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木村花選手のご冥福をお祈りします。

女子プロレス「スターダム」に所属する木村花選手が亡くなられました。人気番組『テラスハウス』に出演していた著名な方でした。死因などは明らかにされていませんが、SNSでの誹謗中傷によって追い詰められたのではないかと推測されています。韓国でも、同様の理由でアイドルが相次いでみずから命を絶ったことは記憶に新しいところです。

今日は、いろんな人に向けて話しかけてみたいと思います。


まずは、木村選手だけでなく、誰かを誹謗中傷するコメントを書いたことのある方へ。

たぶん、そこまで悪意があったわけではなかったのだと思います。ナイフで刺したわけでも、ピストルで撃ったわけでもなく、ただそのへんの小石を投げただけの感覚だったのだと思います。もしかしたら、寝る前にシャワーを浴びて、歯を磨いて、SNSで誰かの悪口を書いて……といった日課になっているのかもしれません。

だけど、投げているほうは「たった一粒の小石」でも、投げられている本人には見えない相手から投げられる言葉は鋭いナイフのように感じられるし、たとえ小石に感じられても、それがどこの誰かもわからない相手から無数に飛んでくれば、回復しがたいダメージが蓄積されていきます。

「殺すつもりなんてなかった」

いくら言い訳してみても、あなたの心には、きっと重たい荷物がのしかかりますよね。あなたの、ほんの軽い言葉が、誰かの命を奪ってしまったのだとしたら。

もう一度、言いますね。

あなたの、ほんの軽い言葉は、誰かの命を奪ってしまうかもしれないのです。


次に、木村選手に誹謗中傷を書き込んでいたアカウントに、責任を問うようなコメントを書き込んでいる方へ。

その気持ちは、とてもよくわかります。責任を問いたいのですよね。「あなたがしたことは、とんでもないことなんだ」と思い知らせたいのですよね。だけど、そのやり方であってますか。その言葉遣いであってますか。それは木村選手にその方たちがしていたことと、同じことになっていませんか。

負の連鎖——それは木村選手が望むことでしょうか。言葉で傷つけ合う社会が続くことを彼女は望んでいるでしょうか。私だって、彼らに思うところがないわけではありません。目の前でひとこと言ってやりたい気持ちにも駆られます。だけど、それをぐっと堪えることが、せめて彼女の気持ちに寄り添うことになるのではないかと、私は思います。


かつて、こうした誹謗中傷のコメントを目にしたことのあるみなさんへ。

きっと、ここに該当する方がいちばん多いのだろうと思います。SNSでそうしたコメントを目にしたとき、みなさんはどうしてきましたか。

「ああ、ネットでイキってるバカがいるなあ」
「こんなやつに絡まれて、かわいそうに」

心ではそう思ったかもしれません。だけど、それで終わりですよね。特にそうした人にやめるよう忠告したこともないですよね。道徳の時間に習ったかと思います。いじめは「加害者」と「被害者」と「傍観者」の三者によって成り立つ、と。

そう、私たちは“傍観者”だったんです。大多数で寄ってたかって石を投げる現場を目にしながら、「やめなよ、そんなこと」と言えなかった私たちにも責任があるとは言えないでしょうか。

もちろん、みずからそこに飛び込んでいって、「やめなよ」などと言えば、きっと自分自身にも石が飛んでくるでしょう。ならば、見て見ぬ振りが一番でしょうか。それでは、きっとまた同様の事件が起こってしまいますよね。私たちは、本当に愚かな生き物だから。


最後に、木村選手へ。

知り合いだったらなあ。相談してもらえてたらなあ。心から、そう思う。

SNSに、フタをできていたらよかったのに……。パソコンを閉じて、スマホの電源切っちゃえば、もう誰の声も聞こえてこない。誰も何も言ってこない。

ぜーんぶオフにして、青空の下をぶらぶらと散歩でもすれば、匿名の人々の声なんて一気にかき消されちゃう。コロナの状況にもよるけど、これからの時期は海を見に行くなんてのもいいかもしれない。

ああ。ああ……。

お会いしたこともないけれど、とてもつらいです。あなたがいないことが、とてもつらいです。あなたのことを大切に想ってきた方々は、どんなにつらい思いをされていることでしょう。そのことを思うだけで、胸が張り裂けそうです。

SNSとは、本来、「人と人をつなぐ」はずのツールです。これ以上、SNSで人と人が傷つけ合う社会には、したくありません。

今日は推敲せず、このまま出します。乱文、どうかお許しください。

今回も最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。


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