bとけい

持ち物のストーリー【腕時計】

身の回り品の物語

みなさん、今身につけているもので”こだわりのモノ”はなんですか?
初海外で買ったキーホルダーとか、
各地を駆け巡って見つけたスニーカーとか、
友達のデザインしたネックレスとか、
それぞれ思い入れのあるモノがあったりするんじゃないかな、と思います。

私しろめしにも何個かあって、その中でも今日は、
腕時計についてお話しします。

誰かにもらったモノ、とかではないけれど
割とストーリーのある身の回り品です。

1、初代腕時計を買うきっかけ

私が腕時計を着け始めたのは、海外でiPhoneをとられた時。

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元々「時間はスマホで確認する派」で、腕時計をつける習慣がなかった。
それが、スマホを失くしたのをきっかけに、着けるようになった。

別の記事でもちょっと触れたことがあるのだけれど、数年前1年弱ほど交換留学でフランスに行っていた。
あの日は現地の小学校の放課後教室のお手伝いをして、
バス停で帰りのバスを待っていた。
11月の夕暮れ時。
あたりが薄暗くなっていくなか、
バス停では私と友達1人が並んで立っていて、すぐ後ろのベンチに黒いジャージに白いキャップを被った20歳前後の青年が座っているだけだった。
「あとどんくらいかな」
私は時間を確認しようと、留学前に父からお下がりでもらったNIKEのリュックのチャックを開き、黄色いiPhone7を取り出した。
「バスもう1〜2分やな」
と思ったのは覚えてる。
ほんの少しのことだから、とスキニーの左後ろポケットに差し込んだ。
それからが早かった。
後ろで話し声がしたんだ。
振り返るといつの間にかベンチの青年の横にもう1人青年が増えていて、白キャップ帽の青年とモゴモゴ話してる。
「いつの間に来たんやろ」
なんて呑気に考えながら、前を向き直った瞬間だった。
お尻のポケットから物が抜かれた。
再び振り返った時にはもう遅かった。
青年2人が左方向に全力で走っていく。
「やられた!」
反射的に追いかけたけれど、相手の方が遥かに俊敏で、一瞬で裏路地に見失った。
ほんとに早かった。

その日の夜日本の実家に電話した。
日本時間11月16日、朝6時ごろだったように思う。
実はその日は前々から電話をかける予定にしてたんだ。
日本で大学受験を控える妹の誕生日。
一生懸命頑張る妹に、明るい気持ちを届けようと思って、「あっちの時間で朝イチで電話しよう」って決めてた。
それが、残念ながら、初めての海外でスマホ盗られてベソをかく声を届けることになった。
買ってもらって半年しか経ってない新品。
バックアップをとっていたパソコンがちょうど壊れたところで、今までの写真はパー。
ほんといろんな意味でショックだった。

これはこたえたな。
「スマホを時計代わりに使うのはやめよう」
心に決めた瞬間。
即行で腕時計を買い揃えた。
白いアナログの腕時計。

2、今の腕時計を買うきっかけ

それから帰国。
白い腕時計は、フランスでの思い出が名残惜しくて、フランス時間のまま机の中にしまってしまった。
代わりに茶色い時計を買って、
それを買い換えたのが、今の時計。

今の時計を買ったのは、24時間時計を使いこなせなかったから。

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買ったのは2019年春のこと。
24時間時計に慣れるために。

私は24時間時計を使いこなせない。
でも、個人的には特段困ったことはなかった。
腕時計はアナログだったし、スマホも「AM / PM」の12時間設定だったから。
だけど困ったことに、公の場では大抵、24時間時計が主役になる。
時間を細かく記録するバイトを始めたこと、就活を始めたこともあって、
”時間の勘違い”が結構な痛手になることが増えた。
14時とPM4時を間違えたり、意識すれば治りそうなもんだけど、ふっと気を抜いた瞬間にヘマしてしまう。
バイトの私の時間記録を見返すと、


13時24分
13時12分
16時10分
15時22分
  ︙

時間系列がおかしい。
またやらかした。

そこで気づいた。
「腕時計デジタルにしなきゃ」
24時間の感覚を鍛えようと、24時間表示のできるデジタル時計で特訓を始めることに決めた。
父親の使っているアップルウォッチ見て「いいな」と思ったけど、
数千円の時計しか使ったことのない私に、万単位の時計を買う勇気は出なかったので、ネットで安くで買える黒いスマートウォッチを買った。

それから1年。

そろそろアナログの腕時計に戻せるかもしれない

最近は、時計屋さんでちょっといい腕時計を物色する日々です。

鍋に大きなエビが入っているとき、テンションが上がります。