よりも愛情深いお姉さん。
世代と世代をつなぐバトン。

悲しいけど別れは必ずくるんだね。でも終わりじゃなくて、はじまりだ。
あのシンジくんが大人になった。みんな大人になった。当時から観ていた少年少女も大人になった。エヴァは終わりなんだ。でも次の世代にずっと続いていくんだね。

この記事が参加している募集

#映画感想文

67,900件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?