Androidユーザーのみなさんへ。
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こんなにも「Androidユーザー」か「iPhoneユーザー」 かを意識させられたことがあったでしょうか。せいぜい、充電器を互換できないとか、それくらいしか意識するような場面はなかったように思います。それが、こうした分断にも近い状態が起こるようになろうとは……。もちろん、#Clubhouseの話です。
これだけ盛り上がっているのに、Androidユーザーは使うことができない。iPhoneユーザーしか楽しむ権利が与えられていない。自分には何の落ち度もないはずなのに、門前払いをされている。そんなの理不尽だ。そんなの差別だ。誰かを排除することで成立するアプリなんて、選民思想そのものだ！
その気持ち、とてもよくわかります。だって、私は障害者だから。普段はまさにその立場だから。今回はたまたまiPhoneユーザーだったから利用できているけれど、私の日常はまさにそんな理不尽さで埋め尽くされているから。
「居酒屋行こうぜ」
——そこ２階だよ。しかも階段だけだよ。
「あのバンドのLIVE行こうぜ」
——そこ地下だよ。しかも階段だけだよ。
「俺ん家で宅飲みしようぜ」
——おまえん家、エレベーターないじゃん。
これが私たちの日常なんですよ。こんなことばっかりだと、やっぱり思ってしまうわけです。
そんなの理不尽だ。そんなの差別だ。誰かを排除することで成立する社会なんて、選民思想そのものだ！
いや、正直なところ、もう慣れすぎてしまって、こういう感覚も麻痺してしまっているかもしれない。でも、根っこには、やっぱりある。こういう感情が。だから、ずっと声を上げ続けている。
こんな境遇を生きてきたからか、いまAndroidユーザーの方々が抱いている心情を、あれこれ想像してしまうんです。「別にClubhouseなんて興味ないし」「入れないから言うわけじゃないけど、入口で使える人を選ぶってどうなのよ」「まあ、興味ないからいいんだけどね」
その通りなんですよ。使うか使わないかは、人それぞれ。自由でいい。ここで大切なのは、使うか使わないかを選ぶ自由が与えられているか。選択の余地があるか、なんです。
それでも、私は思うんです。Androidユーザーはまだいいよ、と。だって、いざとなったら機種変できるもん。もちろん、「そんなにまでしてやりたくないよ」という声はあると思うけど、「そこまでしてやりたくなったなら」機種変するなり、iPadを買うなどすれば、あの閉ざされた扉の向こう側まで行くことができる。
でも、障害者はいつまで経っても障害者なんですよね。どんなに努力しても健常者になれるわけじゃない。「扉の向こう側」に行けるわけじゃない。だから、社会のほうから扉を開けてくれないと、私たちはそちら側に行けないんです。そもそも、なんでこの世に生まれてきたのに扉の外にいるのか、訳わかんないです。
Androidユーザーのみなさんへ。いま一時的に見えている景色が、私たち障害者が日頃から見ている景色です。望んで見ているわけではなく、たまたま引いた人生ガチャが「障害者」だったので、ずっとこの景色を見ています。この景色は、一生続いていくのでしょうか——。
どうか、力を貸してください。
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