大好きな映画・動画③イタリア映画「人生、ここにあり(Si può fare)」 55 服部沙衣子 2021年2月7日 12:11 こんにちは、服部沙衣子です。今日は2008年のイタリア映画をご紹介します。日本では2009年のイタリア映画祭で初めて上映されました。当時、臨床心理学専攻の大学院生だった私は、精神科治療はイタリアが先進国だし、勉強になるかな、と軽い気持ちでふらっと観に行き、衝撃を受けた作品です。イタリアは世界に先駆けて精神科病院廃絶法(通称バザリア法)を制定し、治療は患者の自由意志のもと、地域精神保健サービス機関で行うことを決めました。映画では、その当時の1983年のミラノを舞台に、精神病院を閉鎖されて居場所を失くした元患者たちが、やり手の元労働組合トップの主人公の後押しを得て、それぞれの長所を活かし、支えあい、仕事を生み出し、自分の力で稼ぐ面白さを感じ、自立していくストーリーです。途中、予想外の展開となりますが、人と人との関わりの中での感情の機微を繊細に描写しています。シリアスなテーマではありますが、さすがイタリアのお国柄、カラッと明るくコメディタッチでテンポよく、しかも、日本ではなかなか切り込めないであろう、患者の性の問題についてもちゃんと描いています。ちなみに、原題は「Si può fare」でやればできるという意味。日本でも当初は「やればできるさ」という邦題でした。私はこちらの方が好きです。ぜひ観てみて下さい。 いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する #毎日note #おすすめ映画 #イタリア映画 #人生ここにあり 55