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HSP×元人事が考える 「世の中お金じゃない」って本当?

「世の中お金じゃないんです」
「お金が全てのこの世の中を変えたいんです」

これらの言葉に対して、共感を持って受け止める人と、違和感しか感じない人と、両極端に分かれると思います。

敏感な人(HSP)にとって、お金はとても大きな問題です。
敏感な気質ゆえに働くこと、お金を稼ぐことに困難を感じている人が多いから。

今回は「世の中お金ではない」という言説について考える中で、敏感な人がお金に関わる際の処方箋を考えてみたいと思います。

HSPとは、「とても敏感な人」の意味です。詳しくはこちらに書いています。

先にお話しておくと、私は「世の中お金ではない」と思っている人間です。

しかしここでは、あえて敏感な人に「お金を稼ぐことに集中する」のをお勧めしたいのです。

■「世の中お金ではない」の問題点

ひとつの問題は、この言葉で自分の目の前の課題を覆い隠してしまうということです。

確かにお金だけでは幸せにはなりません。
でも、幸せの要素のひとつであるお金を排除する理由にはなりません。
環境や他者の責任にしています。
目の前の課題を、前に進むことで解決し得られることがある。
でも、つい自ら前に進むことを止める口実に「お金ではない」を使ってしまうのです。

もうひとつの問題は、特に日本の集団は「世の中お金ではない」を使って同調圧力を強めることです。
同調圧力、空気、「べき論」とも言います。
「世の中お金じゃない」「こうすべき」と吹聴し、周囲の抜け駆けを防ごうとするのです。
「空気」、「べき論」については、こちらに詳しく書いています。

「お金じゃない」を、人を引きずり下ろすツールとして使っています。
人をコントロールしようとしているのです。
本来の問題とは、全く離れています。

■お金の本質とは?

お金は人の欲望です。
お金という圧倒的な欲望が人格を変え、人間関係を、社会を変えることもあります。
お金を巡る社会の、そして人の争いに、敏感な人は気づき、嫌な思いを沢山していると思います。

それではやはりお金を稼ぐことは悪なのでしょうか?

私が考えるお金とは、「社会の定量的なひとつの評価」です。
お金は、社会との関わり方のひとつの指標なのです。

市場では、顧客が求めるものを提供すればお金という評価が得られます。
必ずお金が儲かる方法はありません。しかし、確率をあげる方法はあります。
お金を稼ぐには自分と環境を定量的に把握し、「結果を生み出す行動」をし続けるしかありません。
それを着実に実行するしかないのです。愚直に出来るか否かです。

その意味で、市場というものは公平でクリアといえるのです。

■敏感な人は、あえてお金を稼ぐことに集中する

敏感な人が一番悩むのは、自分がコントロール出来ないものに振り回されてしまうことです。
周囲を気にせず、唯一無二の生き方をしている人がいます。
しかし敏感な人はそれが難しい。どうしても周囲に影響されてしまいます
つい他者、空気を気にして、進むべき道があるのに道を外れてしまうのです。

本来はコントロールできないことに振り回されず、コントロールできることに集中しないといけないのに、それが出来ないのです。

だから敏感な人こそ、お金を稼ぐために必要な「自分を含めた現実を冷静に、定量的に把握すること」をお勧めします。

ここで定量的とは、数字で把握する、文字で把握するなどを言います。
自分で考えるだけではなく、回数などを記録し、数字で見る、状況、感情を文字で書いて読むなど、とにかく自分の外に出すのです。
自分や環境を外に出して見てみると、課題がよく分かります。
自分がコントロールできることが分かり、何をすべきかも分かります。
行動の一歩を踏み出せるのです。

そうすると、だんだん周囲の人の言葉、空気という曖昧なものに左右されなくなります。
成果が着実に上がるようになるのです。

成果があがれば、始めてお金というものの本質が理解できます。
現代社会でお金を無視はできない。でもお金に振り回される必要はないということに。

■おわりに

敏感な人が自分を客観的に見るということは難しい。本当に難しい。
「なんでこんなことになったんだ。周囲が悪いんだ。自分がダメなんだ。」という考えがぐるぐる。
こんな状態に陥ることは日常茶飯事です。

更に今の社会は、客観的に数値で人を評価していきます。
毎日その結果を見せつけられる。それに耐えられず「世の中お金じゃない」と言ってしまうのです。

でも、結果が出ないのは敏感な人が劣っているからではありません。
敏感な気質のせいで、周囲に惑わされてしまっているのです。
他の人よりハードルが上がっているのです。
ハードルの高さが異なる中で、競争し、評価されているのです。

でも敏感な人は気付いています。
人には数値では測りにくいエモーショナルな要素が沢山あることを。
それに気付いているからこそ、怖れを感じるし、相手をおもんばかる。行動が躊躇されるのです。

だからこそ、自分の姿、環境をしっかり記録し、自分の目に焼き付けましょう。
記録した自分、環境を見ると最初は心がチリチリ痛むけど、大丈夫です。
心に焼き付けてから、自分に出来ることを愚直にやって前に進みましょう。

そうすれば敏感な人は強い。成果があがります。
痛みが分かるからこそ、人の関係性を大事に出来る、人に優しく出来るのです。良い循環がどんどん周り続けるのです。

感性は表現しましょう。それは唯一無二です。敏感な人ならではのものです。周りにどんどん応援団ができるでしょう。

この記事が、敏感な人の少しでも役に立てば嬉しいです。

※今回お話しした、「自分を冷静に、定量的に把握する」方法、
「自分を保つセルフマネジメント」をこちらにまとめています。
簡単にできる方法を書いています。読んでもらえると嬉しいです。



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