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【記録】武見敬三・厚生労働大臣 定例記者会見Q&A (新型コロナ・ワクチン関連質疑)


(注)厚労省が公開した会見概要とほぼ同じですが、録音に基づき再現したものがあり、一部異なります。

2月16日(金)記者会見

(注)質問事項は事前通告した。

筆者 新型コロナワクチンの健康被害救済制度についてお尋ねします。

 大臣はこの制度について、昨年10月24日の記者会見で「予防接種法に基づく予防接種後の健康被害について、極めて稀ではありますが不可避的に生ずるものであるため、予防接種と健康被害との因果関係が認定された方を幅広く救済することを目的として、被接種者や遺族が申請を行うものとされています」と説明しておられます。

 そのことを踏まえての確認ですが、新型コロナワクチンの接種に関連して、疾病・障害認定審査会が死亡一時金・葬祭料の給付を認定した件数は2月9日までに453人であると承知しています。

 この453人の方々は、専門家委員による医学的見地に基づく審査を踏まえて、国、厚生労働省が公式に予防接種と死亡の因果関係を認定した方々であるという理解で間違いないでしょうか。

大臣 予防接種健康被害救済制度では、疾病・障害認定審査会において、厳密な医学的な因果関係までは必要とせず、接種後の症状が予防接種によって起こることを否定できない場合も対象とするとの考え方に基づいて審査が行われています。

 その分、弾力的な対応になっているということは申し上げておきたいと思います。

記者 公式に国、厚生労働省が予防接種と死亡の因果関係を認定した方々という理解で間違いないでしょうか。

大臣 ここは、厳密な医学的な因果関係までは必要としなくても、接種後の症状が予防接種によって起こることを否定できない場合も対象とするという考え方です。

 ここがおっしゃっているところと私との見解の違いです。

記者 大臣が元々「予防接種と健康被害との因果関係が認定された方を救済する制度」だとご説明されていたので伺ったのですが、次にお尋ねしたいのが、一般の方々向けの「新型コロナワクチンQ&Aサイト」というものがあります。

 この中に「新型コロナワクチンの接種が原因で多くの方が亡くなっているというのは本当ですか」というページの中で、副反応疑い報告制度で死亡との因果関係が否定できないとされたのは2例で、その他の事例では因果関係が認定されていないと説明されています。

 ここで健康被害救済制度における453件の認定に触れていないのはなぜでしょうか。

 私の理解では、副反応疑い報告制度はそもそも、全死亡報告例の因果関係を個別に審査する体制が取られていないと思われますが、一方でこの健康被害救済制度ではそうした体制を取っておられると思います。

 国が認定しているのは2例だけであるかのような誤解も生じるかと思いますので、正確な情報を伝えるという観点から、ここの記載の改善が必要ではないかと感じるのですが、大臣のご見解をお聞かせください。

大臣 Q&Aですが、この記載は健康被害救済制度とは異なる、副反応疑い報告制度により収集したワクチン接種後の死亡事例について、審議会において医学・薬学的な観点から総合的に評価がなされた結果を記載したもので、先に申し上げた厳密な医学的な因果関係までは必要とせず、接種後の症状が予防接種によって起こることを否定できない場合という考え方と、ここが違います。

 したがって、その点この2名のこうした副反応疑い報告に関わる結果、このようなかたちで出てきているということをご説明しておきたいと思います。

記者 かつて健康被害救済制度で健康被害を認定された方には被害者・遺族に対して個別にお見舞い状、お見舞いのことばと題したお見舞い状が送られていたと聞いています。

 一方、今回の新型コロナワクチンで被害認定された方や遺族のお話しを伺いますと、大臣をはじめ国からは何も届いておらず、自治体の事務的な通知しか届いていないと聞いています。

 法律上、厚生労働大臣が健康被害を認定した方を救済する「国の制度」だと認識していますが、事実関係の確認として、これまでコロナワクチン接種で被害認定された方に対して、個別に大臣が直接お見舞いの言葉などを送ったことはあるのかどうかと、この件についての大臣のお考えをお聞かせください。

大臣 かつては、予防接種健康被害救済制度の認定をされた方に、書面でお悔やみのことばやお見舞いのことばを送付していたと承知しています。

 現在は、このような個別に書面でのお悔やみのことばやお見舞いのことばの送付は行っていませんが、厚生労働大臣として、新型コロナワクチン接種後に健康被害を受けられた方にお悔やみやお見舞いを表明してきているということを実際にはさせていただいております。

 ただ書面にはなっておりません。

 引き続き、コロナワクチン接種後に健康被害を受けられた方への迅速な対応は、必ずしていきたいと思っています。

記者 個別に書面等をお送りするお考えは今のところないということでしょうか。

大臣 今のところはございません。

3月12日(火)記者会見

(注)質問事項は事前通告しなかった。

筆者 予防接種の健康被害救済制度についてお尋ねします。

 この制度では、厚生労働大臣が接種による死亡と認定された方に対し、死亡一時金と葬祭料が支給される制度になっていると承知しています。

 ただ、この死亡一時金については、支給対象が配偶者と、亡くなった方と生計を同一にしていたご遺族に限られるというルールになっています。

 例えば、親から独立して生計を営んでいる独身の方、こうした方が予防接種の健康被害で亡くなった場合、親や兄弟などのご遺族がいたとしても死亡一時金は支払われないということになっています。

 支払いの範囲となるのはあくまで親などご遺族が亡くなった方と同一の生計、生計を同一にしていた場合に限られるということで、実際に死亡の認定を受けてもご遺族には死亡一時金は支払われず、葬祭料、現在21万2千円ですね、死亡の認定を受けてもこの葬祭料だけが支給されるというケースも一定数あると承知しています。

 このように死亡一時金の支給対象を限定するルールというものを、大臣はご存じでしょうかということと、このようなルールが合理的だと思われるかどうかということについて、大臣のお考えをお聞かせいただけますでしょうか。

大臣 (隣の厚労省職員が大臣に近寄り耳打ちした後に答える)

 ご指摘の実際に亡くなられた方に対するそうした政府からの資金というのは、確かにそのような条件の中で配布されているようでございますが、実際に、こうした条件というものの適用についてはやはりその都度、その感染症の深刻度、それからひろがり、そうしたものを考えながら実際に運用していくときにその範囲を決めていくことが適切だろうと思います。

 一応の基本原則はきちんと作っておきながらも、そうした中で今コロナの終息期に入って、実際にコロナのワクチンを通じて現実に起きている副反応、これについてはやはりしっかりと、検討を継続させていきながら、その運用の仕方についても適切であるかどうか、これは私も常に注視しながらやっていきたいと思います。

 (再び隣の厚労省職員が大臣に近寄り耳打ちする)

筆者 今のご説明もひとつわかるんですが、これは新型コロナに限らず、今の予防接種の健康被害救済では他のワクチンに関しても同じルールになっておりまして、ご遺族の中で、全てのご遺族ではなく生計を同一にしている遺族だけに死亡一時金を支払うというルールが、これは予防接種法の施行令という政令で、そう限定するルールが定められています。

 私は比較的最近それを知ったのですが、そうした生計を同一にしていない遺族には支給されないということ、率直に大臣がそれをお聞きになって、そういうルールは妥当だと思われるでしょうか。

大臣 まず第一に支給されるべき対象が、世帯(注:「生計」の言い間違いだったとして厚労省のサイトでは修正)を同じくする方となることは私は明白だろうと思います。

 その上にさらにその補償というものを他の家族の方々にも支給するべきであるか否かという判断に関わるところです。

 現状においては、実際に生計を同じくする方を対象としているということは、この3年間のコロナの状況を見ながら判断したことであり、現状においてはそれは適切だろうと思います。

3月19日(火)記者会見

(注)質問事項は(3月13日)事前通告した。

筆者 予防接種の健康被害救済制度についてお尋ねします。先週私から、死亡一時金は配偶者及び亡くなった方と生計を同一にしていたご遺族に限って支給することになっている点について大臣の所見を伺いました。

 その際大臣からは、その感染症の深刻度に応じてその範囲や運用を決めていくべきであろうとのお考えが示されました。

 ただこの予防接種法施行令を見ますと、感染症や予防接種の種類に関わらず、従来から一律に支給範囲を定めています。

 大臣はこれまでのルールや運用については見直しが必要だとお考えでしょうか。

 また厚生労働省は従来なぜ生計を同一にしていた遺族かどうかということを区別して支給していたのか、合理的な理由についてもご説明いただけますでしょうか。

大臣 まず厚生労働大臣として新型コロナワクチン接種後の健康被害でお亡くなりになられた方々にお悔やみ申し上げ、健康被害を受けた方々にはお見舞いを申し上げたいと思います。

 この予防接種健康被害救済制度における死亡一時金についてのご質問ですが、特にご遺族に対する生活保障の観点を踏まえ、予防接種を受けたことにより死亡した方のご遺族に対して支給するものであり、この配偶者以外のご遺族については生計を同じくしていた者に限って支給するものとなっています。

 一方、葬祭料については葬祭に要する費用の補填としての性格を踏まえ、予防接種を受けたことにより死亡した方の葬祭を行う者に対して支給されるものであり、ご遺族以外の方であっても実際に葬祭を行った場合は支給されます。

 このように実際に給付の性格の違いによって支給する対象が異なっていることが現在の制度設計となっており、この制度設計については、現在これは適切であると私は考えています。


(注)筆者は3月19日に質問の事前通告をしたが、その後、3月29日まで3回連続、定例記者会見がフリーランスが参加できない国会内で行われ、質問機会がなかった。


4月2日(火)記者会見

(注)質問事項は(3月19日)事前通告した。

筆者 予防接種の健康被害救済制度の死亡一時金の支給範囲についてお尋ねします。

 先般3月19日の会見で、大臣は死亡一時金について、配偶者と、亡くなった方と生計を同一にしているご遺族に限って支給することになっている、その理由について「ご遺族の生活保障の観点を踏まえて」とのご説明がありました。

 しかしながら、生計を同じくしていた遺族には、亡くなった方を扶養していた遺族も含まれている可能性があります。定期接種B類で支給される遺族年金は、亡くなった方によって「生計を維持している」遺族に支払うとなっており、「生活保障」の観点から決められた要件だとわかりますが、今回の死亡一時金では、生計を維持していた遺族とはなっていません。

 例えば、こどもから扶養されていた高齢の方が接種で亡くなった場合、こどもに死亡一時金が支払われる可能性があります。親から独立して生計を営んでいた若い独身の方が亡くなった場合に、死亡一時金は支払われないことになると思います。

 国をあげて接種勧奨をしたにも関わらず、死亡一時金が支給されない遺族がこのように発生する現在のルールが果たして合理的なものと言えるのかどうか、改めて大臣のお考えをお聞かせください。

大臣 先日も申し上げたとおりだと思います。

 予防接種健康被害救済制度における死亡者遺族への給付は、遺族に対する生活保障の観点を踏まえ、配偶者以外の遺族については生計を同じくしていた方に対して支給するものであるということとなっています。

 この点は、新型コロナの特例臨時接種でも、A類疾病やB類疾病の定期接種でも考え方に変わりはありません。

 ご質問で言及されたB類疾病も、仮に遺族が死亡者に生計を維持されていなかったとしても、生計を同じくしていたならば、遺族一時金が支給されます。

 それに加えて、新型コロナワクチンの特例臨時接種やA類疾病の定期接種においては、B類疾病にない接種勧奨や努力義務を伴っていることから、生計維持関係の如何に関わらず、B類疾病よりも手厚い給付を行っているものでございます。

 このように、予防接種健康被害救済制度では、疾病類型ごとに給付の額などは異なっていますが、死亡者遺族に対する給付の対象を生計同一の遺族としているということは、他の公的給付制度においても一般的であることから、その運用は適切であると考えています。


(注)4月2日の会見の後、筆者は4月8日に質問の事前通告をし、4月9日の厚生労働省内の記者会見に出席したが、時間の関係で筆者の質問機会はなかった。その後、5月17日まで7回連続、定例記者会見がフリーランスが参加できない国会内で行われ、質問機会がなかった。


5月21日(火)記者会見

(注)質問事項は(4月8日)事前通告した。

筆者 予防接種の健康被害救済制度について伺います。死亡一時金が配偶者のほかは生計を同じくしていた遺族にのみ支給されるという現在の運用ルールについて再度お尋ねします。

 時間が空きましたが、4月2日の記者会見の際、大臣から「死亡者遺族に対する給付の対象を生計同一の遺族としているということは他の公的給付制度においても一般的である」とのご説明がありました。

 ただ、所管は異なりますが、公害の健康被害者遺族への「遺族補償一時金」、犯罪被害者の「遺族給付金」は、「同一生計の遺族」がいない時でも他の遺族に給付される仕組みになっているようです。

 他方この予防接種の健康被害救済制度では、接種で亡くなった方が1人暮らしで、配偶者も「同一生計の遺族」も1人もいないときは、両親や子供など遺族への国の補償が0となってしまいます。

 周囲に感染させないためという社会防衛的見地から勧奨した予防接種のために犠牲になった方への救済として、これで十分に適切だとお考えでしょうか。改めて大臣のお考えをお聞かせください。

大臣 この予防接種健康被害救済制度における死亡者遺族への給付は、遺族に対する生活保障の観点を踏まえ、配偶者以外の遺族については、生計を同じくしていた方に対して支給するものという位置付けになっています。

 この給付は、生活に一体性があった遺族が受けた損失を補填する趣旨で生計同一の遺族を対象としているところであり、この考え方は不合理なものとは考えておりません。

筆者 4月17日にコロナワクチンの遺族の方々による集団提訴がありました。その後の会見では訴状が届いていない段階でコメントをされていましたが、もうすでに訴状は届いているかと思いますので改めてお尋ねします。

 今回提訴されたのは、いずれも健康被害救済制度において被害の認定を受け、一定の補償、給付を受けた遺族や被害者の方々と聞いています。

 にもかかわらず、今回の提訴に至っているわけですが、大臣はその訴えをどのように認識し、今後どのような姿勢、方針で対応されていくお考えでしょうか。お考えをお聞かせください。

大臣 現時点で訴状を受け取っておりませんので、詳細を把握していません。いずれにしても、係争中の案件についてはコメントは差し控えます。

記者 まだ受け取っていないということですね。

大臣 はい。

7月2日(火)記者会見

(注)質問事項は事前通告した。

筆者 フリーの楊井と申します。よろしくお願いします。

週刊東洋経済の今週発売号で、医療情報をめぐる特集記事がありました。ワクチンについて異議を唱えた動向が次々と削除されているという問題が指摘されております。

その記事で取り上げられたYouTube公式ブログには、YouTubeに優先的に通報できる「優先報告者」というプログラムがあり、日本の厚生労働省や専門家の意見を取り入れた旨、書かれています。

まず確認なんですが、厚労省はYouTubeの「優先報告者」に参加していたのか、教えてください。

大臣 今週は発売の週刊東洋経済において 医療情報をめぐる特集記事があったということについては承知しております。

お尋ねのYouTubeの優先報告者のプログラムについて、 厚生労働省としてこれまで参加していた事実は確認されず、また現在参加しておりません。

筆者 もう一つ関連ですが、厚労省は2022年にコロナワクチンの推進を担っていた「こびナビ」という民間団体に「上手な医療のかかり方アワード」厚生労働大臣賞を授与されていました。

今回の東洋経済の記事で、この団体が、政府がですね、偽情報を監視して発信者をSNSから追放する「デ・プラットフォーム」(deplatform)を提言したり、あるいは自らもYouTubeの先ほどの「優先報告者」となって、ワクチンに関する通報に関与していたことを、その記事では明らかにしています。

厚労省は、この「こびナビ」という団体のそうした取り組みについて、是認する、奨励するお立場だったというふうに理解してよろしいのでしょうか。

大臣 この「こびナビ」ってのはですね、2022年の第3回「上手な医療のかかり方アワード」において厚生労働大臣賞を受賞したいうことは承知しております。

これ、新型コロナウイルスやワクチンなどに関して、ホームページなどを通じた多様な専門家による情報発信や自治体向けのガイドブックの発行など、 広く啓発活動を行ったことが、医療のかかり方の改善につながるものと評価されたものということであります。

ご指摘の「デ・プラットホーム」などの取り組みというのは、厚生労働省としては把握をしておらず、そのような取り組みに対して厚生労働大臣賞を授与したものではないということであります。

7月26日(金)記者会見

(注)質問事項は事前通告した。

筆者 急性呼吸器感染症(ARI)を感染症法上の「5類感染症」に追加する方針についてお尋ねしたいと思います。

現在、省令改正のパブコメが行われてまして、そこで明確には説明されていないようなのですが、 従来の風コロナウイルスによる感染症を5類に位置づける変更だというふうに理解してよろしいのでしょうか。そうだとすれば、風邪を今回、5類に格上げする目的はなんでしょうか。

また、これによってですね、他の感染症と同じように、今後はその風の流行状況をいちいち発表したりですね、 あるいはその医療機関や国民生活に影響が出ることも予想されます。今回の位置付け変更によってどのような影響が出るのか、教えてください。

大臣 今月開催をいたしました感染症部会におきまして、この季節性インフルエンザ、 それから新型コロナウイルス感染症など、個別に把握している感染症以外の急性呼吸器感染症の発症、発症時状況を把握をし、平時より呼吸器感染症の包括的なリスク評価を行うために、感染症法等の「五類感染症」に位置づけました。

これは、平時より呼吸器感染症の包括的なリスク評価を行うためであります。国際基準に準じまして、急性呼吸器感染症を一体的に把握する体制を整備する方針もそこで了承されております。

今後は、報告を求める具体的な症例について検討することとされておりますけれども、この定点医療機関が報告すべき対象が追加されることになるため、 詳細が決まり次第、定点医療機関における報告に関わる事務負担についても配慮をしつつ、定点医療機関に対して、ご理解、ご協力を促していきたいと考えています。

筆者 今の答えですと、従来の風邪のコロナウイルスは入ってるんでしょうか、入っていないんでしょうか。今回パブコメで付されている案ですね。

大臣 従って、これ平時より呼吸器感染症の包括的なリスク強化を行うためと、平時よりの包括的な感染症のリスク評価という点がその基本的な考え方であります。

筆者 今、国民に意見募集を求めてらっしゃるわけですので、そこは明確に、 今回の改正によって従来の風邪が「五類」に入ることになるのか、入らないことになるのか、そこは明確にご説明いただけないでしょうか。でないと、意見募集をされてる意味が、ちょっと意図がわからなくなってしまうんですが。

大臣 あの、急性呼吸器感染症とはですね、急性呼吸器感染症は、急性の上気道炎(鼻炎、副鼻腔炎、中耳炎、咽頭炎、喉頭炎)あるいは下気道炎(気管支炎、細気管支炎、肺炎)を指す病原体による症候群を総称を総称してこの急性呼吸器感染症と言います。 新型コロナウイルス感染症とは異なる、風邪の原因となるコロナウイルスもここに含まれます

筆者 はい、ありがとうございます。「含まれる」というふうにお聞きしました(注:武見大臣うなづく)。ありがとうございます。

8月2日(金)記者会見

(注)質問事項は事前通告した。

記者 現在パブリックコメントがなされている感染症法の省令改正案についてお尋ねします。

今回の変更は、急性呼吸器感染症(ARI)のうち、これまで5類に指定されてなかった風邪全般を5類に指定して、特定感染症予防指針の対象にも含めるという趣旨だと理解しています。

軽症の風邪を今回サーベイランスの対象にすることのメリット、あるいは費用、費用対効果をどう見積もっておられるのか教えてください。

また特定感染症予防指針の対象に今回風邪を入れるということですけれども、今後、風邪を予防するためのワクチン開発ということも視野に入れておられるのか、これも教えてください。

大臣 急性呼吸器感染症を感染症法の5類感染症に位置付けることで、新型コロナウイルス感染症等、個別に把握している感染症以外の急性呼吸器感染症についても、平時から探知できる体制整備が可能となります。

この結果、個別に把握していない急性呼吸器感染症についても、迅速に適切な感染症対策の検討を行うことに繋がると考えています。

定点医療機関における報告に係る事務負担やサーベイランスに係る費用にも配慮しながら、報告を求める具体的な症例について検討を進めたいと考えます。

また、急性呼吸器感染症についても個別の対応について定める特定感染症予防指針を今後策定する予定でありますが、同指針に記載する事項であるとか、ご指摘の「風邪のワクチン開発」に関しては、対象となる感染症の特性も踏まえて引き続き検討していきたいと考えています。

記者 これまで個別に把握していなかった急性呼吸器感染症を見つけるためにサーベイランスを行うということかと思いますが、現実には、それは個別に今まで5類に指定されていなかったものは、いわゆる風邪になるかと思います。

いわゆる風邪、200種類以上の原因ウイルス、病原体があると言われていますが、そうしたものを今回全部把握できるような体制にするということかと思います。

相当負担が大きくなるのではないか、費用もかかるのではないかと思いますが、そのあたりはどのように見積もっておられるのでしょうか。

大臣 急性呼吸器感染症というものは、急性の上気道炎は鼻炎とか、副鼻腔炎とか、中耳炎、咽頭炎、喉頭炎、下気道炎は気管支炎とか、細気管支炎、肺炎を指す病原体による症候群の総称を言います。

新型コロナウイルス感染症とは異なる「かぜ」の原因となるコロナウイルスもここに含まれます。

おおよそですね、5類の対象となる急性呼吸器感染症の中にいわゆる風邪コロナも含まれうるんでありますが、引き続き定点医療機関における報告にかかわる事務負担やサーベイランスにかかる費用にもしっかり配慮しながら、報告を求める具体的な症例について検討を進めるという立場です。

記者 費用がどれくらいかかるのかということはまだ見積もっていないということですか。

大臣 それはまだ現在検討中ですので、そこまでやっているわけではありません。

記者 先ほど大臣のお答えにありました特定感染症予防指針は個別に決めていないということですけども、場合によってはこれまで対象になってなかった風邪コロナに関するワクチンを作るということも視野に入っているとお聞きしてよろしいでしょうか。

大臣 今般の急性呼吸器感染症を5類に位置付け、特定感染症予防指針の対象とする方針というものは、ワクチンが有効な感染症である場合にはワクチン開発も検討されますが、いずれにせよ急性呼吸器感染症に関する特定感染症予防指針に記載する事項、ワクチン開発の方針についてはこれから引き続き検討していくということであります。


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