トレランかトレイルランニングか、Google トレンドでキーワード分析をしてみた!そして、あの名曲「天城越え」がトレランだったわけ!
僕が「トレラン」を使いたがらない理由
なんでも略すのがお好きな国民性を持つ日本人ですが、略語の目的は、語の長さを短縮することにあったり、特定グループ内だけで通じる内輪の共通言語化であったり、格式ばった言葉をカジュアルに使いやすくする効果もあったり、外国語をカタカナ語に変換して日本語化するなど、理由はさまざまです。
ラジオ・カセットテープレコーダー → ラジカセ
テレビジョン → テレビ
チューインガム → ガム
のように、一つの単語を略すこともあれば
リモートコントロール → リモコン
通信販売 → 通販
うなぎどんぶり → うなどん
サラリーマン金融 → サラ金
のように、2つの単語が組み合わさってできた言葉を、前後二つの要素から取り合って略すことはよくあります。最初は違和感を覚えていても、定着してしまえば馴染むものでもあります。
さて、そんな言葉の略称の中で、僕が趣味としているスポーツのトレイルランニングも最近では「トレラン」として少しずつ一般化されてきていて、この山を走るアウトドアアクティビティへの認知度が広まってきているとことを実感します。
ただ、この「トレラン」には違和感があって、個人的にはほぼ使いません。「トレ」ってなんだ?と。別にいいじゃねーか!と言われたらそれまでですけど、略すとき3文字か4文字(あるいは3音か4音)だと耳馴染みも良くて、覚えてもらえやすい。という法則を聞いたことがあって、リモコンと同じように「トレラン」と略した呼び名は最適そうです。
とはいえ、ライターという職業病も相まって、「トレ」ってなんやねん!略せてない!と思ってしまうんですね。会話する時はもちろん、文章にするとき、確かに「トレイルランニング」だとちと長い。でも、「トレラン」は使いたくない。そう思っていた僕は長い間「トレイルラン」と略してきました。
世間のトレンドではどう使われてきたのか?
いや、もう、どうでも良いネタなのかもしれませんけど、「トレイルランニング」なのか、「トレラン」なのか、はたまた「トレイルラン」なのか、世間のトレンドはどうなっているのか気になってしまった僕は、Googleトレンドで調べてみることにしました。
期間を、のちのランニングブームを引き起こす東京マラソンが初めて開催された2007年(1/1)から2023年(1/1)の14年間に設定。「トレイルランニング」「トレラン」「トレイルラン」の3つのキーワードで同時検索してみたのが上のグラフです。
2000年代は「トレイルラン(黄)」がトレンドキーワードとしては優勢で、「トレラン(赤)」はあまり使われていませんでした。100マイルレースの火付け役となったUTMFが開催された2012年過ぎから「トレラン(赤)」が追いつき、2015年以降は「トレラン(赤)」での検索が最も使われ、「トレイルランニング(青)」は2014年をピークに右肩下がりの下落トレンドとなっていました。
意外だったのが、「トレイルラン(黄)」が「トレイルランニング(青)」よりも検索キーワードとして使われていることと、初めて緊急事態宣言が出された2020年4月を底値に「トレラン(赤)」が上昇トレンドになっている点です。
僕が「トレラン」を世間一般に浸透していると確信した瞬間
さて、検索ワードとしての「トレラン」はデータとしても上昇中であることはわかりましたが、肌感覚的に世間一般に浸透していると確信した瞬間が僕にはありました。それは2020年5月1日に公開された歌手・広瀬香美さんのYoutube動画です。
視聴者のリクエストに応える形で、広瀬香美さんが「天城越え」を楽曲として解説し、そして、広瀬香美節全開で歌い上げる、そのあまりに自由な歌いっぷりに100万回再生を超えた動画の開始1分ちょっとで、彼女はっきりとこう言っています。
『天城越えはトレラン!』
彼女曰く、名曲「天城越え」のメロディーは登っているだけの山登りなのではなく、激しくアップダウンを繰り返すトレイルランニングのようだ!と例え、ピアノを弾き語りながら解説していくわけですが、彼女の口から「トレラン」という単語が出ることに驚いてしまったのと同時に、世間一般に浸透しているんだと感じたことをよく覚えています。
まだほとんど知られていない2000年代からトレイルランニングを愛好している者として、この新しいスポーツは誤解や逆風も浴びながらも、少しずつ存在を理解してもらっていることはとても嬉しく、4文字(4音)で略された「トレラン」がもっと一般化したらいいなと思うのでありました。
それでは最後に、「あなたを殺して、いいですか?」をこんなにカジュアルに歌う人を見たことがない『天城越え』を皆さんと歌って終わりましょう。
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