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シングルマザーライフ

シングルマザーになってパートで働いた13年間

27歳で離婚してこども3人を連れシングルマザーになった。
こども達は当時まだ小学2年生、幼稚園年長、2歳児。
まず末っ子を保育所へ入れ、上の子は学童保育に入れたけど
真ん中の子の通っていた幼稚園は園長保育がなかったから
とりあえずお迎えに間に合う時間までのパートを始めた。
そこからこども達の成長とともに働く時間も増やして
13年間、40歳までパートで生活を支えてきた。
正社員も考えなかったわけではないけど、時間や場所、融通の利きやすさを考えた結果、こどもが大きくなるまではパートでいいと決めた。

初めてのパート

最初に働いたのは個人で経営されている喫茶店だった。
学生時代は飲食系のずっとアルバイトをしていたからいけるだろうと。
面接に行ったら即採用でその日から「ちょっと働いてみる?」と言われ
そのままお迎えの時間まで働いた。
すんなり決まって一安心したけどここは1ヶ月で辞めることになる。
ランチタイムなどのピークになると暴言が飛んできたり
注文はメモや伝票を書かずに記憶してオーダーを通した後に伝票を書かなければいけないという謎のルール
グラタンなどの熱いものをオーブンから取り出すときは素手で素早く取り出すなど…
一番衝撃的だったのが3秒ルールが存在したこと。
トースターから取り出したパンをうっかり床に落としてしまった時に
暴言が飛んでくるかと思ったらサッと拾い皿に乗せ「持っていって」と…
初日からこんな感じで、1人だけ居た長く勤める無口なパートの方が
「こんなだから続く人は居ない、慣れるか辞めるしかないのよ」
私は自分の中で「せめて3ヶ月は続ける」とか思っちゃってたから
暴言や謎のルールに耐えながら働いていたけど1ヶ月が経とうとした頃
仕事中、急に涙が止まらなくなって喉の奥が苦しくなって言葉に詰まり
私のその姿を見たマスターが「辞めたいなら辞めろ」と怒鳴った。
声を振り絞って「はい、辞めます…すみませんでした」と泣きながら言ったらマスターは「わかった、悪かったな、今日精算するから定時までは頼む」
と言って気まずいまま時間が経った。
定時になり、何故かお給料に10,000円上乗せされた額を渡され、「悪かった」と言われた。慰謝料?「すみませんでした」と言ってお店を出た。
それがシングルマザーになって最初のパート。
今もお店の横を通ったり、マスターを外で見かける度に思い出す。
トラウマ?
今思えば、別にすぐ辞めれば良かったし、耐えるメリットも無かったと思っている。

シングルマザー×パートライフ

早々に次のパートが見つかって、働きだしてからはあっという間の10年。
某ハンバーガーショップで働きながらシングルマザーライフを過ごした。
決して豊かではないけどこどもと過ごせる時間もしっかりあったし、手当などもあるのでそんなに困ることもなく生活できた。
シングルマザーで3人の子育ては大変って言われたりもしたけど
3人だから良かったと思うし、結婚していた時より私は幸せだった。
あっという間に10年が経ち、37歳。
大体の業務は出来るようになったし、これ以上ここで何かを覚えるということもなくなって、少し物足りなさを感じる余裕が出来たので、子供の頃夢だった大好物のスイーツ屋さんで働こうと2度目の転職。
ここも1年で辞めることになったけどすごく楽しかった。
辞めた理由は、金銭的にルーズな会社だったこと、コロナも流行りだしてどんどんそのルーズさが耐えられないレベルになってきていたし、それ以外にも続けていくと危険と思う要因があったけど、業務は楽しかったからできればもっと働いていたかった。
3度目の転職はオシャレな雑貨屋さん。
10年勤めたハンバーガーショップで一緒に働いていた子が「一緒に働きませんか」と誘ってくれた。
親子ほどの歳の差なんだけど辞めてからも交流があって、そんな中のお誘いだった。
初の飲食系じゃないお仕事、年齢的にも不安が多かったけど、とてもいい職場で仲間にも恵まれ楽しかった。
業務内容は飲食とは全然違って覚えるのが大変だったけど、おしゃれであることも仕事のひとつだったことで今まで出来なかったネイルや髪色、ファッションを楽しんだり、若い子達と働くことで元気がもらえた。

40歳、急に不安に襲われる


雑貨屋さんで2年半勤めている間に40歳を迎え、忙しい日々の中で
「このままいつまでパートでやっていけるんだろう…」と考え始める。
こども達も成人してシングルマザーで受けられる手当も当然無くなっていき、ダブルワークが禁止だったこともあってこのままこの収入ではやっていけなくなる…、いつかはマイホームを持ちたいけどこのままでは叶いそうにない…そんな事を考えていた時に、自分には時間を切り売りする以外に収入を得る方法もスキルもないことに気がついて一気に焦りと不安が大きくなった。
バレずに副業する方法とか調べてみたり、資格取得を考えたり…でもフルタイムパートと家事・育児、勉強する余裕も根性すらも私になかった。
ものすごい努力量でちゃんと頑張って成功している人もたくさんいて、それを見ては自分のダメさに凹んだり、もっと早くから頑張っていればと過去を悔やんだり、そんなことを考えるばかりで一歩も踏み出さない自分に腹が立ったり、ポジティブと思ってた自分がこんなにネガティブにもなることにびっくりした。

決断する時はいつも思い切り

今までを振り返るといろんなターニングポイントで結局「なんとかなるだろう」と思い切りで決断してきた。
「なんとかなる、なんとかする、なるようになる」
案ずるより産むが易し、考えてばかりいてもネガティブになったりするし、一歩も進めなくなるより、無理矢理にでも一歩踏み出すことで未来を変えよう、どうなるかわからないけど死にはしないだろうって。
だから決めた。

●家でパソコン一台で出来る仕事のスキルを身につける。
●そのために今の仕事を辞めて、有給休暇消化を使って勉強する。
●色々ある中で一番興味が持てた「動画編集」をまず習得する。

そして職場に「3ヶ月後に退職したい」と伝えた。
退職は2ヶ月前に申し出るルールだったけど、担当してた業務の引き継ぎと有休消化を考えて極力迷惑がかからないように3ヶ月前に伝えた。
まず一歩、もう引き返せない、やるしかない。
ここから引き継ぎと日々の業務であっという間の2ヶ月の出勤が終わって
1ヶ月の有給休暇に突入した。
買い切りの教材で動画編集スキルを身につけながら、家でのお仕事環境を整えたり、休暇を満喫しながらあっという間に1ヶ月経ち、正式な退職日。
13年ぶりの無職になりました。

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