小説家志望作家の徒然なるままに。ちょっとブレイクpart1  おススメ本

ここらでちょっとブレイクを挟みたいと思います。せっかっくなので私のおすすめ本をジャンルごとに分けて書いてみたいと思います。ただ、やっぱり物語の好みって人それぞれなので、難しいところです。一つだけ私の傾向を前提として、頭を空っぽにして読めるようなのは苦手です。なにか少しでも重い感情になったり、考えさせられる背景があるものが好きです。ただ重すぎる作風は嫌いです。ものすごく作者に偏りがあります。ご注意を。

怪奇小説
1、森見登美彦先生の『きつねのはなし』
 これはなんというのか、本当に不思議で京都という町の独特の妖しい雰囲気が出ています。文体も小難しくないので、特に大学に在学経験がある場合は地続き感ある怖いような、不可思議な体験ができると思います。この作品があまり知られていないのが残念です。グロい描写はゼロです。

2、西尾維新『化物語』
 はい。もう有名な作品ですが、『怪異』というものを中心に据えた恋愛青春ものといった感じでしょうか。文体は軽妙な会話が中心です。中心どころかひたすら会話です。言葉遊びを楽しめるかどうか、そこが読者と合うかどうかでしょう。怪異という不思議な存在たちと学生たちの闇が共鳴して事件が起こり、それでも明るく胡散臭い感じで解決していくというストーリーです。続編がたくさんありますが、蛇足感が強いです。あとはお好みで。

3、小野不由美『営繕かるか屋怪異譚』
 ジャンプSQでコミカライズもしています。コミカライズも丁寧でいいのですが、原作をお勧めします。不気味で、でも決してグロくもホラーでもない。いわゆる訳アリ物件に住む人が遭遇する怪異と、それを成仏させる方向ではなく如何に共存していくかを探った物語。読み終わるとなぜか暖かい気持ちになります。

ファンタジー
1、小野不由美『十二国記』
 こちらも有名作。中華風ファンタジーです。結構シリーズが出ていますが、本筋は異世界転移した少女の成長が主軸の物語です。ただ、個人的には本筋から離れた短編集『丕緒の (ひしょのとり)』が読み始めとしてはいいのかと。えっ、これ本当に史実じゃないの?と思わせられる内容です。ライトな文体ではないですが、異世界中華なのに、ぜんぜん異世界感がないのです。そこが魅力で、読む人を選ぶポイントでもあります。

2、田中芳樹『銀河英雄伝説』
 はい、名作です。宇宙という広大な舞台で、帝国と共和国の戦争を描いています。魅力は知略と政治です。帝国側と共和国側の英傑二人を主軸にダブル主人公で描いています。お堅い内容ですが、帝政の長短、民主主義の長短、そういったものが裏に隠れています。非常に考えさせられる内容で、スカッとジャパンではありません。藤崎竜先生によってコミカライズもされ、映像作品も多いです。登場人物の多さや文体が難しくて手放した方はそちらで挑戦してみてはどうでしょう。アルスラーン戦記もいいですね。

3、長月達平『RE:ゼロから始める異世界生活』
 お堅い作品が続いたので柔らかい異世界転生もので。すでにアニメ化もされています。シリーズが長いですが、読み始めたからと最後までついていく必要は個人的にはないかと思います。9巻までで一区切りという感じかな。それでも長いか(笑)。文体もラノベの割にしっかりしていて、主人公のカラ元気なノリについていけない人はこの作品は無理です。ラノベでしょ、と敬遠していた方も、面倒くさいならアニメの一話を見てから決めるといいかも。

恋愛もの?
1、森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』
 ちょっと昔の作品です。アニメ映画化してますが、断然原作がお勧めです。ライトな筆致で読みやすいです。ひたすらヘモい男の子が女の子を追いかけています。学生という生き物の不思議と京都という歴史ある街の不思議のかけ合わせというところでしょうか。クスリと笑えるような、微笑ましくなるような読後感です。

2、『恋文の技術』
 作者が書いていないのは二通りあるからです。森見登美彦と文豪三島由紀夫の著作があります。どちらも手紙という形式で物語が描かれます。森見版は大学生のラブレター。三島版は大人な恋愛(笑)といった感じでしょうか。堅くないのですらすら読めます。読んでも恋文が上手にかけるようには絶対になりません。

文字数がすごいことになるので、この辺で。お分かりのように好きな作家に偏っています。ですが、誰しもそういうもんなのかなと。現状一般文芸よりラノベのほうが売り上げが高かったりするのですが、ハッキリ言ってよくわからないです。ラノベは売れている本が面白くないことも多い魔窟ですので。案外昨今は一般文芸も娯楽化していて、ラノベより手を出しやすい気もします。

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