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day 29|AIアートとしてのアートスタイル
これまで、アートの起源や歴史、そしてAIがアートにどのような影響を及ぼすのかについて、noteに簡単にまとめてきました。
(以下、参考文献)
アートの起源について
アートの意味について
AIアートについて
また、AIアートは今後どのような影響を及ぼし、どのようなアートスタイルを確立していくのかを考えるにあたって、写真がアートに与えた影響について調べてみました。
(以下、参考文献)
写真がアートに与えた影響について
調べた内容を簡単にまとめると、私の理解は以下のとおりです。
人間は、認知機能の発達に伴って美的感覚を養い、情報伝達や記憶媒体の手段としてアートという表現スタイルを確立した
アートが発展をとげていく一方で写真技術が発明され、当時の主流であった、現実世界をきめ細かく再現する”写実主義”というアートスタイルから、写真では表現できない現実の絶え間ない動きを描こうとする”印象派”というアートスタイルへと変わっていった
現代になると、AI技術が目覚ましい発展をとげ、高品質な画像・動画・音声を大量に生成できるようになり、アーティストの活動に大きな影響を及ぼすことが予想されているが、その方向性はまだ探求段階にある
カメラがアートに与えた影響についての歴史を踏まえてAIアートの方向性を考えてみると、AI技術のみを用いたアートではなく、そこに人間的な技法や要素も組み合わせたアートスタイルが確立していくというのが、今後のアートの一つの方向性として考えられると思います。
例えば、AIアートが持つ非人間的表現(人間の経験や感情に根差したものではない)と、それと対照的な人間的な要素に根差した表現を組わせることで、新たなアートスタイルが確立されることが考えられます。
そのアートスタイルを具現化した「まさに、これ!」という作品がSNSで拡散されていたので、こちらでもシェアしたいと思います。
この作品の制作者は、Xで以下のようにつぶやいています。
Tempting to use AI for everything but drawing my own storyboards has always been part of my process. “Absolve” had almost 70 shots to get at the Louvre in 8 hours so had to meticulously organized. Even with the rapidly AI vfx much of the original intent carried through to the end pic.twitter.com/EYgaCTiFyM
— Paul Trillo (@paultrillo) December 27, 2023
すべてにAIを使いたくなるが、自分で絵コンテを描くことは常に私のプロセスの一部だった。「Absolve』では、ルーブル美術館での撮影を8時間で70カット近くこなさなければならなかったので、綿密に構成する必要があった。急ピッチでAIを使ったVFXであっても、当初の意図の多くは最後まで貫かれた。
過去のnoteでも触れたように、これはAIと人間の共同制作アートとして位置づけられると思います。
この作品で描かれている世界観は、まさにAIアートのアートスタイルのひとつなのではと感じました。制作者は生成AIツールを使用して元のソース画像・映像を編集しつつ、制作者の考えるストーリーを作品に落とし込んでいます。AIツールがうみだす、どこか人間味を感じない独特な雰囲気と、人間ならではのストーリーや表現要素を組み合わせることで、これまでにないアート表現として成立しているのだと思います。
AIツールをどのように用いているのかについて解説する動画も公開されています。
ちょうど自分の調べていたことに合致するような作品が現れて、かなり感動しました。今後も、AIを用いた表現について、いろいろと学んでいきたいと思います。
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