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★祝20周年★女王さまモード全開!『ジュディ・モード、女王さまになる!?』

『ジュディ・モード、女王さまになる!?』
 メーガン・マクドナルド 作 ピーター・レイノルズ 絵
 宮坂宏美 訳
 小峰書店
 2024年8月

「ジュディ・モードとなかまたち」シリーズの第14巻は、ジュディが「女王さまモード全開!」になるお話です。

学校の授業で家系図づくりに取り組んでいたとき、ジュディはおばあちゃんから、13代前のひいおじいちゃんがロンドン塔で人助けをしたこと、ロンドン塔には身分の高い人を閉じこめる牢屋があったことを聞きます。

だったら、そのおじいちゃんも身分の高い人だったのかも。もしかしてイギリスの女王さまの親戚だったんじゃない? ってことは、あたしも女王さまの親戚なのかも!

ジュディはすっかりその気になり、自分は女王さまの親戚だと友だちに言いふらしたり、そのことをイギリスの女王さま本人に手紙で知らせたり、友だちをイギリス風のお茶会にさそったりします。家系図をクラスで発表するのも楽しみになって、わくわくしっぱなしです。はたしてジュディは本当に女王さまの親戚なのでしょうか? お茶会やクラスでの発表はどうなるでしょう?

はらはらどきどき、そして最後にほっこりという、いつもながらの楽しい展開。ぜひジュディといっしょに女王さまモードを満喫していただけたらと思います。

(イギリスのエリザベス女王は2022年にお亡くなりになりましたが、この巻の原書が発行されたのが2018年のため、ジュディが手紙を出す相手は王さまではなく女王さまということになっています。)

我が家の本棚にある「ジュディ・モードとなかまたち」第1~14巻

ところで今年(2024年)は、「ジュディ・モードとなかまたち」シリーズが日本で出版されてからちょうど20周年に当たります。家系図やイギリス王室など、長い歴史を感じせる今回の巻が、はからずも20周年にあたる年に刊行されたこと、なにやら運命めいたものを感じます。

思い返せば、第1巻の訳書が出版されたのは2004年ですが、原書をアメリカ(というか、じつはハワイ)の書店で見つけ、小峰書店に持ち込んだのは、その2年ほど前の2002年でした。読んでみたらとてもおもしろく、すぐにシノプシス(レジュメ)を書いて、当時の担当編集者さんに紹介したのを覚えています。そのときの私の熱意がすごかったらしく、あとになって別の原書を持ち込んだとき、「ジュディのときほどの熱意が感じられない」と言われてボツになったこともあるほどでした(苦笑)。

無事に版権が取れて私が訳させてもらえることになったのは奇跡的なことだったと思います。本国のアメリカではすでに大人気でしたし、日本でも注目している方々がいらしたようなので。「じつは私も別の出版社に持ち込んでいた」とか「持ち込もうとしていた」とかいう話もあとからちらっと耳にしました。挿絵を描いているピーター・レイノルズ氏が当時無名だったことも、版権がわりとすんなり取れた理由のひとつかもしれません。今でこそすっかり有名で、日本でも訳書がたくさん出ていますが、「ピーター・レイノルズ絵」の邦訳は、このジュディのシリーズが初めてです。

そしていよいよ翻訳スタート! となったわけですが、じっさいに取りかかってみるとダジャレのオンパレードでとても難しく、ひーひー言いながら訳すことになりました。読んで楽しいからといって、すらすら訳せるわけではない、ということをこのとき思い知ったような気がします。どのへんに特に苦労したか、どうやって乗り切ったかなどは、また別の機会に書いてみたいと思っています。興味のある方、どうぞお楽しみに!

▼小峰書店の『ジュディ・モード、女王さまになる!?』紹介ページ

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