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ランナーはマスクしろ!問題の空気が懐かしく感じるトレイルランナーの雑感

タイトルの通り、「ランナーのマスク問題」があちこちで物議を醸しています。誰が、何を根拠に言い始めたのか、そこから紐解きつつ、この協奏曲をトレイルランナーの視点から眺めてみたいと思います。

4月の頭だったか、ランナーから発せられる呼吸によって飛沫が飛び散り、10mの間隔は空けた方がいい!というような研究結果が出され、一気に拡散されたことがありましたよね。ことの発端はここでしょう。

【10mは、誰が言い始めたのか?】

これは、オランダのアイントホーフェン工科大学とベルギーのルーベン・カトリック大学の研究者らによってなされたもののようで、PDFが公開されています。

いわゆる「ソーシャル・ディスタンス」(社会的距離)を考察したものですけど、正しくいうと、社会の距離じゃなく、身体的な距離だと兼ねてから僕は思っていたので、「フィジカル・ディスタンス」と捉えているのですが、この研究には、いくつか注釈を設けて受け取る必要があります。

①査読をしていない

査読(peer review)とは、研究者仲間や同分野の専門家による評価や検証のことである。研究者が学術雑誌に投稿した論文が掲載される前に行われる。研究助成団体に研究費を申請する際のそれも指すことがある。審査(しんさ、refereeing)とも呼ばれることがある。by wikipedia

この査読には数ヶ月なんてザラで、とにかく時間が掛かるものです。先日発表された数学界の大事件!? ABC予想の査読には8年も掛かっています。

つまり、査読という名の客観的なプロセスを踏んでいないという点を差し引いて考えないといけません。

②感染リスクを研究したものではない

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