大好きな映画・動画③イタリア映画「人生、ここにあり(Si può fare)」

こんにちは、服部沙衣子です。
今日は2008年のイタリア映画をご紹介します。
日本では2009年のイタリア映画祭で初めて上映されました。

当時、臨床心理学専攻の大学院生だった私は、
精神科治療はイタリアが先進国だし、勉強になるかな、
と軽い気持ちでふらっと観に行き、衝撃を受けた作品です。

イタリアは世界に先駆けて精神科病院廃絶法(通称バザリア法)を制定し、
治療は患者の自由意志のもと、地域精神保健サービス機関で行うことを決めました。

映画では、その当時の1983年のミラノを舞台に、
精神病院を閉鎖されて居場所を失くした元患者たちが、
やり手の元労働組合トップの主人公の後押しを得て、
それぞれの長所を活かし、支えあい、仕事を生み出し、
自分の力で稼ぐ面白さを感じ、自立していくストーリーです。

途中、予想外の展開となりますが、
人と人との関わりの中での感情の機微を繊細に描写しています。

シリアスなテーマではありますが、
さすがイタリアのお国柄、
カラッと明るくコメディタッチでテンポよく、
しかも、日本ではなかなか切り込めないであろう、
患者の性の問題についてもちゃんと描いています。

ちなみに、
原題は「Si può fare」でやればできるという意味。
日本でも当初は「やればできるさ」という邦題でした。
私はこちらの方が好きです。

ぜひ観てみて下さい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?