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【ベスト3】印象に残った本ランキング【2020年版】

さて、2020年も残すところ、あと10日ほど。友人たちと月1回の読書会を開催するなど、今年も多くの本を読みました。そこで、2020年に私が読んだ本のなかから「特に印象に残っている本 ベスト3」を発表してみたいと思います。

「オススメ本」ではなく「印象に残った本」

こういうとき、タイトルとしては「オススメ本 ベスト3」とかがいいのかもしれませんが、そもそも私は不特定多数に何かをオススメするという行為があまり得意ではないんですよね。というのも、好みって人によって千差万別なので、私が好きだったからと言って、他人も好きになるとは限らないじゃないですか。ですから、あくまで「私が読んで印象に残った本」をランキングの基準にしていきたいと思います。

あ、だけど、「舌の根も乾かぬうちに」になっちゃいますけど、みなさんにどうしても読んでほしい本があります。

【オススメ本】『民主主義とは何か』(宇野重規)

宇野重規先生のご著書は政治素人である私にも読みやすいものが多く、これまでも何冊か読ませていただきましたが、今年10月に出版された新刊『民主主義とは何か』は新書ということもあって特に読みやすく、それでいて内容は濃密で何度も読み返したくなるほど。

特に、今年はコロナへの対応において、「民主主義よりも全体主義のほうが適しているのではないか」といった議論が生まれたように思いますが、宇野先生はこうした疑問にも真摯に向き合い、回答してくださっています。これはもう日本国民必読の書と言ってもいいのではないでしょうか。

よかったら、みなさんも読んでみてください。

いや、絶対に読んでください。

つべこべ言わず、いいから読め!!

と、いきなり横道に逸れた上に暴言まで吐いてしまいましたが、ここで本題に戻ってランキングを発表していきたいと思います。

まず、【第3位】は——。

【第3位】『アスク・ミー・ホワイ』(古市憲寿)

テレビでも見ない日はないというほど人気タレントとなった古市憲寿さん。ここ数年は小説の執筆にも力を入れており、芥川賞にもノミネートされるほどの実力。いやあ、素直にすごい!!

そして、Twitterにて連載というめずらしい形式で執筆を続けていた最新刊『アスク・ミー・ホワイ』がとてもよかった。オランダ・アムステルダムで暮らす日本人男性が、現地で見かけた人気俳優と出会い、少しずつ惹かれていく——というストーリーなのですが、古市くん、こんなにもみずみずしく誰かを大切に思う気持ちを描くことができるなんて……と同じ物書きとして嫉妬を覚えるほどでした。

私自身はみなさんよくご存知のとおり(白目)、大の女性好きなのですが、この小説を読み終えたいまでは、「いつか男性を好きになることもあるかもしれないな」と思わせるほど、とても自然な展開で「誰かを好きになっていく気持ち」が描かれているんです。なんというか、これを「LGBT小説」とくくるのも何だか違う気がしていて……。ああ、もう、これ以上はみなさん読んでみてください。

ちなみに、私のYouTubeでは古市さんが『アスク・ミー・ホワイ』について語ってくれているので、よかったらこちらもご視聴くださいね。


続いて行きましょう、【第2位】は——。

【第2位】『China 2049 秘密裏に遂行される「世界覇権100年戦略」』(マイケル・ピルズベリー)

著者のマイケル・ピルズベリーは、アメリカにおける対中政策の第一人者と言われています。以前は自他共に認める“親中派”でしたが、それは中国がアメリカを油断させるための罠であったことに気づき、以降は徹底して“中国脅威論”を唱えている政治学者です。

タイトルの『China 2049』は、中華人民共和国が建国された1949年当時、100年後の2049年にアメリカを凌ぐ覇権国家となることを目指して「100年マラソン」と呼ばれる綿密な計画を打ち立てたことに由来しています。実際、当初に設定した2049年まで30年近くを残していますが、すでにアメリカに肩を並べようとするところまで来たことに驚かされます。

この本を読むと、中国という国がどれだけ侮ることができない、したたかな国であるかは感じ取れますが、だからと言ってすぐにネット上で喧しく叫ばれている対中国強硬論に与すべきかは慎重に考えたいところです。近隣国として、まずは彼の国の思惑と特性の理解に努め、適切な距離感を保ちつつ、国益が衝突する場面ではしっかりと主張していくことが重要なのではないでしょうか。

そして、この本を読んで何より感じたのは、はたして日本にはこれだけ骨太かつ綿密な国家運営のビジョンが存在しているのだろうか、という疑問でした。読み物としても、十分に面白かったですよ!

それでは行ってみましょうか。2020年に読んで印象に残った第1位は——。

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「乙武洋匡の七転び八起き」
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