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「障害」を「障がい」と表記しておけばいいだろうという安直さにドロップキック。

【全文無料】
「ドロップキックできないじゃん!!」というツッコミはさておき。

昨日は、ここ数年、見聞きするようになった「セクシー女優」という言葉への違和感と、現役AV女優である紗倉まなさんが、それについてどう感じているのかをお伺いした内容を記事にしました。

紗倉さんのお話を聞いて、あらためて「AV女優」を「セクシー女優」と言い換えるようになった経緯は、「障害」を「障がい」と表記するようになった経緯と非常に似ているなと感じたので、ここに記しておこうと思います。

以前から私の発信をフォローしてくださっている方々にとっては、もう耳にタコができるほど何度も聞かされている話だと思うので、今回は全文無料公開とさせていただきます。

私は「障害者」として生まれたはずなのに、いつしか「障がい者」と呼ばれるようになりました。「害」という字が、社会にとって害悪であるといったイメージを想起させるからだとか。一部の障害当事者が声をあげたことで、行政やマスコミが「害」を「がい」と表記するようになりました。

あれ、ならば「障」だって「差し障る」という意味なので、社会にとって差し障りのある存在といったイメージを与えかねません。こちらも「しょう」と表記しなければならないのでしょうか。

「しょうがい者」

いやあ、いいですね。やわらかい響きですね。これなら誰からもクレームが来ず、なんだか地球環境にまでやさしいイメージが湧いてきますね。

なめんなよ。

と、思うのは私だけでしょうか。いえ、私だけではありませんでした。

意外なことに、「障害」よりも「障がい」のほうが嫌だと感じている人が多いようなのです。

ああ、これ、もう何度も議論したなあ。そういえば、昔、この件について連投ツイートしたものをTogetterにまとめてあった気がするな。ちょっと探してきますね。

あった、ありました。2011年の主張ですが、特に9年経ったいまでも考えが変わった部分はありません。「カタワ」を「障害者」と呼び、さらには「障がい者」と呼ぶようにしたところで、そう呼ばれる人々に向けられる意識や彼らを取り巻く環境を変えていかなければ意味がない。いつまでも言葉狩りのいたちごっこが続くだけです。

今回、首相の全国一斉の休校要請を受けた迅速な対応で、一躍、名を挙げた千葉市長・熊谷俊人氏は、この件についてこんな発言をしています。

熊谷さん、その通りですよ。

言葉だけを変えたって、何にもならない。もちろん、目の前にいる方が「その言葉はやめて」とおっしゃるなら配慮する必要がある。だからと言って、それを社会全体に当てはめて「これで障害者問題はOK」などと安心されてはたまらない。

大事なのは「障害者」という呼称をなくすことじゃない。この社会から、できるだけ「障害」を減らしていくことなのだ。

「セクシー女優」への言い換えも同じことだ。大事なのは「AV女優」という呼称をなくすことじゃない。モザイクを減らしていくことなのだ!

違うか。

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