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力を抜いてみる

いつも通りの時間に電車に乗る。
キャリーケースを持ちながら乗車する人が増えた。

なんだかんだ年末感というものは感じるものだ。
私は今年も帰省せず、年末年始もいつも通り働くのだが、街ゆく人々が少しだけのんびりと歩いている気がする。

あとは年を越すだけの人たちは、穏やかである。
1年お疲れ様でした。

普段の休日もそうだが、皆リラックスして買い物をしている姿を見るのが好きだ。誰もセカセカしていない。
「お菓子これがいい」とねだる子供に対して、まあ年末だし、といったような雰囲気で「買うのはそれ1個だけだよー」と言うお母さんの姿にほっこりする。

なんとなく、年末はずっと夕方みたいな雰囲気を感じる。

ゆっくり終わりに向かうところとか、寂しさを感じるところとか、でもどうせ明日もやってくるしな〜みたいなささやかな希望とか。
寂しさとあたたかさを兼ね揃えている。

今年の日記を読み返す。
思い返せば、自分としっかり向き合えた1年だった。

今までは訳も分からず落ち込んだり、少しの失敗で大泣きしたり、これからのことを考えてすごく不安になったりしていた。

日記には確かに心穏やかではない日が存在していたが、今思えば過去の話で、「ふーん、なんか大変そうな1日を過ごしたんだな」と、まるで他人事のように思える。

自分の人生を左右するほどのことでなければ、大体の悩みや不安に怯える必要はないのだとわかって気が楽になった。

「考えすぎなんじゃないの?」とよく言われた10代だった。
じゃあみんなはいつも何を考えて生きているの?と聞きたいくらいに、なぜかいつも焦っていて、全部完璧でないといけないと思っていた。

20代をそこそこ経験してきて、10代の自分に声をかけるならば「何をそんなに焦っているの?」と言うだろうなと思う。

でも、こういうのは当時の自分じゃわからないんだよな。
程よい手の抜き方、頑張り方、休み方。
全部下手くそだから、わかんないから焦っちゃうんだよね。

なんのアドバイスもできないけれど、年齢が解決してくれることもあるから、自分が悪いとか、出来損ないだとか思わなくていいよと言ってあげたい。

そう思えるくらいには、私は大人になったのだ。

実際、同級生と自分の人生を比べて焦ることはあるけれど、何においても自分と他人を比較して評価するのは意味がなくて、尊敬できる部分を他人から学んで、じゃあ自分はどうしたいのか、と考えていく方が良さそうだなと思う。

嫌なことがあった日は、好きなものを食べて、さっさと寝る。
落ち込むことがあった日も、好きなものを食べて、さっさと寝る。
寝るということは、何よりも効く薬である。

事あるごとに何日も落ち込んで病んでいた私を知っている恋人から、セルフケア上手になったねと言われて、鼻高々である。

読みたい本も、クリアしたいゲームも山ほどある。
何日も泣いている暇などないのだ。