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銭湯とリズム

駅前でおださんのライブを観る。開始と同時に日が少しかげって、なんとか日傘なしでもステージ正面に立てる。それでも、まとわりつくように暑い。帽子の中が汗で蒸れてかゆい。
1曲目と最後の曲が、軽快で心地よかった。最後の曲のドラムソロ、多次元にうねるようでかっこよい。
久々にラーメン屋に入る。店主がとても丁寧な態度だった。醤油煮干し味玉。ラーメンは一口目が一番好き。紫玉ねぎのみじん切りが楽しい。美味しいけど、最後は少し飽きる。終盤に味玉をまるまる残すのは失策だったかもしれない。
帰って少し涼んでから銭湯に行く。サウナには入らず、熱い湯と水風呂に交互に浸かる。銭湯は、緊張と緩和のリズムゲームだな、と思う。

最近描いた絵で、気に入らないものを思い返すと緊張ばかりで、緩和がないからだな、と思う。リズムがない。

20代の頃、バンドでやってた曲を思い出す。「ごちゃっとしてる」と言われたことがある。緩和の快を知らないから、緊張が続く。緊張が続いた結果、爆発する。楽曲も生き方も、何処かそんなふうに破滅的だった。
ただ、緊張状態を緩和するには勇気がいるのだ。周りの人から緊張状態ばかりを強要されてきたなら尚更だ。
緩和を「わがまま」として非難されると、緩和する勇気を失う。
緊張と爆発という方法で、バランスを取るようになる。抑圧と反発。
わがまま、あるいは欲求は悪ではない。欲求を表現しないでいると、不機嫌や怒りとして、望まない形で表出する。欲求(あるいは欲望)は、どんなふうに抑え込んでも、形を変えて、経路を変えて、思いもよらぬところから飛び出てくる。必ず届く手紙。
楽しく生きるには、緊張と緩和のリズムを楽しむ。緊張を緩める勇気を持つこと。欲求を見つめて、表現すること。爆発(破滅、死)のカタストロフィに魅了されないこと。
そういう知恵をドラムソロ、ラーメン、銭湯とか、色んなものから見出して楽しむこと。芸術。

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