見出し画像

傳 × アニス この素晴らしき(肉の)世界

傳とアニスのコラボという、日本中の食いしん坊たちが悶絶しそうなスペシャルコラボディナーを頂くという僥倖を得た。
そこには、いつもの傳とは全く違う・いつものコラボとも全く違う、めくるめく肉と日本食の世界が広がっていた!

1品目:白レバー、ほうれん草、蕪のお出汁

画像1

お出汁の香りがたまらないお椀の中には何と白レバー!
まずはお出汁をひと口。
少しだけとろみがついている。
何と優しい口当たり、優しい香り、優しいうま味。
続いてほうれん草。
こちらは予想に反して鮮烈な香り。旬の野菜が持つ力強さを感じる。
そして白レバー。
絶妙!
絶妙なり
絶妙なり!!
外側はほんの少しだけ、本当に少しだけ焼き方が強めでしっかりした食感なのに、中はもうね、ホイップクリームのような滑らかさ。
お出汁、ほうれん草、白レバー、三者三様の美味しさがありながら、どれか一つが主張しすぎることもない。
まさに椀チーム。(すいません)
白レバーのお椀をいただくのは初めてだったけど、もともと日本食の中にそれが存在していたかのようなナチュラルさ。

2品目:ゆっくり火を入れた子豚、春の野菜

画像2

見た目も鮮やか、春の訪れを感じさせてくれる二皿目。
うるい、こごみ、ふきのとう、あさつきの新芽、芽キャベツ。
生命力に満ちみちた黄緑色で見ているだけで元気になりそう。
そして子豚ちゃん。
これまた素晴らしい。ローストポークには普通は使わない瑞々しいという形容詞がまさにぴったり。しっとりプリプリを通り越して、もうブリンブリン。ブリンブリンでありながらしっかり火が通っていて、しっかり美味しい。いたずらにジューシーな感じもない。低温調理のお肉ともまた違う。
瑞々しい。
そう。
そしてこの瑞々しいお肉だからこそ、生命力に溢れた瑞々しい野菜たちなんだな。
二皿目もすごい……。

3品目:ウサギ、からすみ、みかん

画像3

セージやローズマリー、ハーブ香りと肉の香りが幸せな気分をさらに盛り上げる。
お皿に盛られた様子はまるでケーキのような可愛らしさ。
豪快にガブリ。
プリップリ! 火が入ったうさぎの肉でありながら、ジューシーで肉自体が歯を押し返すような弾力。そこにからすみが加わって複雑なうま味と香り。
口に入れた瞬間は洋食、不思議なことに後味は日本食。
火を入れたみかんは皮ごとガブリ。
柑橘の爽やかな香りと控えめな甘さがうさぎと良く合う。

4品目:洋風おでん

画像4

見た目からは全く味の想像がつかない一品。
お味噌汁のような香り。
クリーム状の何かがかかった何かを掬って一口。
プチッとはじけて大量の肉汁が!
羊肉!

羊肉のうま味が凝縮されている。
そして羊肉にたっぷりかかったクリーム状の何かは、味噌のようなチーズのような。濃厚なコクもあって発酵臭のような香りもするけれど……。
その正体は生クリームカツオだし
見ただけでなく、食べてもその材料を想像できなかった……。
この生クリームカツオだしの強烈なうま味と羊肉の脂が合わさると、また美味しさが倍増。
うま味の余韻に浸りながら次の一口を食べてみると、何と蕪だった!
見た目からはほとんど判断ができない面白さ。
シチューのような、お味噌汁のような、おでんのような
でも美味しいものは美味しい。

5品目:鳥取牛、ネギめし

画像5

鳥取牛と言われてもピンと来なくてごめんなさい。
美味しいです。
脂の美味しさではなくて、肉そのものがまろやかで美味しい
オレイン55というブランド牛だとのこと。
そして、大きな土鍋で炊いたネギめし。
ちょっとだけお焦げの香りが先に来て、続いてネギの香り。
お米の甘味だけでなくてうま味。

これだけでも抜群に美味しいけれど、牛肉と合わせるとさらに美味しい。
牛肉で巻いちゃったりして。
口直しに添えられた酸っぱい白菜もアクセント。
このネギめし、ネギだけでなくニンニクと生姜、そして鴨だしが入っているとのこと。
鴨だしと牛肉の相性の良さに驚く。
またまた新しい発見。
楽しい!

6品目:猪、たけのこ

画像6

たけのこの皮がくすぶっている状態で運ばれてきたワイルドな一皿。
焦げた香りも楽しい。
たけのこは熊本産。シンプルにお醤油で焼いたもの。
この香り、熱々のホクホク。たまらん。
猪のロースト。
歯ごたえすごい。ワイルド感すごい。
脂もすごい。ギトギトしてない。甘味もあってキレもある。
火入れも素晴らしいし、肉自体も素晴らしく臭みもない。
なのに感じるこの力強さ。
野生を呼び覚まされて吠えそう。
たけのこと相まって、なんとも野性味溢れる一皿。

7品目:猪鍋、ハマグリのお出汁

画像7

なんと猪をハマグリのお出汁で!
合う!
素晴らしく合う。
猪肉自体も臭みが無いので、ハマグリのお出汁の良さを消さない。
肉のうま味がハマグリのうま味と合わさって長く深い余韻
先ほどはあれだけワイルドに感じた猪も、こうやっていただくと不思議なことにとても優しく穏やかな味に。

8品目:全てのお肉の出汁うどん

画像8


締めは、今まで出てきた全てのお肉のガラで出汁をとったうどん。
香りがすでに美味しい。
ひと口いただいて黙る。ふた口目にはため息。
具材は何も入っていなくても、確かに肉がそこにいる!
あまりの美味しさにお代わりしちゃいました。

9品目:デコポン、ヨーグルトシャーベット、コアントロー

画像9

デザートはさっぱりシャーベット。
デコポンをくり抜いた器が可愛い。
ちょっと柔らかめでさっぱりしたシャーベットは食後にぴったり。
器の上半分にデコポンの実を残す演出も楽しい。
デコポンも美味しくいただきました。

10品目:マドレーヌ

画像10


最後はアニス清水さんお手製の羽つきマドレーヌ。
惜しみなく使われた焦がしバターが噛んだ瞬間にじわっとしみ出してくる感じ。
絶対高カロリー。
やばい。
背徳の美味しさ。

食べ終わって思った

画像11

今回のコラボの最も素敵だったところは、傳の長谷川さんとアニスの清水さんが、交互にそれぞれのお料理を出すのではなく、二人で一つひとつのお皿を作ったということ。
長谷川さん曰く、二人の目指す美味しさの方向が同じだからこそできたコラボとのこと。
ナチュラルでありながら刺激的で、新しくて楽しいお食事でした。

長谷川さん、清水さん、傳の皆さん、ごちそうさまでした!

画像12

帰り際、なぜかちょんまげのカツラでお写真。
あー楽しかった!

#食 #グルメ #傳 #世界のベストレストラン50 #アニス

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?